表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

第2話

事実、ここまで読むと「一回目の人生より確実に何が悪くなったのか」よくわからないかもしれない。 実際、俺もその頃は「結局同じじゃん」と思って、せいぜい前世と同レベルか少し下くらいにしか見てなかったからな。 でも、これから起こる出来事が、俺に「確実に前より酷い」って実感させてくれた。

それは例の『優しい拒絶女』に振られてから、すぐ後のことだった。 俺は惨めさに耐えきれず、12月になる前から速攻で引きこもりモードに入って、冬を乗り切る準備をしてた。 そん時に兄貴が来たんだ。

兄貴はめちゃくちゃ面倒くさそうな顔で、「母さんが持ってけって」って言いながらおかず置いて、いつものように散らかった部屋と目の下のクマ、増えた体重を軽蔑の目で見ながら、散々嫌味言って冷蔵庫開けたら、今まで一度も見たことないビール缶が出てきて、呆れたように。

「うわ……この豚野郎、今度は酒まで飲んでんのかよ。お前マジで将来どうすんだよ?」って言いながら缶取り出して、首振って俺の方にポイって投げて玄関に向かった。 運悪くその缶が俺の顔に直撃。 俺はもうイライラマックスで、嫌いな兄貴がまた人格否定して缶まで投げてきたから我慢できなくて、缶拾い上げて靴履いてる兄貴の後頭部にぶち当てて、これまで溜まった恨み全部ぶつけるみたいに狂ったように兄貴を殴りまくった。

「このクソ野郎!てめえが何なんだよ!死ね!死ねこのクソガキ!」

兄貴は突然の事態に悲鳴上げて防御しかできず、頭から血流れてきて「このままじゃマジで死ぬ」って思ったのか、俺の足にしがみついて。

「サンガン!ごめん!兄貴が悪かった!頼む、一回だけ許してくれ……」

あんな傲慢だった兄貴が、膝の下で土下座みたいにペコペコ謝ってるの見て、瞬間、全身にゾクゾクする快感みたいなのが走って、怒りが一気に霧散した。

「お前……もう二度と俺の前でその見下した目で説教すんな。いや!もう俺の前に顔出すな。また出てきたらマジで殺すからな!わかったか!」

「うん、わかった!絶対覚えとく!」

「消えろ。」

慌てて逃げていく兄貴見て、言葉にできない満足感が湧いた。 その満足感に浸りながら、久々に力使ったせいか、徹夜してたせいか、急に眠気が襲ってきて、そのまま寝ちまった。 その後何が起こるかも知らずに。

誰かがドア叩く音で目が覚めて、その後現れた迫力あるおっさんたちに、ドラマでしか聞いたことないミランダ警告受けながら逮捕されて、特殊傷害と脅迫罪で起訴されて、裁判で3年6ヶ月の実刑判決食らった。

俺は「家族なんだからさすがに刑務所までは行かせねえだろ」って安易に考えてたけど、うちの家族は下克上だけは絶対許せなかったらしく、かなり高そうな弁護士雇って、俺のやる気ない国選弁護人を圧倒して結局3年6ヶ月を勝ち取った。 国選弁護人が「控訴したらもっと増えるかも」って言ったから、控訴諦めてそのまま刑務所へ。

留置所6ヶ月除いても3年、刑務所で暮らさなきゃいけなくて、三人生涯合計60年の中で断トツで一番長く感じた3年をそこで過ごした。 本当にいろんなこと考えた。 出所した時、自由のありがたみを満喫して新しく始めようと思ったけど、前科者ってだけでエキストラバイトすらできなくなって、仕方なく体使う重労働でもいいから受け入れてくれるところならどこでも飛び込んでみたけど、すぐに痛い目見て2ヶ月で辞めた。 その時点で、俺は人生の全ての意欲を失った。 でも死ぬ勇気もないから、また新しく借りたワンルームで引きこもってたその時。 パンデミックで延期されてたサッカー大会が開催されるって聞いて、「もうこうなったら数日前コンビニでラーメン食いながら見たスポーツ賭博でもやって死のう」って気持ちで一チームにオールインした。

欧州と南米で開催されてた二つの大会のうち、欧州のイタリアを選んだ。 理由は単純。イタリアに妙なシンパシー感じたから。 イタリアは2006年ワールドカップ優勝した後、どの大会も優勝できず、2018年ワールドカップは予選落ちまでした。 その姿が、昔は才能あるって評価されてたのに結局花開かず、ずっと底辺更新しながら落ち続けた俺の姿と重なってた。 もちろん最高点だけ見ればワールドカップ優勝のイタリアと俺は天と地の差だけどな。

