“俺は彼女を死ぬほど愛しているというのに、彼女は俺の事をそこまで愛してはいない!”
俺は心から誓える!
彼女を死ぬほど愛していると......。
・・・でも? 彼女は俺とは違う!
彼女は恋愛だけではないが、何事もドライというか?
割り切って考えられる女性みたいで、俺の事もどこか本気で好きという
訳ではないみたいだ。
俺がどんなに彼女を好きでも、彼女は俺ほど好きになる事はないのだろう。
それでも俺は彼女を愛しているし。
変る事のない彼女へのこの想いをずっと持ち続けていたい!
いつか彼女にも俺のようになってほしいと望んでいるのだが。
『俺以外の男と仲良くならないでほしいんだ!』
『どうしてよ!』
『“俺の彼女だし!”』
『そういう考え方って? “古臭くない? 何、俺の彼女って?”』
『好きな女が、他の男と仲良くしてたら彼氏の俺は嫌なんだ!』
『それって? “完全に男女差別だよね!”』
『な、なんでそうなんだよ、今は恋人同士の話をしてるだけだろう!』
『女だから男の言う事を絶対に訊かないといけないの?』
『・・・お、俺はそんな事、言ってないよ、』
『でも、そういう事でしょ!』
『俺は!』
『俺は、何よ!』
『・・・い、いや、』
『女が男に服従しないといけない世の中はもう終わったのよ! 奴隷じゃ
ないんだから、いい加減にしてよね!』
『“ど、奴隷って?”』
『奴隷みたいなモンでしょ!』
『・・・俺はただ、他の男と仲良くしてほしくないだけで、』
『私が誰と仲良くしようが勝手でしょ!』
『・・・そ、そんな言い方しなくても、』
『“私は束縛する男が一番、大嫌いなのよ!”』
『・・・・・・』
・・・彼女は“束縛”されるのが何よりも嫌らしい!
俺だって! できる事なら彼女を束縛したくないんだ!
でも? 不安で眠れなくなる。
彼女はやたらと、男にモテるから気が気でない!
俺の事を何故? 俺と同じだけ彼女は愛してくれないのか?
彼女への不満が丸々と膨らんでいく。
知らない男と彼女が仲良く話しているだけで、俺の心がギシギシ痛みだす。
ハグしたり手を握っているだけでも俺はもう耐えられない!
彼女はそんな事をしていても、俺にはっきりこう言うんだ!
“これは、ただのスキンシップだから浮気じゃないからね”と。
どう見たって、俺からしたら浮気にしか見えないよ。
もう彼女を信用できない!
俺はこれ以上、彼女と付き合っていたら? 心が持たないと考えた。
だからしぶしぶ、俺は彼女に別れ話を切り出す。
『もう限界だ! 俺と別れてくれ!』
『“分かった、いいよ。”』
『えぇ!?』
『別にいいって言ってんだけど!』
『そんなに簡単に、別れられる仲だったのかよ。』
『しょうがないじゃない! そっちから別れ話してきたんだから!』
『もういいよ、分かった別れよう。』
『うん。』
・・・3年も真剣交際してきた彼女とあっけなく俺は別れる。
勿論! 俺から彼女に別れ話をしたのだから、文句は言えない!
でも? なんか簡単すぎだろう。
このモヤモヤはどうしたらいいんだ?
それでもいつか? “次付き合う彼女には俺と同じくらい俺を愛してほしい!”
ただ、まだ別れた彼女への未練が断ち切れてないんだけどね。
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