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ナンパなんてしてないでクエスト行ってこい!  作者: 星願大聖
激闘! 滅階級モンスター討伐戦
68/130

〜鋼ランククエスト・夢誘鮟鱇討伐〜

〜鋼ランククエスト・夢誘鮟鱇討伐〜

 

 「あああん あん あああん あん 燃やしてこっがしてゆ〜らゆら〜」

 「お嬢さん? その妙な歌は一体なんの歌なんだい?」

 

 私が鼻歌を歌っているとぴりからさんが頬に汗を垂らしながら問いかけてきた。

 どうやらぬらぬらさんはクエストに必要なものの買い出しに出ているらしく、代わりにぴりからさんがいいクエストを探しに来ているようだ。

 

 「何って、あんこうの歌ですよ?」

 

 なんの歌かと聞かれたので、『えっ! あなた知らないんですか?』と言わんばかりに平然と答える。

 

 「あ、ああ。 知らない歌だよ、申し訳ないねぇ? そんなことよりクエストの斡旋をしてもらいたいんだが………」

 「そんなあなたにはこのクエストがおすすめです! ジャジャーン! 夢誘鮟鱇レヴィンヴィロットの討伐!」

 

 夢誘鮟鱇【レヴィンヴィロット】その名の通りあんこうだ。

 全長は百五十〜二メーター前後で、頭から長い触手が伸びている。

 この触手は見たものに心地のいい夢を見せるとか、その夢に誘われて近づいて行くとパクリと一飲みにされる。

 毎年このモンスターのせいで一般人が何名か行方不明になったり、冒険者も大怪我を多発させる。

 戦闘能力はさほど高くないが、大変危険なモンスターで大怪我をする確率が全モンスターの中でもトップクラスなのだ。

 

 「う………。 お嬢さんはもしかして、それであんこうの歌を歌っていたのかい?」

 「ええもちろん! このクエストはマジで放っておくと危険なので、腕利きの方に是非とも受けていただきたい!」

 

 私は初めからぴりからさんとぬらぬらさんにこのクエストを任せようとしていた。 真面目で常識人な二人は甘い夢なんかに惑わされるはずがない!

 私の担当の中でも唯一まともと言えるこの二人にしか任せられそうにないのだ。

 自信満々にクエスト用紙をぴりからさんに突きつけると、いやそうな顔を向けられた。

 

 「知っているかいお嬢さん。 このモンスターはね、冒険者に大怪我を与える確率が非常に高いんだ………」

 「そうです! ですから反応速度の早いぬらぬらさんや、常識人であるぴりからさんじゃないと心配すぎて任せられません!」

 

 私はさも当然だとでも言わんばかりに胸を張るが、ぴりからさんはただならぬ表情で自信満々の私に顔をずずいと近づけてくる。

 

 「お嬢さん、言っておくが………大怪我とは、心の怪我も含むんだよ」

 

 ぴりからさんのただならぬ雰囲気に気圧され、ごくりと息を呑む私。

 

 「もしかして! 常識人だと思っていたぴりからさんにもやましいことが………」

 「あるわけないだろ! ないとも! ええないとも! このボクにやましいことなんてひとっつもない!」

 

 急に大声で否定し始めるぴりからさんに、周囲の冒険者たちの視線が集まる。

 気まずいと思ったのだろう、ぴりからさんは再度私に顔を近づけ耳打ちをした。

 

 「今回はしょうがなく受けてあげるけども、メンタルが強そうな冒険者も念のため同行させてくれ!」

 

 私はメンタルが強い冒険者と聞いて、真っ先に思い浮かんだ二人組を即座に手招きした。

 

 

 ★

 「おいぴりから〜」「いいかげん討伐する」「モンスターがなんなのか」「教えてくれよ〜」

 

 気だるそうに歩きながら、先行して歩くぴりからとぬらぬらに声をかける閻魔鴉と極楽鳶。

 隣を歩いていたぬらぬらも心配そうな表情をぴりからに向けた。

 

