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ホワイトな異世界  作者: tomsugar


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43/77

43.最後の通信

途中、何度か大きな余震に揺られながら、私はどうにか工場までたどり着いた。おそらく一時間近く歩いていたのだろう。


工場に入っても、アイリスの姿は見えなかった。

「あぁ、スマホがないから、私の場所をトラッキングできてないのか……」

どうやってアイリスを見つけようかと考えながらシステムルームへ向かっていると、足早に彼女がやって来た。


「遅れまして申し訳ございません」

「私が、スマホをなくしてしまったからしょうがないわ。代わりのスマホ、手配できる?」

「はい」


そう言葉を交わしながらシステムルーム#1に到着し、部屋に入った。

「ケン・オオタと通信したい」

コマンドを出して椅子に腰を下ろすと、ガラス窓がモニターに変わり、ケンの姿が映し出された。


「あぁ、さやか、無事でよかった……」

ケンは今、別の街にいる。第二世界から来た私たちは、街の外に出ることができない――そのことをケンから何度も聞かされていたのに、私は夢中になるとすぐ忘れて暴走してしまう。今さらながら自分の欠点を思い知る。


「心配かけてごめんね。エマが目の前にいて、つい……」

「あぁ、アイリスから“エマが現れた”という通知が届いたから、君の行動をモニターしていたんだ」

「それで私がフェリーに乗ろうとしていたことに気づいて、知らせてくれたのね。ありがとう、助かった」


ケンの声が少しだけ低くなる。

「エマ・ロボットが向かった街が分かったよ」

「良かった……追跡してくれたのね」

「ChronoWorksの本拠地がある街だ。というか、リチャード・モリス博士が生まれ育った街だ」

「そう……彼女はそこで何をしようとしていたんだろう?最後に私に『リチャードのいない世界なんか滅びればいい』って言ったの」


モニターの向こうでケンは一瞬目を伏せ、そして言った。

「そうか。フェリーがこちらに着岸したら彼女を追跡する。君は一度家に戻って休んでいてくれ。僕もできるだけ早くそちらに行くようにするよ」


――これが、彼との最後の通信だった。

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