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ダイアモンドクラス  作者: 優里
朔也のパートナー

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88/96

偽りの言葉




優里のプラチナランクへの昇格が凍結されたことを知った

日向朔也たちダイアモンドメンバーは、

優里の元へと駆けつけた。


「優里、本当に申し訳ない」


朔也は、深く頭を下げた。


彼の顔には、悔恨の念が滲んでいた。


真佑や悠も、優里に、心から謝罪した。


「私たちが、君の心を動かすために、余計なことをしてしまったせいで……」


ダイアモンドメンバーたちの計画は、

優里の心を動かすことを目的としていたが、

結果として、美月と悠斗に付け入る隙を与えてしまい、

優里を苦しめることになってしまった。



「気にしないでください。私……元々ブロンズの生徒ですから」


優里の言葉は、

ダイアモンドメンバーたちの心を、

さらに深く突き刺した。



優里の「ブロンズの生徒」という言葉は、

遥香の心を深く傷つけた。


遥香は、優里の言葉が、

優里の本当の気持ちではないことを知っていた。


しかし、優里が頑なに心を閉ざしていることに、

遥香は深い絶望と、無力感を感じた。


「どうして……どうして私の気持ちを信じてくれないの……」


遥香は、優里の心の壁を、

どうすれば壊せるのか、分からなくなっていた。


しかし、遥香は、

このまま優里を失うわけにはいかないと、

心に強く決意した。



しかし、水面下では美月が流した

「優里がプラチナの生徒と親密になっている」という偽りの情報が、

朔也たちダイアモンドメンバーの間に、

静かに波紋を広げていた。


「優里が、プラチナの生徒と……?」


真佑は、その情報を信じることができなかった。


しかし、美月が流した情報は、

巧妙に作られており、真実味を帯びていた。



「優里は、自分にふさわしい場所を探しているのかもしれない……」


朔也は、そう考えてしまい、優里への信頼が揺らぎ始めた。


ダイアモンドメンバーたちは、

優里が自分たちに守られる存在ではないと、思い始めていた。


この偽りの情報は、優里を孤独に陥れ、

優里と遥香、

そしてダイアモンドメンバーたちの間に、

大きな亀裂を生むことになった。



優里とダイアモンドメンバーたちの間には、

心の溝が深まり、互いにすれ違うようになってしまう。


優里は、ダイアモンドメンバーたちが自分を避けていることに気づき、

深い孤独を感じていた。


勇気を振り絞り、朔也たちに声をかけた。


「あの……どうして、皆さん、私を避けるんですか?」


優里の問いかけに、

朔也は、少し戸惑いながらも、優里の目を見て告げた。


「優里……君が、プラチナの生徒と親密になっていると聞いた。それが、君が望むことなんだろう?」


朔也の言葉に、優里は驚きを隠せなかった。


優里は、プラチナの生徒と関わった覚えはなかった。


「そんな……違います! 私、プラチナの生徒と、親密になんて……」


優里は、必死に否定した。


優里が遥香への想いを「憧れ」だと告げて、

彼らから距離を置いていたことは事実。


しかしそれは、優里が遥香にふさわしい存在になるために、

努力を重ねて自分磨きをするためだった。


朔也は、優里の言葉を信じることができなかった。