 「ぴりから………その〜、どうして私にも教えてくださらないのですか?」

 

 ぬらぬらの困り顔を直視できずに視線を泳がせるぴりから。

 セリナがメンタルの強いと判断したのはお馴染みの双子、閻魔鴉と極楽鳶だったのだ。 しかしぴりからは夢誘鮟鱇討伐ということは知らせずにこの三人を連れてきた。

 

 理由は単純、もしぴりからの恥ずかしい姿を見られたとしても、この三人を道連れにするためだ。

 そんなぴりからは罪悪感のせいか、視線を泳がせながら上手く三人を誤魔化そうとしていると、とある冒険者を発見する。

 

 「おやぁ? あれはどるべるうぉん様………んっん〜! 金髪の坊やじゃないかい?」

 

 ぴりからの何気ない一言に、目を丸くする双子。

 

 「………え?」「ぴりから今」「どるべるうぉんのこと」「様って呼んで………」

 「金・髪・の! 坊やのことかなぁ? 様づけなんてしていない! 気のせいに決まっているじゃないか!」

 

 かなり高圧的なぴりからの一言に、押し黙ってしまう双子。 するとぬらぬらはさっきぴりからがどるべるうぉんを見つけたと言っていた場所に視線を送り、妙な表情をする。

 

 「どるべるうぉんさんなんていないですが………? おや? なぜぴりからがあんな遠くへ? いつの間に高速移動を覚えたのです?」

 「何を言っているんだいぬらぬら。 ボクはここだよ?」

 

 ぬらぬらはぴりからの声を聞き、真横から声をかけてきたぴりからに視線を戻す。

 その瞬間ぬらぬらは真横のぴりからと、遠くで見つけたというぴりからを交互に見た後ものすごい形相で頭を抱える。

 

 「ぴっ! ぴりからが二人もいます! ああ神よ! どうかお許し下さい! 私の目には何度見てもぴりからが二人もいるのです!」

 「おいおい!」「何言ってんだ二人とも!」「あそこにいるのは」「どるべるうぉんでもぴりからでもないぞ?」

 「セリナさんだ!」

 「ぺろぺろめろんだ!」

 

 同時に口を開き、お互いが別々の人物の名を挙げたことで、驚き顔を向き合わせる双子。

 

 「おいおい兄! 冗談はよせ! あそこにセリナさんがいるだろ? ほら! 手招きしてくれてる、笑顔で!」

 「はっはっは! 笑わせるな弟よ! あそこにいるのはぺろぺろめろんだ! 俺を見てあんなにも嬉しそうな顔をしている。 全く、あいつ俺に気があるのか?」

 

 お互いをバカにするような口調で口論し始める双子に対し、ぬらぬらもものすごい勢いで駆け寄っていく!

 

 「お二人とも正気を保ってください! あそこにはセリナさんもぺろぺろめろんさんもおりません! 二人目のぴりからが! 私に投げキッスをしているのです!」

 

 ぬらぬらの一言に、全員が石化したかのように固まってしまう。

 

 「お、おいおいぬらぬら。 少しおかしい! ボクが投げキッスなんかするわけがないだろう? ボクの見た目は確かに可愛いが、そんなアホなことはしない!」

 「ですがほら見てください! 今なんかお色気ポーズを!」

 

 ぬらぬらがぴりからの頭をがっしりと掴み、無理やり捻ってその様を見せようとする。

 

 「ちょ! 痛い痛い! 首折れる! ボクにはどるべ………いや。 何もいない。 そう、あそこには最初から何も見えなかった」

 

 急に仏のような顔で、ぴりからは冷静な口調で話し始めた。 それを聞いて慌て出すぬらぬら。

 

 「おかしいですよ! 何も見えないはずはありません! 初めにあなたがどるべるうぉんさんがいると言った時、私もあちらを向いてみたんです! そしたら嬉しそうに微笑むぴりからが………」

