表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホワイトな異世界  作者: tomsugar


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

33/78

33.自律型ロボット

私はアイリスとともに、《システムルーム#1》にいた。

静まり返った室内の壁面モニターには、エマ博士の略歴が映し出されている。


アイリスが、エマ博士の経歴について語り始めた。

「エマ・ヘミングウェイ――彼女が誕生したのは、1932年のことです。

1960年、28歳の若さで“第二世界”から渡来しました。

その後、1965年に、他5名の研究者と共にChronoWorksを設立。

わずか5年後の1970年には、初代スマートウェア〈ボルゾイ〉を世に送り出しています。

やがて1984年、49歳のときに当社を離れ、独立の道を選びました。

そして……2009年。77歳で、その生涯に幕を下ろしたのです。」


私にも理解できるように、西暦で表記されている。

どうやら、私たちがかつて暮らしていた世界は「第二世界」と呼ばれているようだった。


アイリスが無感情に、情報を補足した。

「なお、2008年ごろから市井にて、自律型ロボット、エマ・ヘミングウェイが確認されています」


モニターには彼女の写真が次々と映し出された。

あの青いパラソルの家の前で、男性と並んで笑うエマ。

まだ若く美しい彼女の隣には、穏やかそうな男性の姿があった。


コンコン、とドアがノックされた。

アイリスが開けると、そこにはケンが立っていた。


「あぁ、ケン。ちょうど良かった。エマ博士について、知ってることがあったら教えて」

「うん、わかった」


ケンは本当はデートにでも行きたかったのだろう。

少し苦笑しながら、私の隣に腰を下ろした。


エマの隣に映っていた男性は、ChronoWorks創業メンバーの一人、リチャード・モリス博士という人物だった。

だが彼は、1970年にすでに死亡していた。


「モリス博士は、エマと一緒に住んでいたの?」

私の問いに、アイリスが答える。

「いいえ。モリス博士は別の街の出身で、住居をこの街に構えた記録はございません」


ケンが口を開いた。

「登録の住所と実際の住所が一致しているとは限らない。だから、公式記録に残っていなくても、モリス博士がエマと一緒に暮らしていた可能性は十分にある。そのために――彼は1970年に亡くなったのかもしれない」


私は息をのんだ。

「……当時、彼は何歳だったの?」


「モリス博士は、40歳と2ヶ月で亡くなっています」

アイリスの無感情な声が、静まり返った室内に響いた。


私は言葉を飲み込み、別の問いを投げかけた。

「初代スマートウェア〈ボルゾイ〉……どんな機能があったの?」

(それには身体の異常が察知できなかったのだろうか)


「心拍、血圧、歩数を記録し、健康的な生活習慣を提唱する――その程度のものでした」


私は思わず息をのんだ。

(そんな機能……私が高校生くらいの時に初めて発売されたんじゃないかな、、、、それが、

1970年にすでに開発されていたなんて――)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