第40話 VS BOSS
「ちょっと、黙ってないでいいかげん離してくれる?」
「……」
スイレン様がイラつきながら私を引き剥がそうとする。
離したくない。離したらスイレン様まで行ってしまう。そんなことになったら自分が耐えられるか分からない。だから何が何でもこの手は離さない。
「あのね、私は忙しいの。これから他の都市へ援護しに行かなくちゃいけないんだから。さ、分かったら早く離しなさい」
「嫌です」
1人は嫌だ。
「はぁ……分かったわよ。私の貴重な魔力と時間を割いてあげる。貴女の記憶、視させてもらうわ」
「きゃっ」
目の前が真っ白になり、頭がくらくらする。
「そう……カベルは死んだのね……。そんで貴女は仇を取るどころかボコボコにやられた、と。だからそんな死んだ魚の目をしているのね。……うん、落ち込むのも無理ないわ」
そう言い、ポン、と優しく頭を撫でてくれた。
スイレン様がこんなことをしてくれるなんて初めてだ。
あぁ……スイレン様の心遣いがゆっくりと胸に浸透していく――。
「何て言うと思ったかバカたれ!!」
「え?」
頭上から大量の水が落ちてきて私の全身を濡らす。水はとんでもなく冷たくて、体がガチガチと震えてきた。
「どうして……? どうしてこんなことをするの?」
「悲劇のヒロインぶって甘ったれてるんじゃないわよ!! ただの自業自得じゃない!! そんなんで私の同情を買えるなんて思わないことね。……ったく、カベルはとんだ犬死によ」
何を言っているのこの人は?
カベルが犬死に……?
「それは違う!!」
深く考える前に言葉が先に出てきた。
「どこが? 格上だと分かっている相手に挑んで何も出来ずに敗北。カベルは死んで貴女は『止めれば良かった~』『私にもっと力が~』とか言って落ち込むだけ。得た物なんて1つもなし。カベルは犬死に、貴女は負け犬じゃない」
「――っ」
思い出すのはあの女。言葉を武器にこちらの心をへし折ろうとして来た敵。今、目の前の精霊とあいつの姿が重なる。
今度は……今度こそ引くものか。引けば本当の意味でカベルが死んでしまう。
「犬死にじゃない!! 私達は確かに無茶で無謀だったかもしれないけど、そんなバカな行為のおかげで救われた命もあったはず!!」
あの5人組は当初、バラバラに分かれて各都市を攻撃しようとしていた。もし私達が何もしていなければどれだけの被害があったか分からない。それを引き留め、師匠に引き継いだことの意義はきっと大きい。
「ならそんなシケた面してないで、胸を張るのね」
「あ……」
「うだうだしてないで『私達のおかげで被害は最小限になった』と威張るくらいに堂々としていなさい。カベルの死だって名誉の死だと誇るの」
「!!!!」
カベルの死を……誇る。
「起きてしまったことはもうどうしようもないんだからプラスに捉えなさい。でもだからと言って都合のいいように解釈してはダメ。事実を受け入れ、後悔せず、反省をしなさい」
この方は次々と難しいことを言う。とても実行できる気がしない。
「反省を踏まえた上でエミリーがどうしたいのか言ってみなさい。惨めな姿をして同情を誘うのが貴女のしたいこと?」
でももしカベルが私と逆の立場だったら、私の死を誇った上で前に進むと思うし、そうして欲しいと思う。……だとしたら私もそうしなくちゃダメだよね?
