「無理です☆」
今回は大部分をれんも君がやりました
第1章
なんやかんやあったが、無事此処まで生きてこれた。
旅に出てから2日、徒歩では次の街に行くのに3日掛かるらしい、この調子で歩いて行けば明日の夕方には着くはずなのだが…
通りすがりの商人曰く、この先に犬型の大型モンスター、アンハインド というのが居座っていて通行出来ないらしい、戦闘力がない人や駆け出し冒険者には少々難易度が高いモンスターらしいが多分どうにかなると思う。
そう思いながら歩き続けた
「ケーッケッケ!見ろよ!あんな所に弱っちそうなガキが1人で突っ立ってやがるぜ!!」
まるで絵本に出てくる様な敵が現れた。
流石の僕もこの程度のゴブリンに殺られはしない、水の一族の中で唯一火属性で生まれてきた僕だが、何の能力も無い訳では無い。
「ケケケッ、俺らであのガキ囲めば、今晩の飯は済ませれそうだな?」
随分僕をナメすぎではないだろうか、
流石の僕もゴブリン如きにイラついたのは初めてだ。
僕は右手をゴブリンに向けて無詠唱の着火魔法、《イグニート》を放つ__!
「アチャチャチャチャ!ッ…てあれ、全然熱くねぇじゃねぇか」
___え? ゴブリンは火に耐性何て持ってないはず…
「……お前、もしかして俺らが想像してたよりクソザコ…いや、クソザコナメクジかよ」
「違う、違うんだやめろ。」
僕はそう呟いた。
「ケケッ、ケケケケ!オラオラクソザコナメクジはナメクジらしく地面に這いつくばってな!!」
僕はゴブリンの群れに囲まれて踏まれに踏まれまくった
そんな物理の精神の痛みを味わっている中、微かな疑問が僕の脳裏に過ぎった
あれ、僕って村1番の業物の剣持ってなかったっけ?
そうだ…持っていた、僕が旅立つ前に腹に思いっきりぶつかってきたあの剣が!
「いい加減にしないと細切れにするぞっ!」
僕は業物の剣を抜刀してゴブリンに怒鳴りつける
僕はもう、このゴブリンに容赦はしない
僕は剣に《イグニート》を放ち、火炎の剣を作った。
「喰らえぇぇぇぇ!!!」
そして僕はその火炎の剣を横に一振して___ッ
「ギャァァァ! …… って直接切らねぇと意味無いだろ阿呆か!」
…泣きたくなってきた。
何で僕はゴブリンに手こずる程の雑魚なんだろう
仕方ない、此処は1度逃げて、強くなり、またリベンジするしかッ……
「な、なんだ…身体がッ身体がァァァ」
……? なんだかゴブリンの様子が可笑しい
その途端、ゴブリンが先程斬った方向と同じように割れたかと思えば灰に変わり
「うわぁっ!?何なんだよ一体!!」
ゴブリンの1匹がそう叫ぶ
「……?? まさか、この力は…僕は遂に力を手に入れたのか!!」
僕は涙した、今まで一族の中で仲間外れにされ、軽蔑され、クソザコナメクジ(名付け親はゴブリン)だったこの僕が。
今まさに、ゴブリン(名付け親)を自分の力で倒したのだ!!
「あぁ?なんだか騒ぎが起こってるじゃねぇか」
僕が涙していたら、何か僕の3倍背丈が大きいオークがやってきた
「てっ、てめぇはオーク!俺達の縄張りに何しに来やがった、帰れ帰れ!」
何だか揉め事が起きそうになっている
「縄張り?イヌッコロみたいにそこら辺の木に小便でもかけてやがったのか?」
何故だろう、僕に対して言ってる訳では無い筈なのにとてつもなく殴りたい、
1発で良いからぶん殴りたい
いや、この間にさりげなく逃げるのが最適かもしれない、いやいや、ここでオークを倒せばゴブリンが仲間に……もしかしたらその逆もあるかもしれない、どうしよう
思わず頭を抱えて悩んでいるとオークがこっちを向いて
「おいそこのクソガキ!!!!
おめェも死にたくなかったらゴブリン駆除を手伝いやがれ」
とか言ってくる、しかしゴブリンもそれに対抗するように
「おい人間!!!さっきはあんな事して悪かった!どうか助けてくれ!!!」
ふむ、両方とも腹が立つな、
よし、いっそ両方滅ぼしてやろう
「無理です☆」
左手でVサインを作って見せては
右手に持った剣を構え直す
「「は?」」
ゴブリンもオークも見事にハモって素っ頓狂な声を漏らす、
そんな事も気にせず僕は強そうなオークに斬りかかった___
___そして今は頑丈な鎖で吊るし上げられてます
僕はオークに見事返り討ちにされた
「こんなクソザコナメクジな僕がイキって断ってすみません、どうかこれからゴブリンを片っ端から潰すので許してください」
僕は心の底から思った事をオークに言う
オークとゴブリンは顔を見合わせる、そしてまた僕の方を見ると
「「無理です☆」」
「は?」
というかなんでゴブリンとオークが一緒に居るんだよ 僕は心の中で舌打ちした
「それじゃ、たーんと俺達が召し上がってやるから感謝しろよ」
僕は余りの恐ろしさに声を上げる事すら叶わなかった
そして突如爆音と共に視界が真っ白になった
これは恐らく魔法だろう、多分僕が居るのを知らずに誰かが放ったに違いない、
視界がようやく戻ってくると周りには瓦礫の山とその奥に立つ大人しそうな見た目の女性が杖を瓦礫の方に向けて立っていた。
「え~っと、全部ぶっぱなしちゃいましたけど、生きてますかー?」
結構ハイペースでの投稿です、
前書きの通り今回はれんもが担当しました、
次は僕が大部分を担当致します
そして本編のお話、
遂に戦闘…かと思ったら全然戦闘にならず、なんならかなり変な方向に行ってしまいました、次のお話ではエイダート君と新たな仲間がアンハインドに挑むかもしれないし挑まないかもしれません