〜火山龍討伐戦第一陣・仲間を守る硬い意志〜
〜火山龍討伐戦第一陣・仲間を守る硬い意志〜
作戦開始から一時間後、作戦に参加している冒険者たちは決戦の地である沼地エリアの拠点に集合していた。
この拠点は各エリアに設置された休憩所とは違い、土木工事のお兄さんたちが作っていたモンスター討伐用の要塞だ。
要塞を立てるために蹂躙戦をおこない、蹂躙戦と並行して土木のお兄さんたちが建築したのだ。
急ぎで作られたこの要塞は、巨大な壁に所々穴を開けて大砲や巨大ボウガンが設置されている程度。
壁の強度を高めるのに時間はかかるが、後は木を組み立てたりするだけだ。
土木のお兄さんたちは、簡単な地属性魔法や水魔法を使用してこの要塞を立てる。 くりんこんさんが作るセメントほどではないが、硬い石壁程度なら作れるのだ。
そしてその防壁の前で、火山龍との決戦準備に取り掛かっている前衛冒険者たちに、ヘルメットのような形の兜を被った私は拡声器で指示を送っていた。
「こらそこ! サボってないで手を動かして下さい! 火山龍は目視できる距離まで来てますよ! 目標地点までおよそ三十分! 冒険者さんたちと土木工事のお兄さん方に手伝ってもらったので、ある程度準備はできてますが! 念には念を置かないとダメです! 相手は滅界級なんですからね! 泣き言言う前に手を動かす! ハリアーーーップ!」
拡声器で拡大された私の声は、涙目の冒険者たちの手を早めた。
沼地の湿気が体にまとわりつき、蒸し暑い中必死に穴を掘っているため、かわいそうだとは思うが、私もこの蒸し蒸しした空気の中全体の指揮を任されてそこらじゅうに声をかけ続けている。
木枯月なのにこんなにも暑いのは、近くに火山龍がいるのが原因だろう。
火山龍が目標地点に到達するまで三十分程度のため、纏っているマグマの熱がここまで届いている。
そんな中、首にタオルを巻いているとある鋼ランク冒険者が、暑さにやられてボーッとした瞳で火山龍を見ている。
「なんで俺様たち、穴掘ってんの?」
「こら! パイナポさん! 作戦説明したでしょ! その穴はこの沼地にある湖全てから水をかき集めるための簡易的なダムです! これがないと話にならないんですよ!」
今のパイナポは、農作業している若造にしか見えない。
現在、前衛冒険者たちとサポートに来ていた岩ランク〜銅ランク冒険者総勢百名以上が掘っているのは水路。
私の合図でこの沼地全ての湖からこの要塞の目の前に水を持ってくるための水路なのだ。
土木工事のお兄さんたち総勢三十名と、銅ランク以下の冒険者たち百名弱で簡易的な水路を約一時間半で完成させた。
魔法が使えるこの世界では、機械並みに早く穴が掘れるのだ。 沼地のため土が柔らかかったことも幸いした。
前衛冒険者たちは水を溜めておくための深い穴をせっせと掘っている。 パイナポの隣では、魔法を巧みに使ってものすごい速さで穴を掘り進めていくぺんぺんさん。
地属性魔法が使えない冒険者たちは死んだ魚のような目でせっせと穴を掘っている。 水路の他にも落とし穴を二つ作った。
この二つはキャザリーさんの指示で作ったもの。
彼女曰く、この落とし穴は対処できない後ろ足二本がすっぽりはまる位置を計算して彫らせたものだとか。
掘った落とし穴の中には九尾狐討伐戦の例に従って、ありったけの爆薬を敷き詰めてもらっている。 青ざめた顔で爆薬を慎重に敷き詰めているのは、地属性魔法が使えない中衛冒険者たち。
穴を掘り終われば、後は火山龍がこの拠点の三キロ圏内に入るのを準備しながら待つだけだ。
余裕を持って一・五キロ地点までは惹きつけたいが、その前にマグマを対処しなければいけない。
私は、後方に構えた冒険者たちに視線を送る。
「華嘉亜天火さん! 魔力は回復しましたか!」
「誰に向かって言っているのよ? そんなの当然じゃない。 この量の水が本当に集まるのなら、おそらく顔、首………前足も余裕ね。 欲を言えば上半身のマグマだけでも冷ましたいわね?」
華嘉亜天火さんや樽飯庵さん筆頭に、後ろにかまえているのは水属性魔法を得意とする魔法部隊。
そしてその隣でよりどりどり〜みんさんが氷で色々な物を作っている。
「よりどりどり〜みんさん! 武器はできましたか!」
よりどりどり〜みんさんは他の冒険者と協力して、氷で巨大な槌と薙刀、巨大ボウガン用の矢を作っている。
「だいじょーぶでーす! ぺろぺろめろんさん、シュプリムさん! 素振りしてみて下さい! あと、誰かこの矢で試し打ちしてくれませんか?」