 「ボクはどるべるうぉんさ………金髪の坊やなど見ていない! あ! よく見たら金色の草が見えるじゃないか〜! ボクは近々金髪に染めようとしていたから幻覚が見えたんだな〜! あの金色の草を金髪の坊やの髪の毛と見間違えただけか〜!」

 

 わざとらしい口調のぴりからに双子がものすごい形相で近寄っていく。

 

 「お前!」「絶対金髪は」「「似合わないからやめとけ!」」

 「やっかましいわいこのポンコツ兄弟がぁ!」

 

 満面の笑みで空に向けて銃を発砲するぴりからに、双子はびくりと肩を窄める。

 

 「そんなことよりもおかしいです! さっきから私たちが見ているものが噛み合っていません! 今もぴりからが私に向けて甘えん坊な感じのポーズを!」

 「落ち着けぬらぬら!」「セリナさんが俺にウインクしているのが見えないのか!」「違うぞ弟! ぺろぺろめろんが両手を広げて俺を待っている!」「何を言っているんだ兄! あそこにはセリナさんが………」

 「ぬわぁァァァァあっぁぁぁぁ!」

 

 とうとうぴりからが壊れたように叫びながら銃を連射させる。

 

 「ぴっぴりからが! ぴりからを撃ちました!」

 「セリナさ〜ん!」「ぺろぺろめろ〜ん!」

 

 ぬらぬらや双子が同時に叫びながら手を伸ばす、しかしぴりからの銃は爆破と共に軌道を変え、幻覚が見えた場所の真後ろに刺さった。 するとそこから一体のモンスターが倒れてくる。

 三人は目を丸くして倒れてきたモンスターを凝視する。

 

 「お魚さんです」

 「兄、俺はこいつ知ってる」「弟、言うな。 ちなみにぺろぺろめろんが見えたというのは嘘だ、実は俺もセリナさんが………」

 「おやおや双子くんたち、君たちは双子なのに好みの女性が違ったようだねぇ? それとぬらぬら、頼むからボクから一メーター以上離れてくれ。 身の危険を感じたよ」

 

 ぴりからは双子をからかいながら、自然とぬらぬらから距離を取った。 そんなぴりからを見て涙目でにじり寄ろうとするぬらぬら。

 

 「違うのですぴりから! 私はそんなやましいことを思ってなどおりません! きっと少ない選択肢の中であのモンスターが選んだのが、たまたまぴりからだっただけで………」

 「ちょ! こわいこわい! こっちに来るんじゃない! 双子くんたち! ぬらぬらを止めてくれ!」

 

 慌ててぬらぬらから走って逃げようとするぴりからにジト目を向ける双子。

 

 「そういえばお前さ」「最初に言ってたよな?」「「あれはどるべるうぉん様………って!」」

 

 双子の一言を聞いた瞬間、ぴりからは石化した。

 

 

 ☆

 「あの〜、何があったんですか?」

 

 クエストから帰った四人は、みんな面白い表情だった。

 ぬらぬらさんはギャンギャン泣いているし、双子は死んだ魚のような目をしているし、ぴりからさんなんてずっと満面の笑みでものすごく怖い。

 

 「クエストは達成したよお嬢さん、特にこれといった事件は何も起きなかった! 気にしないでくれ!」

 

 満面の笑みだがものすごく圧力を感じる、流石にこれ以上聞くのはまずいと思った私はそそくさとクエスト達成報告書を書こうとしたのだが………

 

 「おい兄! 見ろよあそこ」「どるべるうぉん様がっフォウ!」

 

 今、ぴりからさんの拳が閻魔鴉さんの鳩尾にめり込んだのが見えたのだが………

 

 「ええっと………どるべるうぉんさんがどうかしたん——————」

 「お嬢さん! 早く達成報告書を書いてくれないと! 後ろが詰まっているんだ!」

 

