天然仲間、出来ました
今回は僕、くろぱんが担当しました
第1章 第2話
僕は今、アンハインドの前にいる、
何故だろうか、とても懐かしいような気がする
「えと、あの、これに挑むんですか…?」
「はい、ノアさんは引っ込んでてくださいね」
僕はアンハインドと対峙した、そしてノアさんに下がっててと伝えようとした時____
「えーっと、私も手伝いますね…?それっ!」
そして僕はまた、爆裂魔法の餌食となった
*
何分経ったか分からないが、とりあえず何故か生きてたらしい。
直撃だったら確実に蒸発してたと思う。
いや、そうじゃない。
僕はアンハインドと戦いたかったんだ
それなのに仲間が容易く蒸発させてしまった、
正直もう嫌だ
僕が夢見てたのは自分より強い敵とかっこよく戦ったりする事だったのに
「あ、やっと起きました…?無事アンハインドは撃破しましたので!」
なんだろう、許せないけど何故か許したくなってしまう。
まぁ、また挑戦すれば良いか
そして僕達は立ち上がって歩こうとした
瞬間
目の前のクレーターに気付かず2人仲良く転落した_____
*
色々起きたが辛うじて隣町、ヘイスターに辿り着いた。
ヘイスターには大きなどんぐりの木があるらしく、その中には宿や民家が彫られてあるらしいのだが、出来ればそこには泊まりたくない、
あくまで噂だけど、どんぐりの木の中には虫が沢山居るとかどうとか
「す、すいません、エイダートさん」
「どうしたんですか?ノアさん」
ノアさんが申し訳なさそうにこっちを見てくる
「えーっと…後ろに………」
「グルルルル………」
なるほど、これはまずい
「イグニート!!」
慌てて振り向いてアンハインドの上位種、
スターハインドに小さな炎を飛ばす、
しかしまぁなんの効果も無かった
「グラァァァァ!!!」
「イグニート!」
飛び掛ってきたスターハインドをギリギリ避けてムリンの業物の剣に炎を付与する、
そしてスターハインドに向かって一閃させ___
そしてやはりなにも起きなかった
スターハインドの黒い毛皮が光を反射させたようにキラキラと輝いた。
確かこれはスタービームという黒の光線の中でキラキラとした星のようなものが混ざったビームだったはず。
でもおそらく大丈夫だ、
このスターハインドは既に死んでいるから
そしてスターハインドの口が大きく開けられたその時、スターハインドは昨日のゴブリンのように灰に成り果てた
僕は日に日に強くなっている____!
*
あの後は特に何も起きず、無事にヘイスターに辿り着いた。
聞いていた通りに真ん中には街全体を覆う大きさの枝が伸びたどんぐりの木があった
「エイダートさんは知っていますか?このどんぐりの木には大量の虫が住み着いている、と噂ですが…実際にはただの虫ではなくモンスターらしいですよ~?」
「え?」
それは大丈夫なのだろうか、
街中にモンスター????
嘘だと信じたい。
とりあえずまずは宿の確保に行こう、
「ノアさん、まずは宿の確保に行きましょう」
「任せて下さい、お金ならあります…」
ノアさんは1万リリス硬貨3枚を両手に可愛げに微笑む
*
そうして僕らは見知らぬ街で迷子になりかけた
なぜ僕はこんなにも迷子になりやすいんだ
迷子になって路地裏をとぼとぼ歩いていると
知る人ぞ知る宿感のある宿が佇んでいた。
もう迷子になりたくないのかノアさんと言葉を交わさずとも一緒に宿に入っていった
入ってすぐに店主と思しき人物がこちらを向いて
らっしゃっせー!!!!!!
と耳が痛くなるほどの大声で言ってきた、
そしてその後近くに住んでいるであろう人達が宿の扉を開けて文句を言いに来た。
お気の毒に
そう思っていると、ざっと数えるだけで30人くらいの人達が文句を言いに来た
これにはもう、苦笑いするしか出来なかった。
30分ほど待ってから店主がこっちを向いて
「 悪ぃな、お客さん、うちはいっつもこうなんだ」
と言ってきた。
多分頭が悪いんだと思う
「あんなに大声出さなかったら大丈夫なんじゃ?」
ノアさんがそう言う、
確かにその通りだ、自制出来ないだなんて言わないといいが
「それが癖でよ、もうどうしようもねぇんだわ」
「これはもうどうしようもないな、ノアさん、別の宿に行きましょう」
「心外すぎじゃねぇかお客さんよぉ!?」
「行きますよ、ノアさん」
「え、で、でも…」
そしてノアさんを強引に連れて出ようとした
けどやっぱり辞めた、
この宿から出れば迷子になる、確信した
なので僕らは借りれる部屋が4部屋しかない小さな宿に泊まることにした
*
宿で休憩していたら いつの間にか夜になった。
そろそろ寝ようかなと思っていたらまた例の大声が聞こえた、多分他の客が来たんだと思う、
気にしないで置くことにした。
*
気付けば朝になっていた。
朝になるとやはりお腹が空く
なので僕は、布団から出て朝食を食べる為ドアを開けた。
店主は、エントランスとは逆の方向に食堂があると言っていた。
店主が言っていた通りにエントランスの逆方向に歩くと床がタタミの珍しい食堂があった、
椅子は無く、低いテーブルと平たいクッション、座布団とやらがあった。
僕はこういうのを見るのは初めてだが、
ヘイスターではこれが普通らしい。
食堂全体を見たあとに適当な座布団に座る、
すると店主が 朝ごはんと言えばこれだろ と言いながら目玉焼きとベーコンが乗せられた皿を持ってきた。
確かにこういうのは毎朝食べていたが、
ベーコンまで付いてくるとは、やはりムリンは貧乏なのかもしれない
両手を合わせて頂きます
いざ実食______!!
