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1.5mの世界  作者: 粗井 河川
1章
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第5話   六歳、現状確認

 あれから三年ちょっと経過しまして、俺は六歳と二ヶ月になりました。

 五歳からは都市の図書館を利用できるので、毎日出来る限り通ってこの世界の情報を仕入れるようにしており、おかげで俺が必要としている知識はだいたい揃ったと思う。

 そうだな……ここらで、これまでのことを整理しておくのも悪くないか。

 

 この世界の名は“ユピアーデ”、俺が今いる大陸は“ユノトリア”という。ユノトリア以外の大陸の情報は今のところなく、存在しないのか確認されていないだけなのかは不明。

 ユノトリアには現在四つの国が存在しており、

 “カルカイム王国”

 “ラングット王国”

 “レストイア教国”

 “ベルダット帝国”の以上である。

 各国の詳しいことについては機会がある時に整理するとして、とりあえず今は俺がカルカイム王国に暮らしているという事実だけで十分だろう。

 俺はカルカイムの王都から徒歩二週間(十日)くらいの位置にある都市“メイユ”に住んでおり、現在はメイユ市の図書館でお勉強中だ。不思議なもので前世では勉強なんて全くしたくなかったのだが、今では自分から進んで勉強をしている。最近では新しい知識を得ると一種の快感すら覚えるようになった。

 だが、それも今日でお終い。必要と思われる知識はあらかた身につけたので、次はいよいよ神様の願いを叶えるための具体的行動に移ろうと思っている。

 

 思えばこの三年間でいろいろなことがあったな……。

 整理すべきこと、確認すべきことはかなりあるがそうだな、まずは【自由自在】について確認しておくか。

 三年前のあの晩、徹夜で説明書を読んだおかげで能力の詳しい仕様が分かった。その上で使いこなせるように訓練したので、【自由自在】に関してはほぼ物になったと言えるくらいにはなった。

 俺の無意識を実現してしまうのではないかという懸念も、能力に制限を掛けることで無事解決。具体的に言うと【自由自在】が発動する際には事前に確認を取るように調整したのだ。試しにやってみよう。


「あー、死にたい……めっちゃ死にたいわ……」


 すると……。


『死にますか? YES or NO』


 このようなメッセージパネルが俺の見える範囲の場所に出現する。……本当に死にたいと思ったら死ねるのがこの能力の恐ろしいところだ。

 もちろん死にたいわけではないので『NO』にタッチ。こうすればメッセージは消え処理は終了。無事に俺は死なずに済んだというわけだ。メッセージは無視しても五秒経てば自動的に『No』扱いになって消えるので、面倒くさければ無視しても構わない。当たり前だが、メッセージは俺以外には見えないようにしてある。

 この仕様に変更してから、能力の発動前にどういった効果が発動するのかや、無意識のうちに思ったことが勝手に発動しようとすると分かるといったメリットを得られた。ただ押し間違いを防ぐために『YES』の場合のみ指に一定量の魔力を込めながらタッチしなければならないので、そこがちょっと面倒くさく難点と言えば難点だ。まぁ、安全第一でいこうと考えているので変更するつもりはないけど。


 【自由自在】の主なスペックについても確認しておこう。

 まず効果範囲。これは初めて使った時に判明していたが、やはり俺を中心とした1.5mが有効範囲で、それ以上はどうやっても伸ばすことは無理のようだ。もっと正確に言えば心臓を中心とした1.5m。そんで心臓から1.5mまでの高さにも範囲は及ぶが下方向へは地面があるとダメ。宙に浮かんでいれば下にも効果は及ぶけどな。

 

 能力を使って出来ることは多岐多様にわたるため、一つ一つ出来ることを確認していくのは難しい。説明書には『一定範囲内の空間を能力者の思う通りに操ることができる』と書いてあり、出来ることも能力者の想像力で決まるのだが、制約も意外と多い。なので、ここでは出来ないこと・注意すべき点の代表例を確認しようと思う。

