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呪い旅  作者: べ下駄。
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第1話 邂逅

高校の時にめちゃめちゃ考えてたネタを掘り起こしてみました。遅筆ですがぼちぼち更新していきますので楽しんでいただけると幸いです

むかしむかし、あるところに夢のような国がありました。


その国は魔法を使うことがたいそう得意で、魔法を使って国を豊かに創り上げました。水を操り瑞々しい作物を実らせ、炎を操り巨大なキャンプファイヤーと共に歌って踊る、それはそれはとても楽しい国。


ただ、彼らは傲慢だったのです。貪欲で愚かだったのです。彼らは哀れにも他の国を欲しがり、羨み、憎み、戦をしかけてしまいました。


そんな彼らを見て国々は黙っていません。1人の英雄と共に一丸となって協力しあい、数々の恐ろしい魔法を退け、かの国を完膚なきまでに滅することができました。


しかし、かの国はどこまでも愚かで、どこまでも狡猾でした。かの国が滅びる直前、彼らは優秀な魔術師を集め、とある魔法を世界にかけたのです。それは彼らの叡智を集めた、魔法という概念を超越するもの。


呪い


人々はその恐ろしいものにそう名前をつけました。戦いが終わった今でも人々はその恐ろしい呪いに苦しめられているのです。遺った呪いに苦しめられる中、とある存在が表に現れました。彼らは「解術師」と呼ばれ、人々の呪いを解いて苦しみから解放しました。しかし、呪いの根本を絶たねば呪いは次々と人を襲います。


そんな呪いの根本、かの国は今霧の中。解術師は皆この世界を救うため、かの国へと向かうことになるのです。


┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


「は〜い、今日の紙芝居はここまで!また明日もやるからきてね〜」


 わいわいと小さな子供たちの楽しそうな声が聞こえる。どうやら広場ではどうやら紙芝居の催しが開かれていたようだ。近くのベンチで休憩していた少女、ヴェラは懐かしむようにその様子を眺めていた。

 「いや〜懐かしいなあ〜。あの紙芝居。子供の頃散々解術師だったじっちゃんに聞かされたな〜。」

 解術師とは、紙芝居にもあったかの滅びた国、ドリーミア王国によってばら撒かれた呪いや、その呪いがかけられた呪物に苦しむ人に解呪を施して救う術師のことだ。野良で旅をしながらあちこち解呪して回る人もいるが、中には何かと呪われやすい貴族のお抱え解術師となって生活している人もいるし、中には解呪ではなく逆に人を呪うことを専門にしている呪術師にジョブチェンジする輩もいる。なお呪術師にろくな人間は居ない、というのがじっちゃんの言葉であるが。最近村から出てきた駆け出し解術師のヴェラはあちこち旅して解呪し回る旅人だ。

 「よーし、そろそろ路銀を稼ぐためにも、解呪の出店開くか…」

 ヴェラは重い腰を上げ、いそいそと準備に取り掛かるのだった。


 ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈

 しばらくして。

 「呪われてる人!!!!呪物持ってる人!!!!!!だいたいどんな呪いでも解呪します!!!!!!」

どどん、と効果音がつきそうなほど堂々とした立ち振る舞いでヴェラは解呪専門の出店を開いていた。

 が、誰も立ち寄るどころか見向きもしない。

 悲しきかな。これが解術師の現実なのだ。辛い現実に打ちひしがれたヴェラはくったりと出店の机に伏した。

 「は〜あ……やっぱ解呪が必要な人って思いのほか少ないし、いたとしてなんかその呪いに適応しちゃって金払ってまで解呪したくない人がほとんどだから客が来ないのは当然なんだよなあ……」

 そう。解術師はとにかく稼げないのだ。皆あちこちばら撒かれる呪いになれてしまったせいで多少の呪いなら共存できてしまう。あまりにも稼げないから解術師は魔術にも精通していることから冒険者をやる傍ら解術師としてもやると言った人がほとんどで、ヴェラもそのクチである。

 よよよとヴェラは人目も気にせず泣いた。泣いたところで客は来ないし見向きもしないので関係ない。

 「あ〜あ……誰でもいいから解呪させてくれないかな……それかもういっそ呪術師に転職しよっかな…稼げるって聞くし……」

 「こんにちは」

 「ヴォア!?!?!?」

 あまりに自分の世界に入りすぎてあまつ闇堕ちしかけていたヴェラに突然声がかかる。驚きすぎて変な声が出たのはご愛嬌。ヴェラはそんなことよりも珍しいお客という存在にウキウキし、ルンルンと効果音がつきそうなほど弾んだ声で話しかける。

 「解呪のご依頼ですか!?呪いにもよりますがだいたい銀貨5枚から受け付けておりま……す……」

 だがそんな勢いはそうそうに削がれ、ヴェラの顔が固まる。目の前にいるのはただの冒険者の風貌の青年。

 なのだが。

彼の纏っている呪いの格が今まで見てきたものと比べて高すぎる。ヴェラはこんな呪いなんて見たことがないし、解ける気がしない。

 解術師として鍛えられたものだけが見える呪いの瘴気。普通は気合を入れたらうっすら見える程度のものしかないのに、この青年の瘴気は目を凝らさなくてもはっきりくっきりとどす黒く禍々しいオーラを放っていた。

 「えーと、解いて欲しい呪いなんだけどさ」

 目の前の青年はなんでもないように、日用品の買い物をするかのように続ける。



 「不死の呪いって、解ける?」

 

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