その9 リョウ編
長編恋愛ファンタジー DESTINYに出てくる、主人公アサギの幼馴染リョウによる口説き文句です。
■キーワード1 『雪』
「雪だるま作ろう、アサギ。玄関に置いておこうよ、二体並べて。
……思い出が消えないように、思い出が何時までも記憶にあり続けるように。大きいのを作るんだ」
■キーワード2 『月』
「プラネタリウムでさ、寝たんだよね。アサギ笑ってただろ、知ってる。起こしてくれてよかったのに……ひっでーよな。
でも、今は寝ない。投影された夜空ではなく、本当の夜空に浮かぶ月を一緒に観ているから」
■キーワード3 『花』
「アサギがいると花が元気になる、知ってた? 僕は知ってたよ、随分と前から。花にとってアサギは太陽であり、水であり、養分なんだよね。
……僕にとっても」
■キーワード4 『鳥』
「アサギは自由だよ、飛んでいる鳥みたいに。けれど、自ら鳥籠の中に入ってしまっている気がする。出ておいで、アサギは自由だ。何も考えなくて良いから、助けが欲しいなら僕が鳥籠を開くから。
飛び立つんだ、自分で」
■キーワード5 『風』
「僕は風、アサギは土。僕はアサギの傍にいつもいるよ、呼べば必ず応えるよ。ずっと、ずっと遠い昔からそうだった。僕はアサギに新しい何かを運ぶ、風でいられれば良いんだ」
■キーワード6 『無』
「おやすみ、アサギ。味方が減っても僕は味方だよ、敵側に居ても味方だよ。意味、解るよね? 僕達は友達だ、揺ぎ無い強固な絆で結ばれた友達だ。いつもアサギを応援している、立場が違っても。
だから、嘆かないで。一人で決めたら駄目だよ」
■キーワード7 『光』
「好きとか、愛しているとか。僕には解らないけれど、これだけは言える。アサギが大事だ、いつも輝いて見えるアサギがとても大切な存在なんだ。
そう思っている僕の心を、どうか片隅に置いておいて欲しい」
■キーワード8 『水』
「あの日。泉に足を浸しているアサギを見た時に、全ては始まったんだ。覚えてるかな? 退屈で抜け出していたあのパーティの事を。
僕はその瞬間に、アサギの傍で見守り続けることを決意したんだ」
■キーワード9 『火』
「恋焦がれる火。僕は風だ、火にはなれない。火の勢いを増すことなら出来るけれど、それではアサギが……燃え尽きてしまう。
時折、トランシスが羨ましくなるのは、僕にも狂気があるからなのかな」
■キーワード10 『時』
「時間が全てを解決するなんて、嘘だ。時では解決しないよね、真実だ。それだけだよ、アサギ。
いいかい、よく考えるんだ……いや、考えずに行動するんだ。アサギ、自分の幸せだけを願って」