 まず出来ないこととして『他者の蘇生』が挙げられる。これはまだ試していないので完全に説明書の受け売りだが、他者というのは俺以外の全ての生物の事を指し、死んでしまったら能力をもってしても生き返らせることは不可能ということだ。『他者』ということなので、自身は予め設定しておくことで蘇生は可能。もし設定していなければそのまま死亡ということになる。本当に死んでも大丈夫なのか分からないし、「死んでも大丈夫」という考えは甘えを生む可能性があるので今のところ“蘇生”の設定はしていない。この先ずっとそうするかは分からないけど。


 続いて『生物の創造』これも既存・想像に係わらず無理。ペットや自分の理想の彼女を創るといったことはできないようだ。これは地味に欲しかったのだが、悔しいことに説明書には『有料アップデートで解禁可能!!』とあったのに解禁されていなかった。確かに絶対に必要ではないけれど、せっかくだからアップデートしてほしかったと思ってしまう俺は我が儘なのだろうか?


 最後に『製造者・神様が禁じたこと』これがかなりやっかいだ。説明書によるとデフォルトである程度創造できるものが禁止されており、それに加えて神様が自由に能力に制限をかけることができるらしい。使い方によっては神すら殺せるかもしれない【能力】だから制限をかけることに対しては別に構わないのだが、問題は何が制限されているのか分からないことだ。説明書には『別紙参照』としか書かれていなかったので、デフォルトで制限されていることも神様が制限したことも俺には分からない。【自由自在】を使って知ることが出来ないかと試してもみたが『権限がありません』と表示されたため諦めることにした。それに今のところ制限されて困ることもないので、あまり気にしないようにしている。


 次に注意すべき点として『創造したものが範囲内に出ると十秒で消える』というものがある。これも初回使用時に判明していたことだが、やはり俺が創ったものを誰かにあげるということは出来ないようだ。しかし、それはあくまで俺が一から創ったものに限られる。既存の物に能力で手を加えた場合は、この条件に当てはまらない。そのため安物の剣を最強の剣に改造して誰かにあげる、ということは可能なわけだ。なら創造したものも範囲外に出せてもいいんじゃないかと思うが、相変わらずよく分からない仕様だ。尤も、俺の目的は純粋な魔法力の向上なので、道具に頼っているようでは困る。そのため余程のことが無い限り誰かにあげるようなことはしないと思う。

 あぁ、それと当たり前と言えば当たり前だが、俺が創ったものが範囲外に出ても与えた影響までは消えない。例えば弓矢を創造してそれを放ったとしよう。矢が範囲外の障害物に中り破壊した場合、矢は範囲外に出て十秒で消滅するが、破壊された障害物は元には戻らない。だから十秒以内に届くのであれば、創造による遠距離攻撃も可能だ。


 お次は『電子機器・地球産の兵器は創れない』ということ。これは俺のイメージや設定が甘いために創れないのか、上記で触れた禁止事項に抵触している為に創れないのかは分からないが機械類はとにかく無理だった。



 他にも出来ないことや注意すべき点はあるのだが、今回はこのくらいにしておこう。

 こうしてみてみると、自由自在というわりには意外と不自由な能力だと思ったりもする。

 とは言うもののそれでも十分過ぎるくらいに強力な能力だがな。完璧ではないが、ある程度使いこなせるようになった今では、能力を使って負ける自分が想像できない。まだ実戦で使用していないため、やや自惚れの気もするがそれだけの自信はこの三年間でついた。

 ただ気掛かりが一つある。

 説明書に書いてあった“肝心な時に役に立たない”という一文である。

 この一文の所為でどうしても能力に頼りすぎるのはよくないのではないかと思ってしまう。神様は能力を存分に使えと言っていたので気にしすぎなのかもしれないが、どうしても一抹の不安が拭えないのだ。

