異世界へ
「ごめんね☆」
俺が目を覚ますとそこには舌を出して謝る美女がいた
。こんな美女に謝られたらどんな事をされても恐らく許してしまうだろうと俺は思う。しかし、理由がわからない。俺はまだ意識がはっきりしない中、その美女に理由を聞く事にした。
「すまない、謝られる理由が分からないのだが?」
美女は少し悩んだ後、自分が女神であり暇になって遊んでいたら間違って俺を殺してしまった事、流石に罪悪感があるため、自分の場所に呼び出し、許して貰おうと思った事を伝えた。
「つまり、俺は死んだんだな。ところで女神様は何して遊んでたんだ?」
「・・・・・・・・」
「・・・・?」
「・・・・ダーツ・・」
「おい、つまり俺はダーツに刺さって死んだって事か?」
「しっしょうが無いじゃない、どこの世界を見に行こうがダーツで決めようと思って投げたら、当たっちゃったんだから。まっ責任は私にある訳だし、特別にあなたに選択させて上げる!!選びなさい元の世界、あなた達の言う地球かしら?その世界でゴキブリに生まれ変わるか。別の世界に転生するか?別の世界ならあなたの好きな生き物に転生させてあげるし、だいたいどんな願いでも叶えてあげるわ!」
「何でゴキブリなんだ?別に元の世界に死ぬ前の姿で戻したらダメなのか?」
「ダメね、あなた、元の世界ですでに亡くなった事になってるから元の姿は無理よ。あと、ゴキブリは変更不可能よ、今、サイコロ振って決まったから☆残念でした♪で、どうする?ミミズになる?異世界に行く?」
「ミミズに変わった⁈まっ、まー異世界の方が良さそうだな。」
「チッ・・・じゃー決まりみたいね」
「そっ、そんなに俺を虫にしたかったのか。」
「そんな事はどっちでもいいわ‼︎ あなたが行く世界は魔法とか使えるわよ、あなたの世界にはなかったでしょ?どうする?とりあえず、魔法使いになって世界を我が物にする?ハーレムつくる?」
「筋肉をくれ」
「えっ⁈ き、筋肉?」
「そうだ、筋肉だ。俺は思う、なぜ俺はダーツで死んだのか、それは体を鍛えていなかったからだ。よって、あらゆる方向からどんな攻撃が来ようとも傷一つ付かない最強の筋肉に俺はなる‼︎ そして、筋肉の筋肉による筋肉のための世界を作り出すのだ。」
「ぶっ、あはははははははははは、あんた面白いわ。久しぶりに笑ったわ。今までの転生者はみんな魔法を使いたいばっかりだから飽きてきたのよね。そろそろ、趣向を変えて適当に虫辺りに転生させようと思ってたけど気が変わったわ♪任せなさい、あなたには望み通り最高の肉体を作ってあげるわ。でも、今のあなたの筋肉を成長させるには骨格から変えないといけないわね。あと、顔変えとく?今の顔に筋肉は違和感半端ないんだけど」
女神様はまだ腹を抱えて問いかけてきた。
「相変わらず虫好きだな・・・まーいいや、ふむ」
確かに今の体に筋肉を付けると違和感があるな。元の世界での俺の身長は163cm。その身長に筋肉は残念な気がする。よし、俺は女神にどんな姿になりたいかを伝えた。
「わかったわ。後、適当にスキルをあげる。向こうであなたが何をするか見てるから私に面白い物を見せてね☆」
「ああ、任しとけ。」
俺は女神に礼を言うと目の前が暗くなり、意識を手放した。
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その日、木々が鬱蒼と生い茂っており、見通しがまったくきかない場所に裸一貫で拳を地面に突き立てるその姿は某映画の元ボディービルダーのような物々しい雰囲気さえ漂っている。
男は立ち上がり、呟いた。
「ふっ、わかっているじゃないか。異世界でマッチョが目覚めるなら、このポーズしかあり得ない。流石、女神」
その男の手にはいつの間にかビキニ(ポージングスーツ)が握られていた。
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