彼女の隣では、氷で作られた巨大な槌を軽々しく持ち上げるぺろぺろめろんさんと、薙刀をプルプルしながら持ち上げようとするシュプリムさんが見える。
シュプリムさんの方はかなり重そうだ。
「うちは全然平気かな? 結構重いけど!」
「結構どころじゃないだろぉ! 持ち上げるだけで精一杯だわ!」
顔を真っ赤にしてプルプルしているシュプリムさん。
私は仕方なく他の冒険者に援護もお願いする。
「風魔法が得意な方いませんか〜? あとぺんぺんさん! 砂鉄で彼が薙刀持ち上げる援護とかできます?」
ぺんぺんさんは二つ返事で了承してくれた、穴掘り作業をやめてシュプリムさんの方に向かう。
風魔法が得意ということで虎宝さんもシュプリムさんの元に駆け寄る。
二人が魔法でサポートすると、なんとか振り回せるようにはなったらしい。
武器を持ち上げる風圧と砂鉄によるバランスの補正、二人のサポートは完璧だ。 これで第一陣は準備が整った。
最終仕上げをして火山龍を迎える事とする。
「フェアエルデさん! これまで掘った土を使ってもう一枚壁作って下さい! くりんこんさんは最低限の魔力を残してその壁にセメントを貼って下さい!」
二人は要塞の目の前にもう一枚の壁を作り出した。
その壁の表面はセメントで覆っている。
フェアエルデさんたちの作った壁と要塞の二段構え、これならおそらくあの攻撃は防げるだろう。
「そろそろ土木工事のお兄さん方と銅ランク以下の冒険者たち! 後、第二陣以降に活躍する冒険者たちは壁の後ろに退避を! 火山龍、目標地点までおよそ十五分で来ます!」
穴を掘っていた冒険者たちや土木工事のお兄さん方がゾロゾロと壁の後ろに退避する。
そして私が立つ要塞のてっぺんにぷぷるんさんと鬼羅姫螺星さんがやってくる。
「そろそろでやんすね、全力でサポートするでやんす」
「ほ、本当にこんな重大な役………私なんかでいいんですか!」
いつも通りの冷静な鬼羅姫螺星さんとは対照的に、プルプル震えるぷぷるんさん。 早口言葉じゃないよ。
「あなた方の指示が全冒険者の命を左右します。 さっきも言いましたが、あなた方には超音波と魔力目で魔力の流れを察知して次の攻撃を全員に指示して下さい。 それに従い第一、二陣が動きます。 頼みますよ?」
二人は緊張した面持ちでこくりとうなずく。
最後に、第二陣の要になるであろう凪燕さんに挨拶をしておく。
「凪燕さん! 上から失礼します! マグマを鎮火した後のこと、よろしくお願いします!」
「あいよ〜! セリナちゃんのご期待に添えるよう、せいぜい頑張りますわ!」
気の抜けたような返事で答えてくれる凪燕さん。
これで準備は整った。 さあ、火山龍と………………
——————最後の戦いを始める時が来た!
目標地点に火山龍が入った。
目標地点とは、火山龍と要塞の距離が三キロ以内になる地点。
この距離なら火山龍の噴火によるマグマの流星群は攻撃範囲外になる。
代わりに強力な衝撃波がくるのだが、マグマよりはマシだろう。
この衝撃波による死者は出ていない、マグマの流星群を無理やり止める方法を考えるより、全員で接近して衝撃波の対策をする方がはるかに早い。
十五分ほど前に合図を出して、簡易水路を使い沼地全体の湖から水をかき集めている。
その量およそ千トン、二十五メータープール三個分程度、それでも水路の水はまだまだ集まっている。
かなり深く、大きく掘ってもらったからまだまだ余裕はある。
「華嘉亜天火さん! 水の塊を直接当てないでくださいね! 万が一巨大な水蒸気爆発を起こされては困ります! ここは屋外ですが不満要素は無くしたいです!」
化学的なことに私は詳しくない、しかしそこはキャザリーさんが指示を出してくれる手筈になっている。
「屋外だから水蒸気爆発なんてまず起こらないわよ? まあ念のため霧状にして火山龍の体にまとわりつくようにしなさい? 後は風魔法で空気中の温度を急激に低下させて徐々に温度を下げるべきね、一・五キロ分しか余裕が無いわ、無駄にしないようにね」
キャザリーさんは要塞の下に設置した櫓の上で、拡声器越しに真剣な表情で華嘉亜天火さんに指示を出す。
私はすぐに思いつく風魔法使いの虎宝さんとぷらんくるとんさんを呼んでおく。
しかしキャザリーさんの指示に対し、華嘉亜天火さんは不服そうな顔をする。
「私に命令するんじゃないわよ!」
そう言いながらも貯めた水を丁寧に霧状にして火山龍に飛ばす華嘉亜天火さん。 ツンデレか!