_勿論完食_
「美味しかった…」
僕は両手を合わせ、ご馳走様を言った後に、そう呟く
ベーコンには僕が知らないソースがかかっていたようで、想像の6倍は美味しくて、思わず声を漏らしてしまった。
僕が朝食を食べ終わって2階の謎の部屋でオレンジジュースを飲みながらボーッと外を眺めていると既にローブを来て出る気満々なノアさんがやってきた、
「えっと…もう出るつもりですか?」
「実はご飯を食べる時、隣の席から会話が聞こえてきてですね!」
盗み聞きをするとは、ノアさんもイケない人だな。
「それで、その会話って?」
「あのどんぐりの木には大量の虫ではなく、モンスターと言う話ですが…」
多分ノアさんは、宿を探す前に言っていた豆知識の事を言っているのだろう
「その中には弱い敵も居るのですが、稀に超高額で売れる質を持つ程のアイテムがドロップするらしいのです。」
嫌な予感しかしない。
僕もノアさんもお金には余裕がある筈、
つまり僕らが行く理由は無いはずだ、
それに弱い敵「も」というのも気になる
「えーっと、僕は遠慮しておきます、
ノアさんもお金には余裕があるでしょうし、このまま次の町を目指しましょうよ」
するとノアさんは珍しく大声を出して
「もしもの時に大事ではありませんか?!
そのお金が取られた時、私達は無一文になります。
その時の為に、今私達が持っているリリス、それかそれ以上のリリスを一瞬にしてゲット出来るかもしれません!」
何となく察した。
多分ノアさんは昨日の夜に買い物をし過ぎたのだろう、昨日までは持っていなかった杖も持ってるし
「お金が盗られるなんて事、早々ないと思うけどな…それにノアさん昨日の夜に買い物し過ぎてお金が無いだけでしょ」
僕はノアさんに向けて的確なツッコミを入れる
「女性と言うのはつい無闇矢鱈に物を買っちゃうんです、それに手に入れて損は無いはずです
山分けで良いですから行きましょう!」
お金に関しては目がないのだろうか、この人は
せめてステータスを確認したり変更出来る魔法を使える様になってからがいい
「ノアさん、出来ればステータスの魔法を覚えてからがいいんですけど…」
「エイダートさん…今の私でも十分活躍出来ると思うんです。
駄目ですか…?」
ノアさんは目をうるっとさせて僕に尋ねる
ノアさんが泣き落としを使ってくるとは、
それでも僕は屈しない、屈しないけど、
確かにお金はあった方が便利だ。
よし行こう、別にノアさんの泣き落としに屈した訳では無い、断じて違う。
「分かりました、準備を整えたらすぐに行きましょう」
「分かりました!私はもう行く気しか無かったので準備は出来ています、
なのでエイダートさんも準備の方をよろしくお願いします!」
そうして僕は一旦部屋に戻って準備を済ませた
*
あの後店主に激励の言葉を貰って無事にどんぐりの木の中にあるダンジョンに辿り着いた。
ダンジョンの中にはランタンがところどころに掛けられている。
その為暗くは無いが、明るくもない。
少しオドオドとしながらも歩き続けていると、早速昆虫型モンスター、カマキリというモンスターに遭遇した
ノアさん曰く、遠くにはこのカマキリというモンスターも普通に害のない虫扱いされているらしい。
ノアさんに支援魔法を掛けてもらって僕はカマキリの首を スパッ という音と共に斬った。
支援魔法のお陰もあるとは言え、僕は確実に強くなってきている。
*
そして更に歩いていると運良くなのか、まだ開けられていない宝箱を見つけて、ノアさんが凄い勢いで宝箱に飛び付いて開けた。
その瞬間、重力が消えた通った瞬間、とてつもない速度で落下し始めていることに気付いた
おのれトラップ付き宝箱____!!
次回はれんもが担当です
いつもそうなのですが、書き終わってから
ああすれば良かった
とか思い付くんすよね