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お楽しみください〜^_^

リビングは、あたたかい光に照らされていた。


こたつの上に、鍋が用意されている。

水菜と椎茸と豚肉と牡蠣の鍋だった。

もみじおろしの入ったポン酢が添えてある。


こたつの中には、父親と妹らしき二人。

母親が、大皿に具材を盛ってやってきた。


僕は耳を僕の身体に残してきたままだから、みんなが何を言っているのかはわからない。

だが、見る限り会話は弾んでいるようだった。家族が口々にしゃべる。


笑顔が弾ける。

湯気がしゅんしゅんと沸き立つ。


綺羅星もおそらく、くったくなく笑っている——別に表情を見たわけではない。

自分の顔は見られないからだ。

でも、まぶたの動きで目が細められているのはわかる——。


温かく、楽しく、潤いのある、幸せそのもの食卓だった。


まさか、こたつの中で足を蹴飛ばし合っているとかそんなことはありえないだろう。


僕はますますわからなくなった。

なぜ彼女は手首を切るのだ。

学校ではおろか、家庭でもこんな絵に描いたような幸せな日々を送っているというのに。


食事の後、綺羅星はスマホを弄り、LINEのやり取りやSNSの返信をしたりしていたが、不幸な恋愛をしているとか不倫をしているだとか、そんな内容は見られなかった。


意外な女子と仲がいいことがわかったり、マイナーな舞台俳優の追っかけ仲間がいることがわかったり、他のクラスの僕も知っている男子——確か、ソフトテニス部だ——からアプローチを受けていることがわかったくらいだった。

次で完結です。最後までお楽しみください〜

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