いつまでも醜態を晒していたらカベルに笑われちゃう。
だから私は――。
「私は強くなりたいです!! どんな奴が現れても誰も死なせないくらい強く……!!」
前に進むためにこの道を選ぼうと思う。
「ふふ、それでいいのよ。その気持ちを忘れず、がむしゃらに進みなさい。そうすれば望んだ自分になることが出来るわ。……頑張りなさいよ」
軽くデコピンをしてくるスイレン様。
今の衝撃で心が緩み、溜めに溜まった感情が溢れ出てくる。
「えっ、えっ……」
「ったく、何で私がこんなことをしなくちゃいけないのかしらね……。こういうのは師匠であるフロルの役目じゃない?」
ダメ、堪えきれない……。
「う……うわああああああああああああああん!!」
「ちょ、何で泣くのよ!? ……あ、こら離れなさい!! 服が汚れるじゃない!!」
師匠、私はもう大丈夫です。
素敵な精霊様のおかげで立ち直れそうです。
師匠にお話ししたいこと、教わりたいことがたくさんあるので早く帰ってきて下さいね。
ん? 何か弟子が立ち直ったような気配がしたわね。別れ際に不安そうな顔をしていたから、こっちは楽勝よという意味を込めてあのデブの首を送ったのだけどそれが良かったのかしら? ……今から帰って確認すればいいか。
「さ、メル行きましょう」
「疲れた。帰ったら寝る」
メルフィが腕輪になったのを確認し、転移を唱えようとしたら――目の前に黒い穴が出現した。
「!?」
いきなりの事でちょっと驚くも、すぐさま戦闘態勢に入る。
穴をくぐりながら出てきたのは身長180cm以上の若そうな男。淡い紫の髪に、褐色の肌。物々しい鎧と真っ黒なマント、顔には目を隠す仮面を身につけている。怪しさ全開でどこからどう見ても悪役にしか見えない。
というか、こいつはデブの記憶で見たことがある。
「バルディア、だったかしら?」
「む? 貴様は……そうか、貴様が例の奴だな? くく、これはついている」
間違いない。このやたら偉そうな男はバルディアね。
こいつはこの世界“ユピアーデ”とは違う場所に存在する魔界ギルビスレイトの住民。そして犯罪組織『カオス』の実質トップにして今回、各都市へ魔物や5人組を送り込んだ張本人。そしてメルンの体を乗っ取っていた奴も『カオス』の一員。つまり早い話、一連の異変騒動の黒幕。……ふふ、まさかトップの1人がのこのこと出て来るとは思わなかったわ。何が目的でこんなことをしているのか知らないけど、生かしておいて得をすることは1つもない。
「というわけで――死になさい」
奴の周囲を槍で囲み、一斉に放つ。
私のイメージだと串刺しになったバルディアが呻き声を上げながら死ぬはずだったのに、実際は槍が刺さるどころか掠りもせず、放ったと同時に掻き消えてしまった。
強いわね……。さっきの連中だったらこれで殺せたはずなのに命中すらしないなんて。それに今の攻撃をどうやって消し去ったのか全く分からなかった。苦戦するかも。
「ふん、出会い頭に攻撃するとはせっかちな奴だ。少しは会話を楽しむくらいの余裕を持て」
うざっ。
でも確かにいきなり殺しにかかったのは良くないわね。情報収集くらいはしましょうか。
「じゃあ質問。異変を起こしているのはアンタ達なんでしょ? 目的は何?」
デブの記憶だけでは何が目的なのかまでは判断できなかった。というのも、連中はただの下っ端で、命令されてここに来ただけだったから。
「質問には答えてやろう。だがその前に教えろ。ここで待機しているはずの5人を殺ったのは貴様で間違いないな?」
「……そうよ。きっちりと全員あの世に送っておいたわ」
「くくく、そうか。奴らはあの程度の実力で調子に乗っていたからな、いつか死ぬとは思っていた。しかしこうも簡単にやられるとは……くく、笑えるじゃないか」
心底おかしそうに笑うバルディアは隙だらけにも見える。でも攻撃を仕掛けても当たる気がまるでしない。実力の底が見えてこず、深淵を覗き見ているような錯覚さえ覚える。
対峙しているだけで疲れそう。
「……で、私の質問の答えは?」
「む? ああ、何が目的かだったな。なに大したことではない。ただの暇潰しだ」
一瞬、耳が変になったのかと思った。
「暇潰しですって……? 本気で言っているの?」
「さあな。我々が暇な時に丁度ユピアーデのことを知り、ちょっかいをかけてやろうと思っただけだ。確固たる信念などない」
本当に理由なんてないみたいね。
「ならとっとと失せなさい。はっきり言って大迷惑なのよ」
「それは出来ん相談だな。暇潰しとは言え、やるからには手は抜かん。人口と精霊の数を9割減らすまで止めるつもりはない」
……OK。やっぱりこいつはここで殺すしかないわね。
「そんな顔をするな。何も悪いことばかりではないぞ? 生き残った連中には『力』と『技術』と『知恵』を与えてやるつもりだ。そうなれば文明は飛躍的に発展し、今の暮らしなどとは比べものにならぬほど豊かになる。減った人口もすぐに元通りだ。そして遠い未来には我らに感謝する日すら来るだろう。……なに、気にする必要はない。我らなりのせめてもの罪滅ぼしだ」
「はっ」
バカにしているとしか思えないわね。私が歓喜の涙を流しながら「是非お願いします!!」とでも言うと思っているのかしら?
気に入らないわね。さっきのは取り消しましょう。こいつはここで必ず殺すわ。
「ふむ、逆効果か。殺気が膨れ上がっていくのを感じるぞ。……しかし、いいのか? もし我を殺せばせっかくの繁栄のチャンスを逃すぞ?」
命乞い……というわけではなく、純粋な疑問みたいね。
「そんなあんたにラングット王国の女王の言葉を伝えるわ。謹んで聞きなさい」
「聞いてやろう」
「アンタ達はユピアーデに住む全ての者の“敵”だ、よ」
未来が視え、公平の国の女王であり、望む未来のためなら甥を犠牲にするあのローザが“敵”と断言したのだから、説得力があるわよね。……もしかして私とこいつがどういう会話をするか知っていたから、私が迷わないようにあんなことを言ったのかしら?