とにかくイタリア優勝に全財産賭けて、イタリア国民になった気分で試合ごとにピザとビール用意して、家で飲みながらぼーっと試合見てたら、不運続きでも幸運は一度は来るもんか、イタリアはその大会で優勝した。

イタリアがPK戦で勝って優勝決めた瞬間、世界が揺れるくらい叫んで、生まれて初めて数千万ウォン握って、「これが俺の道か?」って思ってスポーツ賭博にハマった。 自信ついて、いろんな種目に手を広げて結構順調に稼ぎ続けて、目線を株とコインに移して、そこでも意外と上手くいって、気づいたら資産が数億ウォンまで増えてた。 俺は形容できない誇りと優越感感じて、ネットコミュニティで自慢したり説教したり、追従者まで作った。 成功続きでどんどん大胆に無茶な投資してたけど、こういうギャンブル性の強いもんはそうそう成功続きしないもんで、結局数億あった資産はイタリアにオールインした数百万円レベルまで減ってた。

俺はこの呆れるほど急激な転落に、喪失感や苦痛より先にこんな考えが浮かんだ。

「はあ……あの時、もっと知っときゃよかった。」

「あの時」ってのは、一回目の人生のことだ。

一回目の俺はこういうこと全部知らなくて生きてた。 在宅バイトもわざわざこれらと無関係なやつ選んで、バイト終わったら家でシングルゲームばっかやって、自分の世界に閉じこもってた。 家でもワンルームでも、安いスーパーばっか行ってコンビニもほとんど行かなかったから、スポーツ賭博の存在すら二回目の人生で刑務所から出た後で初めて知った。 こんなことになるなら、オンラインゲームでもやってりゃよかった……コミュニティに染まって生きてりゃよかった……って後悔が湧いて、結局虚無に耐えきれなくて漢江橋まで行った時、過去二回の人生を振り返ってふと思った。

「また回帰するかも……」

根拠のない推測だったけど、その推測だけが俺の命を繋いでくれた。

その日から過去のスポーツ歴史を振り返って覚えたり、何度も落選して見てなかったロ또番号も暗記したり、株とコインの変動も全部覚えたり、大学修学能力試験の答えまで覚えながら、回帰だけを待った。

突然法が変わったって入隊通知書送ってきた兵務庁のクソみたいな言い訳も無視して、兵役拒否で何年ぶりに警察・検察と再会しながら、待ちに待った2026年8月29日。 俺はまた一度、2011年8月29日、中3の15歳の誕生日に戻ることに成功した。

俺は涙流しながら覚えた情報を全部このノートに書いて、PC방に持ってってメモ帳に打ち込んで、Naverメールにぶち込んで、ノートはライターで燃やした。 それから成功への道だけを歩き始めた。

まず中学は二回目の人生より少しマシな成績で卒業して、検定合格して修能受けた。 ただし2012年に受けたんじゃなくて2013年に受けた。 理由は二つ。 一つは、どんなに奇跡的な成績上昇しても、元々上位じゃなかった俺が1年で検定合格して修能満点取ったら、絶対疑われて検証されるから。 二つ目は、その検証を突破する方法が絶望的だったから。 特に英語とか第二外国語(俺は日本語)とか、一回やってみろって言われたら終わりだった。

もちろん証拠ないからどうにか誤魔化せなくもないけど、この国が俺みたいな人間にそんな優しくしてくれるわけないだろ。 即犯罪者烙印押して晒し上げ確定。 しかも事態がデカくなったらどこからかハッカーが出てきて俺のメールハックされる可能性も排除できない(それで捕まったら最低懲役だ)。 だから少なくとも英語と日本語はネイティブレベルにしないと検証の津波を避けられない(幸い英語はゲームで言語の壁にキレて猛勉強して以来、色んなコンテンツで鍛えてきたから、日本語だけ重点的に勉強すればよかった)。 最後に、2013年に受ける予定の2014修能(修能は年度+1で呼ぶ)は満点者が33人も出てるから、そこに俺一人追加されても目立たない。

そうやって2014修能を満点で終えて、家の中の厄介者から一瞬で自慢の息子になって、信じられないって顔で固まってる兄貴を心底嘲笑って、大学入ってキャンパスロマンス満喫して、成人したら磨いてきた計画を実行してあっという間に金持ちになった。 金持ちになってドラマ主人公みたいに生きて、女も結構付き合って、上流階級しか味わえないこと全部やって、本当に幸せに生きてたのに……

2026年8月29日、あの日にまた回帰しちまった。

これが三度目だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