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ダイアモンドクラス  作者: 優里
ブロンズの少女
7/80

女王の日常

ダイアモンドクラスのトップに君臨する「女王」。




財閥企業・山下グループの令嬢であり、

誰もが振り返るほどの容姿端麗、

トップの成績を誇る頭脳明晰、


そして何でもそつなくこなす才色兼備の完璧主義者。



ひとたび目の前に現れれば、

その場にいるすべての生徒が、彼女の存在を畏れ、崇拝の眼差しで見つめている。


彼女の視線は私に注がれていたが、その瞳には何の感情も宿っていない。


まるで、目の前で繰り広げられているのが、何の変哲もない日常の風景であるかのように。



ダイアモンドクラスのトップである女王、遥香にとって、

生徒たちの視線など、どうだっていいのだ。





遥香が属する最上位の「ダイアモンド」は、限られた生徒しか在籍できない学園の頂点だ。


多額の寄付金と、財閥の御曹司・令嬢、政治家の息子、など、

限られた条件を突破した者のみが選ばれる。



彼らは学園内で絶対的な権力を持ち、特権を享受する。



カーストは、生徒の席順、学内での役割、利用エリア、

さらには友人関係や将来の進路にまで影響を及ぼす、

生徒の日常のすべてを支配する絶対的なルールだった。





下位ランクの生徒が無様な目に遭っていたのを眺めた遥香は、

何事もなかったかのように歩いて行く。




そして到着した、ダイアモンドラウンジ。


ダイアモンドラウンジの重厚な扉を開けると、

そこには既にダイアモンドクラスのメンバー全員が集結していた。


最高級の調度品で飾られた豪華な空間に、

彼らのそれぞれの個性と、

彼らだけが持つ特権的な空気が満ちている。



専属の執事が淹れたアロマが香る中、

彼らは遥香の到着を待っていたかのように、

一斉に視線を向けた。







日向 朔也(ひゅうが さくや)



遥香に継ぐ、この学園のナンバー2。


圧倒的なカリスマ性とリーダーシップを持つ、生徒たちの模範となる存在。


学園の運営にも深く関わっており、多くの生徒から信頼されている。




鷹城 玲司(たかしろ れいじ)


優れた分析力と洞察力を持ち、学園内のあらゆる問題を論理的に解決に導くブレーン的存在。




篠原 悠(しのはら ゆう)


世界的に有名な政治家の息子。3男であるため自由奔放で型にはまらない性格。

カースト制度にはあまり興味がなく、自分の世界に没頭している。

ダイアモンドクラスにいるのは、家庭環境。



宮瀬 真佑(みやせ まゆ)


遥香の親友でよき理解者。友情を大切にし、仲間思いな性格。



向井 渉(むかい わたる)


コンピューター系に詳しくデータ解析を行っている。幼い頃から遥香に想いを寄せている。








「やあ、遥香。待っていたよ」


知略の参謀役、鷹城玲司が、優雅にソファから立ち上がって迎える。


隣では、遥香の親友である真佑が、完璧な笑顔を浮かべている。


「お疲れ様、遥香。今日も完璧ね」



そんな彼らの中で、遥香に片想いする向井渉だけが、焦れたように視線を送ってくる。



「遥香、何かあったのか? 顔色が冴えないようだが」



遥香は彼らの言葉に適当に頷き、定位置のソファへと向かった。







すらっとした手足と際立つ姿勢の良さ。

最高級のソファーに座るだけで、絵になる存在。





「…さっき、下位ランクの生徒が転んでた」



ぽつりとつげる



その言葉にダイアモンドのメンバーは一斉に遥香の方向を向いて固まる。





『あの遥香が、下位ランクの生徒を視界に入れた....?』





一斉にメンバーが遥香の方を向いて固まったため、遥香は不機嫌そうに


「…なに」


とつげる




メンバーは納得したように、


『全ては女王様の退屈しのぎ』


と、口をそろえて心の中で唱えた。







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