ダイアモンドメンバーたちは、

美月が流した偽りの情報を真実だと信じ込み、

優里が自分たちから離れていこうとしているのだと誤解していた。


優里は、朔也の言葉に、

信じられないという表情を浮かべた。


「……私は、ダイアモンドメンバーの皆さん以外とは、誰とも親しくしていません。私がプラチナの生徒と仲良くしているところを、本当に見たことがあるんですか?」


優里のまっすぐな問いかけに、朔也は言葉に詰まった。


彼は、美月が流した偽りの情報を鵜呑みにしていただけで、

実際に優里がプラチナの生徒と

親密になっているところを見たわけではなかった。


朔也は、優里への信頼と、

美月の情報との間で、激しく揺れ動いた。


しかし、優里が自分たちから距離を置こうとしていた事実が、

朔也の心を支配していた。


「……見たわけじゃない。でも、そう聞いた」


朔也の言葉は、優里の心を深く傷つけた。


「聞いただけで、私の言葉は信じられないんですか?」


優里の問いかけは、朔也の心に深く突き刺さった。


朔也は、優里のまっすぐな瞳を見て、

自分の過ちに気づき始めた。


「優里、それは……」


朔也は、言葉に詰まる。


優里の心は、すでに絶望に支配されていた。


「所詮……ダイアモンドとブロンズなんですね」


「ダイアモンドの皆さんは、絶対的な権力を持っている。だから、私みたいなブロンズの生徒を、好き勝手に操って、楽しんでいたんですよね?」


優里の言葉は、朔也の心に、

鋭いナイフのように突き刺さる。


優里の瞳には、疑念と、深い悲しみが浮かんでいた。


それは、遥香への憧れを胸に、

必死に頑張ってきた優里の、最後の心の叫び。


朔也は、優里の言葉に、何も言い返すことができない。


朔也は、自分たちの優里への想いが、

優里に、このような誤解を生んでしまったことに、

深く心を痛めていた。



「所詮……ダイアモンドとブロンズなんですね」


優里は、そう言って、瞳から大粒の涙を流した。


優里は、遥香への憧れを胸に、必死に頑張ってきたこと、

そのすべてが、無意味だったのだと、

深い絶望に打ちのめされていた。


優里は、朔也たちに背を向け、

静かにダイアモンドラウンジを出ていく。


優里の背中は、遥香への憧れと、

ダイアモンドメンバーへの信頼を失い、

深い孤独と絶望に陥った、

一人の生徒の、悲痛な決別を物語っていた。


優里がダイアモンドラウンジを出ていった数時間後、

遥香が戻ってきた。


ラウンジの中は、重く、不穏な空気が漂っていた。


朔也たちダイアモンドメンバーは、

皆、沈痛な面持ちで、何も話していなかった。


遥香は、その空気に違和感を覚え、朔也に尋ねた。


「どうしたの? 何かあったの?」


遥香の問いかけに、朔也は、重い口を開いた。


「……優里が、ここを出ていったんだ」


朔也の言葉に、遥香は、胸騒ぎを覚えた。


優里の身に、一体何が起こったのか。


「優里が、俺たちを避けている理由を聞いてきたんだ」


朔也は、悔しそうに拳を握りしめた。


「美月が流した、優里がプラチナの生徒と親密になっているという噂を、俺たちは鵜呑みにしてしまった。優里はそれを否定したが、俺たちは優里の言葉を信じることができなかった……」


「優里は、俺たちのことを『ダイアモンドの権力で自分を操って楽しんでいる』と言って、俺たちへの信頼を失ってしまったんだ。優里は……最後に、そう言って、ここを出ていった」