 だから念のため“俺”は能力を使わずに自力だけで強くなるようにしている。【自由自在】を使えば魔力が枯渇しても一瞬で回復させられるし、適性外の魔法も適性に変えることができるのだが、そういう能力に頼ることは一切せずに自分――ジル・クロフト――が本来持っている力のみを鍛えているのだ。時たま無性にズルをしたくなることもあるし、無駄な努力なんじゃないかと思ったりもするが、何とか能力を使わずに頑張っている。

 それに関連して次は魔法を確認していこうと思う。


 この三年間魔法は毎日練習していたので、使える魔法・魔力量ともにかなりレベルアップしている。風魔法は最上級の魔法を使えるようになったし、闇魔法の方もオリジナルの魔法を開発&使用できるくらい魔力も上昇したので、魔法に限れば俺はすでに世界でトップクラスのはず。ああでも最上級が使えるといってもまだ一発撃ったら魔力は枯渇しちゃう程度だけどな。ちなみに適性外の魔法は、この前コップ一杯分の水を出して魔力が枯渇して以来試すのは止めた。これからは風と闇の時代だな!!

 

 そうそう、以前俺は最上級の魔法を大した威力のないものと判断していたが、あれは訂正しておこう。家半壊程度でも、個人が持つ力としては十分すぎる力だ。なんせ何の備えのない人に放てばバラバラにできるくらい危険な力だからな、これ。それに日常生活を送る上でこんな力必要ないし。今なら母さんが言っていた「そんな強力な魔法、何に使うのか」という意味が実感できる。

 でも俺がしようとしていることはその危険な力を皆に身につけさせるってことなんだよな……。いくら神様に頼まれていえ何だか気が進まない……的なことを思ってたりもしたが、放って置けば近い将来魔物に絶滅されるかもしれないというのだから、そんなことも言ってられないだろう。俺にできることと言えば、少しでも皆が力を正しく使えるように努力することくらいだ。


 

 んー、魔法について確認しておくことはこのくらいかな?

 っと、大戦当時の魔法の水準を調べるというものがあったな。

 図書館で調べてみた結果、当時は街を一瞬で焦土と化せる業火や数万の兵士を飲み込んだ大洪水、王城を吹き飛ばすほどの暴風、五〇m級のゴーレム集団を生み出すことが出来る魔法などが有り触れていたらしい。また魔法の才能や魔力が足りない者は、精霊と契約を交わし使役することによって、足りない分を補っていたという。

 そんなことが本当に出来たのであれば、多少魔物が強くなっても十分に対応できるだろう。だが、果たしてこれを信用していいものか疑問であった。確かに魔法によってこれらを実現させることはできるだろう。現に必要な魔力さえあれば俺も再現できないことはないと思う。しかし、今の魔法水準を見る限りどうも疑わしい。昔は一度の魔法で街を破壊できたそうだが、今は最上級の魔法ですら家一軒を半壊させることしかできないのだ。1800年前のこととはいえいくらなんでも水準が下がり過ぎではないだろうか。確かに普通に生きていく上では街を破壊する規模の魔法なんて必要ないのだが……。

 それに精霊と契約したとあるが、契約するくらい精霊との交流があったのなら、今の時代にももう少し精霊に関する知識が残っていてもいいはずだ。にも係わらず全くと言っていいほど情報が存在しないということは、かなり信憑性が低いのではないだろうか。


 というような感じで疑問に思った俺は駄目元で母さんに聞いてみた。

 返ってきた答えが「それは嘘よ」だ。

 1800年前まで大戦が起こっていたことは確かだが、当時の様子を記した資料の類はもう残っていないらしい。では俺が調べたものは何だったのかというと、大戦があったという事実を伝えるために1000年程前、各国が共同で作った歴史書だという。歴史書と言っても大戦の起きた原因や勝敗ぐらいしか正しいことは書かれておらず、それ以外のほとんどが脚色されて書かれている為、ほとんど創作物に近いらしい。魔法の描写に関しても大袈裟に書かれているため信じない方がいいと言われてしまった。実際資料が残っていないので確かなことは言えないが、大戦当時の水準は今よりは多くの人が最上級クラスを使えたのだろう、くらいが今の世界の認識らしい。