 ちなみに後ろに待っている冒険者はいないが、満面すぎる笑みで顔をギョッと近づけてきたピぴりからさんが怖すぎて、私はそそくさと達成報告書を書こうとしたのだが。

 後ろで白目を剥いている閻魔鴉さんを必死に支えている極楽鳶さんが、ぴりからさんを指差して何か言おうとしているのが見えてしまった。

 

 「お前! よくも兄にひどいことをしたな! そんなんだからあいつに振り向いてもらえないんだぞ! 最近なんか他の冒険者からぴりからの兄貴とか言われちゃってさ! 男と間違えられてるんだぞ絶対!」

 

 やばい、ぴりからさんの笑顔が未だかつてないほどに輝き出し、心なしかゴゴゴゴゴゴ! という効果音まで聞こえてくる!

 

 「よし、白髪の坊や。 訓練所に行こう! 今日はパーティーだ」

 

 真っピンクの銃を構えてにっこりと笑っているぴりからさんを見て、私は慌てて止めようとする!

 

 「ちょ! っちょちょちょちょちょ! 銃しまって! ここではダメです! ご安全に! ご安全に!」

 

 私は訳のわからない掛け声をかけながら二人を宥めさせるのに三十分かかった。

 

 

 

 話を聞くとこういうことらしい。

 夢誘鮟鱇は、見たものに気持ちのいい夢を見せるらしい。 主に、愛する者の姿を見せるとかなんとか………

 

 で、一人ずつ会議室に呼び出して聞いたところみなさんの主張はこうだ。

 ぴりからさんは金色の草が見えたと。

 極楽鳶さんはどるべるうぉんさんが見えたと。

 閻魔鴉さんもどるべるうぉんさんが見えたと

 ぬらぬらさんはぴりからさんが見えたと。

 

 つまりこの中で本当のことを言っているのはぬらぬらさんだけだということがわかった。 ぬらぬらさんはぴりからさんが見えたと言ってしまったせいで、本人から距離を置かれてギャンギャン泣いているらしい。

 私の予想だとぴりからさんはどるべるうぉんさんが見えたとでも言ったのだろう。

 

 受付前でもどるべるうぉんさんの名前を出した途端に笑顔がものすごく怖くなったから確実にそうだ。

 双子さんに関してはなんかかなり濁らされて予想がつかなかったが、おそらく今このぴりからさん激おこ問題には関係ないだろう。

 

 夢誘鮟鱇が冒険者に大怪我を与えるというのはどうやら本当らしい。 ぴりからさんは心にかなりの大怪我をしているとみえる。

 いや、どちらかというとぬらぬらさんの方が大怪我だろうか? 世間的にも、パーティー的にも………

 そんなぬらぬらさんはじっくり話を聞いた時にギャン泣きしながらこう言っていた。

 

 「わだしは! ひっく! ただ! ぴりからを心から信用しているんです! ぐすん! だからぁ! あの時ぴりからが見えだのは! いやらしい意味じゃなくて! ひっく! 信用の証なんですぅ!」

 

 と、供述している。

 何やらぴりからさんが投げキッスやお色気ポーズをしていた! とか言っていたという話が双子さんから上がってはいるが………

 

 そんなことはさておき。

 私は現在、いまだに満面の笑みをしているぴりからさんを宥めている。

 

 「全くあの双子くんたちには困ってしまうよ! 余計なところで鋭かったりするんだ。 全く!」

 

 一人でぶつぶつと言っているぴりからさんの話を私はひたすら聞き続けた。 すると徐々にぴりからさんの笑顔が弱まっていく。

 頃合いだと思った私はそろそろ帰りましょうと声をかけてみた。 するとだいぶ落ち着いたのだろう、素直に席を立ったぴりからさん。

 

 彼女が席を立つと同時にポケットからひらりと一枚のカードが落ちた。

 どうやら気づいていない様子なので、私は拾ってあげようとして手を伸ばしたら………

 