朔也の言葉は、遥香の心を、深く突き刺した。


遥香は、優里の孤独と絶望、

そして、自分たちダイアモンドメンバーの過ちに、

深い悲しみと怒りを感じていた。


「優里は……私たちが守るべき存在なのに、俺たちが優里を傷つけてしまったんだ」


朔也の告白を聞いた遥香は、

深い悲しみと同時に、怒りを覚えていた。


「朔也、どうして優里を信じてあげなかったの?」


遥香は、朔也をまっすぐに見つめ、強く咎めた。


「優里は、あなたのパートナーだったんでしょう? どうして、噂なんかを信じて、優里の言葉を疑ったの?」


遥香の言葉に、朔也は、何も言い返すことができない。


朔也は、パートナーである優里を守るべき存在でありながら、

自分たちの過ちによって、

優里を深く傷つけてしまったことを、痛感していた。


遥香が朔也を強く咎めていると、玲司が口を挟んできた。


「朔也だって、悩んだ結果だったんだ」


玲司は、朔也の苦悩を擁護しようとした。


しかし、遥香は、その言葉を遮るように、鋭く反論した。


「違う。優里は、いつも一人だった」


遥香の言葉は、ダイアモンドメンバー全員の心を打つ。


「優里は、ブロンズで、ずっと孤独だった。私たちが優里を守ろうとしていたと思っていたのに、結局、優里を一番傷つけたのは、私たちだったんだ」


遥香は、優里の孤独を理解し、

優里の心の壁が、

ダイアモンドメンバーたちとの間に、

深く、大きな溝を作ってしまったことを、痛感していた。


「優里の心を傷つけたのは、美月の嘘と、私たち自身の弱さだ」


遥香は、そう告げると、ダイアモンドラウンジを出ていった。


校内を歩く遥香は、まず美月を探し出した。


美月は、優里を陥れることに成功し、

高揚した表情で一人、笑みを浮かべていた。


「美月、あなたが流した噂は嘘ね。」


遥香は、美月をまっすぐに見つめ、強く言い放つ。


美月は、遥香の鋭い視線に一瞬怯んだが、

すぐに平静を装った。


「何のことだか、分かりませんわ」


美月は、白々しく答えた。


しかし、遥香は、美月の言葉の矛盾を突き、

彼女が流した噂が優里を孤立させるための罠であったことを、

確信した。


遥香は、美月との対峙で得た確信を、

朔也たちダイアモンドメンバーに伝えた。


「私たちが信じた噂は、優里を陥れるための美月の嘘だった」


遥香の言葉に、朔也たちは、自分たちの過ちを痛感した。


彼らは、優里を深く傷つけてしまったことを、

心の底から悔やんだ。


ダイアモンドメンバーはうつむく。


遥香はあきれたように

ダイアモンドラウンジを出ていった。


そして、遥香は、一人で校内の片隅に

座り込んでいた優里を見つけた。


「みーっけ!」


優里は、遥香の顔を見ると、

申し訳なさそうに、顔を伏せた。


「…聞いたんですか?噂の事」


「優里、美月が流した噂は嘘だった。私たちが、君を信じてあげられなかったのは、私たちの弱さだった。本当にごめん」


遥香は、そう言って、優里をそっと抱きしめた。


「優里、ブロンズだろうと、プラチナだろうと、そんなことは関係ない。私にとって、大切なのは、優里という存在だけなんだ」


遥香の言葉は、優里の心の壁を、

優しく、崩していく。


優里は、遥香が、自分と同じように、

不完全な一人の人間であることを知り、

遥香への憧れが、

一人の人間としての深い共感へと変わっていくのを感じていた。



これ以上遥香のそばにいたら

本気で遥香を求めてしまうかもしれない。


遥香の温もりを知ってしまえば、

もう二度と孤独な世界に戻れないかもしれない。


そんな恐怖感が優里を襲う。





優里は、放課後、人通りの多い銀座の街を歩いていた。


向かう先は、父が経営する高級焼肉店。


そこは、優里にとって、いつもどこか居心地の悪い場所。


店内は、客で賑わっていた。


優里は、店の奥にある個室へと通された。


個室には、父が一人、座っていた。


父は、優里に気づくと、冷たい視線を向けた。


「優里、学校はどうなんだ?」


父は、優里の学校生活には興味がなく、

ただ、優里がダイアモンドメンバーたちと、

どのような関係を築いているのか、それだけを気にしていた。


優里は、父のその冷たい視線と、

自分に興味のない態度に、

心を閉ざしていた。


二人の間には、会話も、

温かい眼差しもない。


「お父さん、私がダイアモンドのメンバーと仲が良いから、興味が湧いてきたんですか?」


優里の問いかけに、

父は、一瞬、言葉を失う。



父は、優里の問いかけに答えず、

ただ、優里の顔をじっと見つめていた。


優里は、父のその態度に、

さらに心を閉ざした。


優里と父の間にある溝は、

埋まることなく、ただ、深まるばかり。


父は、しばらくしてから口を開いた。


「お前がダイアモンドと親しくしていること以外に、なんの価値があるんだ?」


優里は、父の言葉に、衝撃を受けた。


優里は、父にとって、

自分という存在そのものではなく、

ただ、ダイアモンドのメンバーとつながっているという

事実でしかなかったのだと、絶望した。


優里は、父の残酷な言葉に、

胸が締め付けられるような、苦しい気持ちになる。


