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ホワイトな異世界  作者: tomsugar


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6.異世界の街

工場での説明が終わると、次は会社が用意した住まいへと案内された。

そこは3LDKの広々とした高級マンション。大きな窓から街並みが一望でき、清潔で整えられた室内には、家具や家電まで揃っていた。

学生時代から十年以上住み続けた狭いワンルームを思い返す。日本ではとても手の届かなかったような空間に、自分が足を踏み入れていることが信じられなかった。


「今日はゆっくり休んでください。仕事は明日からで結構です」

そう言ってオオタ ケンは、新しいスマホを差し出した。これからのやり取りと、街での生活に必要な支払いはすべてこれ一台で済むのだという。


荷物を部屋の隅に置いても、胸の鼓動はまだ収まらなかった。

広々としたリビングには、大きなソファと磨き込まれた床。窓の外には街の夜景がどこまでも広がっている。奥にはウォークインクローゼットを備えた寝室が二部屋。キッチンやバスルームに至るまで、すべて最新の設備で揃えられていた。家具も家電も一流品ばかりで、まるでチラシで見かけるモデルルームのようだ。


学生時代から十年以上暮らしてきた手狭なワンルームとは、比べることすらできない。


信じられない気持ちと同時に、胸の奥にじんわりとした高揚感が広がっていった。


(すごい……私が、こんな場所に住めるなんて)


自由に暮らしてきたつもりだったこれまでの日々とは違う、新しい世界の扉が本当に開いたのだと実感する。

新しい生活への期待に胸を躍らせ、私はそのまま街へと繰り出した。


大きな噴水のある公園では、子どもたちが無邪気に走り回っている。車の往来はあるが、渋滞も喧噪もなく、街全体が穏やかな余裕をまとっていた。

整った並木道を抜けると、ガラス張りのカフェや小さな雑貨店が並び、洗練された雰囲気に満ちている。


地図を探してみたが、どこにも掲示は見当たらない。

試しにスマホを開いても、地図アプリのようなものは表示されなかった。


ふと視線を上げると、すぐ近くにバス停があった。

「……とりあえず、乗ってみようか」

軽い気持ちでそう呟き、行き先も知らぬまま、私はバスのステップに足をかけた。

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