だとしたら私も舐められたものね。ローザの言葉なんか無くても私は私の思う通りにするのに。
「くくく、そうか。だが貴様達の意見なんぞ、はなっからどうでもいい。抵抗しようがしまいが我のやることは変わらぬのだからな!!」
直後、無数の黒光りする水晶が私を襲う。
どうやら戦闘が始まったみたいね。
さて、普段なら相手の実力を測るために攻撃をワザと食らったりするのだけど、油断すると手痛い目に遭いそうなので、すぐさま回避。今回は全ての攻撃を避けさせてもらいましょう。
水晶は私がいた付近まで飛んでくると停止して破裂。と同時に例の黒い穴を次々と生み出す。その穴からは粘液で出来ていそうなドロドロした腕が這い出てき、次々と私へと伸びてきた。触れてみたい気持ちを押し殺しつつも、向かって来る腕に炎弾を食らわせていく。
「あら?」
しかし、腕は易々と炎弾を突き破って私へ直進してくる。
その腕を避けて他属性の魔法で攻撃してみるも効果は薄い。……魔法の耐性が高いのかしら?
それなら――。
「ほう?」
【自由自在】を試してみる。
すると能力の範囲内に入った腕を消滅させることに成功。どうやら能力はちゃんと効く様ね。
「くく、やるではないか。今のは『魔手草』と言って、魔界に生えている第二級指定の危険植物なのだが初見で倒すとは。どうやら我が直々に手を下す価値はあるようだな」
嘘……。今のって魔法じゃなくてただの植物なの? 私が今まで戦ってきたどの魔物よりも強いじゃない。
……魔界って随分と危ない場所なのね。絶対に行きたくないわ。
「では直接行くぞ。耐えられるものなら耐えてみせろ」
そう言い、バルディアが右手を握ったと思った刹那、私の体内がミキサーにかけられたかの如くグチャグチャになっていくのを感じた。
「うげぇ」
痛みをほとんど感じない体にしたのに痛みが酷い。いえ……痛みよりも気持ち悪さの方が勝っているわね。この何とも言えない奇妙で不快な感覚。まるで吐瀉物が体中に満ちているような、そんな感じ。
瞬時に体は回復したのに、いつまでもこの気持ち悪さは付きまとってくる。
最悪の気分……。
「今ので死なないのか。完全に殺す気だったのだがな。……どうやらお前は肉体にダメージを与えるだけでは殺せないようだ」
でもおかげで分かったわ。
こいつは強い。スイレンよりも遥かに強いでしょう。スイレンが光の精霊や他の精霊達と手を組んでも勝てるイメーが全く浮かばない。おそらく7対1でも一方的な展開になるはず。
だ・け・ど――私よりは弱い。
未だに実力の全容は見えてこないけど、体を少しグチャっとした程度で私を殺せるつもりでいた時点で高が知れている。警戒の必要はもうないわね。
「ふふ、じゃあお返しよ」
15mほどの高さまで一気に飛び上がり、そこから練りに練った魔力を解放する。
「砲煙槍雨」
「ぬぅ!?」
バルディアの頭上に槍の豪雨が降り注ぐ。
槍はたちまち奴を呑み込み、さらに激しさを増していく。
槍には莫大な魔力を込めてある。だけどそれだけではない。1本1本に能力で『貫通』『破壊』『溶解』『分解』『切断』『抉出』を付加し、必殺の域まで高められている。
なのに――。
「ぐうう……」
これだけしても多少よろけるだけで、目立った外傷は与えられていない。能力を使ってもダメージを与えられないということは、あいつは私の想像よりも固いってことになる。
……面白いじゃない。
(フロル、私も手伝おうか?)
(大丈夫。次で決めてみせる)
メルフィの申し出を断って再度、槍の雨を降らせる。
今度は先ほど付加した6つの特性に加え、『即死』『石化』『沸騰』『腐敗』『爆発』『浸食』『風化』『凍結』など思いつく限りのものを付与させる。
魔力も先ほどの倍は込め、バルディア限定の効果にしなければここら一帯が当分は人が近づけなくなるほどの威力まで昇華した。
もはや生物に放っていい技じゃない。当たらなくても近くにいるだけで塵と化す禁術。
「……だというのに、ちょっとしつこくない?」
「……」
膝をつき俯いたままピクリとも動かないけど、血を一滴も流さずに体の原型を留めている。
眩暈がするほどの衝撃ね。正直、この事実を認めたくはないわ。すぐにでもこんな奴を放って置いてうさ耳姉妹に抱きつきたい気分よ。
「ほんと、どうしましょうね……?」
効いていないわけではない、はず。ただ異様にダメージが通りにくいというだけ。いくら何でも堅すぎだと思うのだけど……。
何かカラクリがあるのかしら?