「お父さん……私が、生まれてきてよかったと思う瞬間は、なかったんですか?」


優里は、震える声で、そう尋ねた。


「お前は、母親の命を奪っておきながら、幸せになろうとしているのか?」


優里はこの瞬間、父にとって、

自分は、母親の命を奪った、

憎むべき存在でしかなかったのだと絶望した。


優里は、父の言葉に打ちのめされ、

店を出ようとした。


しかし、店の入り口で、

一人の店員に声をかけられた。


「優里お嬢様、お父様があんな言い方をなさっていましたが、どうか、お気になさらないでください」


店員は、優里の悲しそうな表情を見て、心を痛めていた。


優里は、店員の優しさに、

驚きと、少しの安堵を感じた。


優里は、店員に微笑んだ。


「ありがとうございます。でも、大丈夫です」


優里は、そう言って、店を出ていく。


優里は、父の残酷な言葉に打ちのめされ、

店員の優しさに触れながらも、

心を閉ざしたまま銀座の街を出た。



どこへ向かうべきか、優里には分からない。


家にも、学校にも、居場所はないように感じられた。


そのとき、優里の脳裏に、遥香の顔が浮かんだ。


遥香が「逃げ場」だと語った、あの学園の屋上。


優里は、遥香と二人で過ごした穏やかな時間を思い出していた。


そして、屋上で美月と悠斗に追い詰められた時、

遥香が自分を守ってくれたことを思い出していた。


優里は、絶望の淵に立たされた今、

再び、遥香との思い出が詰まった、

あの屋上へと向かうことを決意した。


そこには、希望があるかもしれないと、

心の奥底で信じていたから。


優里が学園の屋上へとたどり着いたとき、

夜空には満月が輝いていた。


優里は、屋上のフェンスにもたれかかり、

夜風に吹かれながら、

父親に言われた残酷な言葉を思い出していた。



優里は、込み上げてくる感情を抑えきれず、

この世に生まれてきたことを、心から後悔していた。


そのとき、背後から、

優里を優しく包み込むような温かい声が聞こえた。


「優里、やっぱりここにいたんだね」


優里が振り返ると、そこに立っていたのは、遥香。


遥香もまた、優里との間にできた心の溝に心を痛め、

一人になりたくて、この屋上へと来ていた。


遥香は、優里の頬に流れる涙を見て、

何も言わず、優里をそっと抱きしめた。


優里は、遥香の温かさに触れ、

遥香への想いが、憧れではなく、

一人の人間としての深い愛であったことを、改めて確信した。


優里は、遥香の温かい抱擁に、涙を流しながら、

心の奥底にあった疑問を口にした。


「遥香様……どうして、ここにいるんですか?」


遥香は、優里の頭を優しく撫でながら、静かに答えた。


「優里が、もし一人で辛い思いをしているなら、私は、優里のそばにいたかったんだ」


遥香の言葉は、優里の心に、深く、温かく響いた。


優里は、遥香が、自分を想い、

この場所に来てくれたのだと悟る。


遥香は、優里の頬に流れる涙を、

そっと指で拭った。



「……今日、父に、言われたんです」


優里は、震える声で、ぽつりぽつりと話し始めた。


「お前は、母親の命を奪っておきながら、幸せになろうとしているのかって……」


優里の言葉に、遥香は、何も言わず、

ただ優里の頭を優しく撫で続けた。


遥香は、優里の心の奥底にある、

深い悲しみと絶望を、理解していた。


「私……生まれてこなければよかったのかな……」


優里の悲痛な言葉に、

遥香は、優里の顔をそっと持ち上げ、

その瞳をまっすぐに見つめた。


そして、優里の言葉を否定するように、

強くて、優しい声で告げた。


「そんなこと、絶対にない」


遥香の言葉は、優里の心に深く響いた。


「優里が生まれてきてくれたから、私は優里と出会えた。優里が生まれてきてくれたから、私は孤独じゃなくなった。優里は、生まれてきてくれただけで、私にとって、最高の幸せなんだ」


「だから、お願い。生まれてこなければよかったなんて、二度と言わないで。優里が生まれてきてくれたことに、心から感謝している」


優里は、遥香に抱き着き、

震える声で、ぽつり、とつぶやいた。


「遥香様……今日だけ、このままで、いさせてほしい」


遥香は、優里の願いを、優しく、力強く受け止めた。


遥香は、優里の頭を優しく撫でながら、静かに答えた。


「うん、分かった。ずっと、そばにいるから」


優里は、遥香の温かさに包まれ、

遥香の言葉に、心が満たされていくのを感じていた。


優里は、遥香の温かさに包まれ、

遥香が、自分にとってかけがえのない存在であることを改めて確信した。


優里は、遥香が自分に寄り添い、

孤独な心を救ってくれたことに、心から感謝していた。


遥香は、優里の心の傷が癒えるまで、

優里のそばにいることを誓う。


遥香は、優里に、ダイアモンドの権力や、

ブロンズという立場に縛られることなく、

自分らしく生きてほしいと願っていた。


二人の未来は、まだ不確かなもの。


しかし、優里は孤独にさまよい続けていた人生のなかで、

唯一、遥香のいうヒカリに出会えたような気がしていた。









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