 それが本当なら『大戦当時の魔法の水準に戻す』を指標にしようと思っていた俺としてはかなりやりやすくなるのだが……こちらはこちらで信用していいものなのか悩ましいところだ。

 さんざん迷った俺は結局、調べることを放棄した。明日から行動を開始するので、現在の状況を自分で確認した上で、俺なりの指標を作ることにしたのだ。こっちの方が確実でしょ!!

 とまぁ、魔法関連はこんなものでいいだろう。

 お次は家族にいくか。家族との関係もこの三年間で少し変化したからな。

 

 最初は親父。とはいっても親父との関係はほとんど変化していないけど。変わったことと言えば偶に剣を教えてもらうくらいか。今まで剣に生きてきたというからに親父はかなり強かったなぁ。魔法ありなら勝てるのだが、純粋な剣の勝負ではまだまだ歯が立たない。

 あ、家族には俺が風の上級魔法とオリジナルの闇魔法をいくつか使えることまでは知っているが最上級が使えることはまだ黙っている。最上級についてはいずれ話すつもりだが、能力や神様のお願いについてはこの先ずっと黙っているつもりだ。今後誰にも話さないかどうかまでは分からないが、少なくても家族には俺は魔法がちょっと得意な子どもくらいに思っていてもらいたいからな。

 

 続いて母さん。三年前と比べると少し関係が変わったな。

 母さんは中級魔法までしか教えてくれなかったため、俺は独学で風魔法の上級に至ったのだが、それを母さんに見せたのが拙かった。俺はちゃんと上級魔法が出来ているかどうかを確かめたくて見せたのだが、母さんはそれを見て倒れてしまったのだ。

 母さんは自身の魔法の才能に自信があったらしいが、それでも上級魔法を使えるようになったのは十四歳の時だった。それが息子とは言え当時五歳の子どもが上級魔法を――しかも独学で――使えるようになったのが余程ショックだったらしい。しまいには気絶から覚めた後に「これで条件は同じね。さぁ、どちらが先に最上級を使えるようになるか勝負よ!!」などと訳の分からないことを言い出すようになってしまった。

 今では母さんとは魔法のライバル関係のようなものになってしまったのだが、恐ろしいことに母さんはすでに最上級を不完全ながらも使える。しかも四属性全てを。母さんの魔法適正は火・土・風・雷の四つで、上級魔法は火と雷しか使えなかったのだが、それをたった一年で辛うじてとは言え、四つとも最上級を使えるようになったというのは驚嘆に値する。確か最上級を使える人は数えるくらいしかいないはずなのだが……。

それに「強大な力は必要ない」とか言ってたよな? そのことを尋ねたこともあったが「今がその時よ」とか言ってた。本当に息子に負けたくないんだろうな。それで世界最高レベルにまでなってしまうのだから……本当にこの人一体何者なんだろう?

 まぁ、予想していないところで母さんが強くなってしまったけど、俺の目的を考えればむしろ歓迎すべきことだ。ただ、母さんは魔法を戦闘には使いたくないそうなので、戦力的な意味では期待できない。でもそれだけ魔法が使えるのにただの主婦をやっているのは勿体ないと思うので、機会を見て教師をやってみるつもりはないのかと提案するつもりだ。

 

 どんどんいって、次はルー兄さん。

 ルー兄さんは初級魔法ならある程度使えるようになり、現在は学園に通いながら親父の跡を継ぐための訓練を続けている。親父と休みが重なった日は二人でよく剣の稽古もしているようだ。

