第2話 不死の呪い
遅筆って言っておきながら筆が乗ったのでこれだけ書いて寝ます。ほんとはちゃんと推敲するべきなんだろけど明日やります。なんかミスあったら編集で直します。それではおやすみなさい
「不死の呪いって、解ける?」
ヴェラは固まった。それはそれはかつてドリーミアを討ち取ったとされる勇者の石像並に固まった。なんなんだこいつ。主婦の「その玉ねぎ売ってくれないかしら?」並に軽いテンションで聞いてきたぞ。不死の呪いを解けるかどうか。
「へぁ…?」
盛大な沈黙の中、ヴェラはそれはそれはなっさけないこえしか出せなかった。
「そう。不死の呪い。呪いだいたいなんでも行けるって言ってたからさ。」
不死の呪いは「だいたい」の範疇に入らないだろ。ヴェラは突っ込まざるを得なかったが何とか言葉を飲み込む。
「不死の呪い…ですか。可能性は限りなく低いですけどちょっと見て見ますね。」
解呪を行う上で必要不可欠なのが、呪いの分析だ。呪いがどこと結びついているか、結びつきの強度はどのくらいか。癒着の有無など、見るところは沢山ある。大抵は体の部位に絡みつくように存在しているのだが果たしてこの青年はそんなレベルでは無さそうだぞとヴェラは呪いの分析を始める。方法は至極単純。相手の一部に触れて魔力を流し、流れ方を見て分析するのだ。少しお手に触れますねと言えば青年はすんなりと手を差し出してきた。
青年の手を握りゆっくりと魔力を流し流れ方を感じ取る。結果は目に見えていたがヴェラは「うわぁ…」と顔をひきつらせるしか無かった。
「呪いのほっとんどが魂と癒着してますね…」
「あ、やっぱり?」
やっぱり?じゃねえよ!!とヴェラは本日二回目のツッコミを飲み込む。それはそうとして本当にこれは酷い。魂と癒着している呪いは数は少ないとはいえ存在はするのだが、ここまで癒着している物をヴェラは生まれてこの方見たことがなかった。もはや魂自体が呪いになっていると言っても過言では無いほどだ。オマケに魂から伸びでる呪いは体のあちこちに根を張るかのようにびっしり張り巡らされている。こんなもの廃人になっていてもおかしくないだろうになぜ目の前の男は平然と、しかもまともな受け答えまでできるのか。
「まるで呪いが魂を乗っ取ってそこが核になっているみたいになってます。よく正気保ってますね?」
「驚いた、そんな所までわかるんだ。今まで他の解術師にはそんなこと言われなかったのに。腕がいいんだね。」
「そりゃどうも…?」
謎に褒められたヴェラは満更でもないが、それよりもこの得体のしれない呪いにかなり知的好奇心をくすぐられていた。
「お兄さん、この呪いなんですけど」
「テメエ!!!!!!誰の許可とってここで店広げてんだ!!!!!!」
横から唐突に響き渡る怒号にヴェラはやべ、と顔を顰めた。何がやべえかと言うとヴェラは店を広げる許可をとってないのだ。いつもなら見つからないか黙認されているのに今回はとんだハズレを引いた。しかもせっかくのお客が来た時に間が悪いと舌打ちを一つしてそそくさと逃げる準備をする。「ちょっと!?」と青年が呼び止めるが命が惜しいので無視を決め込んで走った。もとよりあの呪いは今のヴェラには、いや、この世のどの解術師でも解けない代物だろう。歴代最高の解術師と歌われたヴェラのじっちゃんでさえもだ。
(せっかくのお客だけど…背に腹はかえられん!)
ごめんね〜と心の中で形式的な謝罪だけをしヴェラは逃げる。幸いもう少しで街の出口だ。近くに川があるからそこに身を投げてやり過ごそうかと策を巡らせる。
「ねえ、どこまで逃げるの?」
ふいに隣で声がしたあとに、浮遊感。
ヴェラは今の一瞬でお客の青年に追いつかれ挙句の果てには小脇に抱えられたと理解するのに数秒かかってしまった。
「は?」
「どこまで逃げるの?」
「ええええ、も、森の中まで!?!?」
再度投げかけられた質問に焦って適当に答えてしまう。本当は森によるつもりは毛頭なかったが時すでに遅し。「おっけ〜」と軽い調子で進路を森に帰られヴェラは全てを諦めるしか無かった。南無。