 

 

 ——————みてはいけないものが見えてしまった。

 

 

 

 ♡どるべるうぉん様♡ ☆ファンクラブ★

 会員_N__o__._Ⅱ ピリカ【ぴりから】

 

 【一言】

 ボクは気高き志を持った王子様! どるべるうぉん様を陰ながら応援し………

 

 

 

 私は咄嗟に目を逸らし、カードが落ちた事に知らないふりをして部屋をそそくさと出ようとする。 すると、ぴりからさんはポケットに手を突っ込み、珍しく取り乱した表情をする。

 

 ここでかける言葉を間違えたら命がない!

 命をかけた言葉の選択肢! なんと声をかける? どうする私!

 

 一・どうかしたんですか?

 二・ファンクラブのカード落とした事に気づいたんですか? 恋する乙女はお茶目ちゃんですね!☆

 三・何も気にせずさっさと部屋を出る

 

 私はこの数秒の間に編み出した三つの選択肢の中から、最適だと思うものを即座に選択した!

 迷わず三! 事故防止のため即座に三! 風と共に去るしかない!

 そう思った私はそそくさとドアノブに手をかけると………

 

 「ねぇお嬢さん? この冒険者協会にはとあるクラブがあるって知っているかい?」

 

 やっべぇ! 私は今人生最大のピンチを迎えている! これはきっと試されているんだ!

 このカードを見たのか? もし見ていたのなら君はここから返すわけにはいかないな。 という暗示を込めた質問に違いない!

 どうする私! どうすればいいんだぁぁぁ!

 

 「え? クラブですか? 部活みたいなやつですよね?」

 

 ここで私の必殺技、質問を質問で返す。

 さらに相手が知らなそうなワードを混ぜ、別の方に興味を向かせる。

 

 「部活? それは一体何だい? まあいい、この際だから隠すのはもうやめにするよ。 君もあの日一緒にいたんだ。 同志だと思った上で一つ、私とすいかくろみどが作ったクラブに入ってみないかい?」

 

 ………は? なぜすいかくろみどさんの話が出たのだろうか?

 すいかくろみどさんとぴりからさんが関わることに覚えがない私は、素で首を傾げてしまった。

 

 「武闘大会の感動を覚えていないのかい? あの日私は王子様を見てしまった。 同じことを思っていたのだろう、すいかくろみどは大会が終わったと同時に私に声をかけに来た………」

 

 なんとなく想像がついてきた。

 

 「子猫ちゃんは言っていた。『どるべりん………いや! どるべるうぉん様の素晴らしさはもっとみんなに知ってもらうべきっしょ! ぴりりんもそう思うよね! 私と一緒に、どるべるうぉん様を陰で見守りつつお守りする団体を作ろう!』と声をかけてきてね。 そして私たち二人はファンクラブという団体を作った。 今や会員は三十名を超えている。 私はナンバーツー、すいかくろみどはナンバーワンだ。 君もあの日共に試合を見ていた同志なんだ、よかったら入らないかい?」

 

 私は突然の勧誘に少々戸惑う、でも断ったらまた面倒なことになりそうだから入るだけ入るのもありか?

 などと思っていると、ぴりからさんは淡々と語り始めてしまった。

 

 「ああそうさ、ボクは夢誘鮟鱇の幻を最初に見た時、ついつい言ってしまった。 どるべるうぉん様ってね。 でもしょうがないじゃないか、ボクだって可愛い乙女だ。 恋する乙女なんだ! ときめく乙女なんだから!」

 

 力強く拳を握って熱く語り出すぴりからさん。

 これは話が長くなりそうだと思った私はすぐに会員になると言って部屋を出てきた。 部屋から無事に脱出した私は大きなため息をつく。

 

 「なんか、めっちゃ疲れた。 夢誘鮟鱇は上級モンスター討伐より厄介だったな………」

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