 ……俺は諸々の事情でルー兄さんよりも優秀なため、それに嫉妬した兄さんと一時期険悪になったりしたこともあったが、今では和解して仲良くやっている。

 この時のことはあまり思い出したくないから次いこう次。


 リンダさんとの仲はあまり変わっていないような気がする。昔に比べてスキンシップが増えたような気がするし、一緒に風呂に入るようにもなったがせいぜいそのくらいだろう。

 むしろリンダさんと母さんの関係の方がよっぽど変化した。以前から何となく母さんと仲が良くないのかもと思っていたのだが、ついにそれが爆発して母さんと大喧嘩に発展する事態があった。

 あぁ……これもあまり思い出したくない類のものだが……。

 親父といろいろ策を練った結果、なんとか解決。今ではそれなりに仲良くやっている。はい、おしまい。


 最後に俺の癒しだった(・・・)妹のククル。彼女は体が病弱であったが、俺が能力で治した。『既存の物に手を加えた場合は範囲外に出ても消滅しない』という性質を利用したもので、ククルという『既存の存在』から病弱という体質を取り除いたのだ。そのため今では風邪なんぞにはかからなくなり、実に健康的に過ごしている。家族もそのことについては不審がっておらず、素直にククルが元気になったのを喜んでいた。

 ククルには彼女が三歳になった時に俺が約束通り魔法を教えることとなった。その時にはギリギリで魔力解放できるだけの魔力があったので、母さん立会いの下、俺が魔力解放を行い、結果は無事成功。それから今までずっと俺がククルに魔法を教えており、現在は中級魔法を使えるようになっている。

 ちなみにククルの適正は水と雷で、陥った暴走状態は『発情』。潤んだ瞳でひたすら体をこすりつけてくるのだ。アレは本当に大変だった……。主に理性的な意味で。

 

 昔は雛が親鳥の後をついていくような感じだったククルも、去年あたりから少し変化が生じてきた。「将来は兄様と結婚します」と言い出すようになったのだ。しかもそれに伴いだんだんとスキンシップも激しくなってきたし。

 あまりのブラコンっぷりにもしかして俺が【自由自在】に制限をかける前に、ククルに何かしてしまったのではないかと確かめたこともあった。幸いなことに俺が能力でククルに何かをしたわけではなかったが、素で言ってるのかと思うとそれはそれで別の心配をしてしまう。

 少し構いすぎたかと反省した俺は、五歳から通えるようになる学園に行ったらどうかと勧めてみた。学園に通い、同世代の子どもと触れ合うようになれば自然と兄離れするだろうと思っての発言だ。すると彼女は「兄様ももちろん通うんですよね?」と聞いてきた。学園で習うようなことはすでに習得済みだったし、他にもやるべきことが山ほどあったため「俺は行かないよ」と答えた。

 そこからが大変だった……。「なら私も行きません」と言いだし、それから彼女を説得するのにどれだけ苦労したことか……!! しかも、やっとの思いで学園に通うようになったククルだが、ブラコンが直るどころか悪化しており昨日だって「テストで満点を取りました!! ご褒美にキスしてください!!」と言ってきた。本当ならここでキスしないで立ち去るべきなのだが、そうしようとすると捨てられた子猫のような目でこっちを見てくるため、どうしてもその目に耐えられずしてしまう。……キスと言ってもおでこにだから、まだセーフだよな?

 当初の予想ではあと二年ほどで俺のことを避け始めるはずだが、果たしてどうなることやら……。今ではすっかりククルは悩みの種だ。



 まぁ、そんなこんなで家族仲は順調だ。俺もこの家族のことが好きなので普段はあまり使わないようにしている能力も、家族の身にもしものことがあった場合は全力で行使するつもりだ。……あー、でも母さんにはもうそんな心配はないかもしれないけど。



「さて……確認もこれくらいにして、そろそろ家に帰るとするか」


 いよいよ明日からは本格的に行動開始だ。


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