表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ホワイトな異世界  作者: tomsugar


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

26/77

26.昇進

本社を後にし、ケンの車で街へ戻る途中だった。

私のポケットの中でスマホが小さく震える。

取り出した画面には、初めて見る通知が浮かんでいた。


《昇進のお知らせ》


「昇進のお知らせって、出てる」運転中のケンに話しかけた。

「うちの会社は、査定はすべてAIが行っているからね。君の働きが評価されたんだろう」

「何が評価されたんだろう?」

「自覚してないの??」ケンは笑いながら答えた。


「笑ってないで、ちゃんと教えてよ~」

「評価と、昇進後のタイトルも来てるはずだよ」

「ほんと?」そう言って、スマホの画面を確認した。


           *


《昇進のお知らせ》

このたび、あなたは 《データ統括監査官》 に昇進しました。


《評価理由》

工場出荷数に関する異常値を独自に解析し、確証的情報を特定した実績が認められました。


《新しい権限》

工場関連システムにおけるアクセス権限を最大レベルに更新。

搬入出ログ・在庫管理・監視映像を含むすべてのデータを統括的に閲覧可能とします。


           *


「データ統括監査官だって」

スマホの画面を見ながら、私は声を上ずらせた。


「それはそれは」ケンは苦笑した。


「監査官って……すごい権限、持ってるんじゃなかった?」

「ある意味、経営者より上かもね。不正を正す立場になる」


「……」


胸の奥に、冷たいものが広がっていく。


「そう気負うことはないよ。今まで通り、仕事をしてくれればいい」

「ほんと?」

「あぁ」


その一言で、少しだけ気持ちが軽くなった。

ちょうどその時、対向車線を走るバスとすれ違う。


(エマ……)

あの日バスで隣に座った彼女の姿が、再び脳裏に浮かんでいた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