疑問を抱きつつ、隅々までバルディアを観察してみる。
「ふむ……あの物々しい鎧が怪しいわね」
肩に何のために付いているか分からないトゲトゲが特徴の鎧。アレに何かしらの効果があるのかも。
OK、至近距離から能力で破壊してみましょうか。上手く行けばバルディアごと消し去ることが出来るかもしれない。
そう思い奴に近づく。
なるべく静かにそーっとそーっと。
3m付近まで近づくと、上空からでは見えなかったバルディアの口元が見えた。口は閉じられており、少なくても口で呼吸をしている様子は見受けられない。
2mまで近づくと、奴が本当に微動だにしていないことに気付く。呼吸すらしていないようだし、死んでいるのかも?
それだったら楽よねーと、思いつつ1.5mの距離まで詰めると――バルディアの口に笑みが広がっていくのが見え――不味い……!!
とっさに距離を取ろうとするが――。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
「くっ」
耳を劈くような咆哮に思わず動きが止まる。
そして咆哮が止み、奴が立ちあがった時、ある変化に気付いた。
バルディアの奴、さっきよりも大きくなってないか?
「ふん、蓋を開けてみればただのガキか。期待外れもいいところだ」
「……?」
何を言って――。
「あ……」
違う。
奴が大きくなったんじゃない。
俺が小さくなったんだ……!!
何故だ? どうして元の姿に戻っている!?
「があっ……!?」
頭に激痛が走る。
ヤバい、動揺している隙をつかれバルディアに頭を鷲掴みにされた。
「駆け引きを理解しない。我慢を知らない。安直に結果を求める。根拠なき自信。……典型的雑魚の思想。小僧、貴様のことだ」
「ぐっ、は、放せ……!!」
足が地面に届かない。頭が割れそうに痛い。状況の変化に頭が追いつかない。
「くくく、圧倒的な力で雑魚相手に無双するのはさぞや楽しかったろう。だがそのような偽りの力、我には通用せんぞ」
「バレット……!!」
「ふん」
闇の弾丸を撃ち込むが、全て握り潰されてしまう。
「雑魚め。神の“オモチャ”を取り上げられた貴様なんぞ、所詮はその程度だ。我に挑んだ浅はかさを後悔しながら――死ね」
衝撃が走った、と思った時には俺の視界は目まぐるしく変化していた。
何をされ、何が起こったのか理解せぬまま状況に流され続けていく。
気づくと何かにぶつかり、視界が安定してきた。そして激しい痛みが全身を駆け巡る。
それでも必死に状況の理解に努める。生き残るためには混乱なんてしていられない。
俺は……奴に吹き飛ばされたのか。そして……木にぶつかった、と。
全身は傷だらけで、左腕は変な方向に曲がっている。だがそれよりも、へこんだ腕輪に最悪の事態が脳裏を掠める。
(メルフィ、無事か……!!)
(…………)
慌てて呼びかけるが返事はない。
「待ってろ、すぐに回復してやる」
能力で回復を発動する。……が、一向に回復する気配はない。
「おい、どういうことだ!!」
何故発動しない!?
普段ならこれで回復するはずなのに……!!
諦めずに何度も何度も能力を発動しようとすると――。
『た――い……さ――ル――い……て……るか――prtttt――○きき△ききき――るるじじksdjkdkさfじ※えgdk……………………所有者に死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死死けけけけけ』
「うっ……何だよこれ……?」
呼び出していないのに液晶が現れ、不吉な文字で画面を埋め尽くしていく。
「まさか……壊れた、のか……?」
こんな大事な場面で?
「……と、とにかく今は逃げないと」
幸い、吹き飛ばされたおかげで奴の姿が見えない。今の内に離れないとバルディアが来る。見つかれば俺の命は……ない。
立ち上がり、走ろうとしたら体が思うように動かず転んでしまった。
ダメだ……想像以上にダメージを受け過ぎている。
「――ククク、元気かフロル。イヤ、ジル・クロフトと呼んだ方がイイカ?」
聞きなれない声がした。
地面に倒れ込んでいる俺を嘲笑う女の声だ。
見上げると、そこには黒い髪に黒いドレスを着た少女がニヤニヤしながらこっちを見下ろしている。
誰だ……?
「私ダ、私。クロリアだ。ククク、イイ様ダナ。今ニモ死ニそうジャないか」
クロリア……ああ、闇の精霊の。
存在を忘れていたな。
――最悪だ。
何故こいつがこんな時に出てくる。
「ククク、この時ヲ待っていたぜ。ジャ、始めようカ。もしかしたら殺シテしまうかもシレナイガ……お前を苦痛に歪ませてヤルヨ!!」