それに倣って他の水魔法使い冒険者も真似をする。
氷の武器を作り終わったよりどりどり〜みんさんも合流していた、それを目視したキャザリーさんは口元に拡声器を寄せる。
「ちょっと! よりりんどり〜みんさん? だったかしら。 水と風を合成させて氷魔法が使えたわね! 霧を全て氷の礫にしてぶち当てなさい!」
「よ・り・ど・り! どり〜みんです!」
名前を間違えられたよりどりどり〜みんさんは頬を膨らませながら指示に従う。
「氷なら体積も小さいし、万が一大量な水蒸気が発生しても爆発する可能性は低いわ。 まあ屋外だから大丈夫だと思うけど………」
かなり落ち着かない様子のキャザリーさん、おそらく彼女も急激に冷やして大量な水蒸気を発生させたら危険だと思っているのだろう。
溜めた水を霧状にして、風魔法で小さな氷に変えながらぶつけ続ける。
すると火山龍の怪しくオレンジに光っていた体が、徐々に光を失い黒ずんでいく。
「十分よ! 体表温度も下がったことだし思いっきり放水なさい!」
キャザリーさんの自信に満ちた声で、華嘉亜天火さんはニヤリと笑う。
「全く、こういうちまちました方法は好かないからね? 一気にぶっ放す方が手っ取り早いわ!」
華嘉亜天火さんはふんぞり帰って座っていた水塊から立ち上がり、両腕を掲げる。
「ちょ! 華嘉亜天火ちゃん! 俺たちが使う分の水も残してよ!」
溜めた水を全て宙に浮かせてしまった華嘉亜天火さんに困り顔で声をかける樽飯庵さん。
「ご苦労様。 あなたたち、もう用済みよ? 早く壁の後ろに下がりなさい?」
華嘉亜天火さんはなおも高圧的な態度で樽飯庵さんに告げる。
彼女はあんな態度をしているからあまりいい人間だとは思ってなかったが、私はさっきの一言を聞いて彼女の意図を察し、彼女へのイメージが変わった………
あの冒険者は驚くほど優しい冒険者だ。
「お前! 一人で残る気かよ! そんなの………」
「うるさいわよ、銀ランク風情がこの私に指図しないでくれる? 早く下がれって命令したはずよ?」
言い返そうとした樽飯庵さんは、彼女の顔を見た瞬間下唇を噛みながら壁の方に走り出す。 他の冒険者たちも、浮かない顔つきでゾロゾロと壁の後ろに走る。
彼女のしたい事は分かる、とても優しい人だと思った、しかし私はそんな彼女だからこそ放ってはおけない。
私は慌てて拡声器を取り出した。
「自己犠牲とか求めてません! あなたも逃げる準備をして下さい! なんのために水魔法が使える冒険者たちを集めたと………」
「お黙りなさい? 私は金ランク冒険者! 噴火の衝撃波程度で死んだりしないわ?」
私の声を遮り、彼女は持ち上げた水塊から鉄砲水のように水を噴射した。 壁の前に一人残る華嘉亜天火さん。
彼女はきっと悟っていたんだ、マグマを冷ませば噴火が来る。
そうなると前線に残っていた冒険者たちは衝撃波の餌食になる。
そうならないよう大人数で少しずつマグマを冷まし、すぐに壁の後ろに逃げられるようにした。
けどこれだと不確定要素が多すぎる。 一発勝負だから確実に成功する保証はなかった。
水の攻撃を嫌がって、いつ噴火するかなどわからない。 噴火されたら全員衝撃波の餌食となる。 みんななんとなく察していたのかもしれない、もしかしたら予想外のタイミングで噴火されるかもしれないと。 にも関わらず、冒険者たちは二つ返事でこの役目を受けてくれていた。
だからこそ、そんな勇敢な冒険者たちを守るため、彼女は一人で残ることを選んだ。
あんな態度でひどい口調だけど、他の冒険者たちのために自らが犠牲になることを選んだ。
けどそれじゃあ嫌だ、あんな優しい冒険者が大怪我を負うところなんて見たくない………
そう思った時、壁の中から二人の冒険者が勢いよく飛び出した。 その二人の姿はぶれていて、よく見えないほど早い。
一瞬で一人残っている華嘉亜天火さんに近寄った二人の冒険者は、私のよく知る冒険者たちだった。
「あなたのように自己犠牲を美学だと捉えることに、私は賛同しかねます!」
「全くだ、私たちならやつの衝撃波よりも早いぞ? 君が小人族でよかった」
華嘉亜天火さんの背後に駆けてきたのは、ぬらぬらさんと龍雅さんだった。
「は? 何言ってるの? 自己犠牲だとかそんなこと思ってあいつらを下がらせたわけじゃ………ちょっと! この私を担ぐなんて! 恥を知りなさい!」
ぬらぬらさんと龍雅さんは呆れたような表情で、華嘉亜天火さんを担ぎ上げた。
その瞬間、ぷぷるんさんと鬼羅姫螺星さんが同時に拡声器を口元に寄せる。
「すぐに噴火が来ます! 早く退避を!」
「ぬらぬら! 龍雅! お前らなら間に合うでやんす!」
二人が拡声器越しに大声を出した瞬間!
火山龍の背中から大量のマグマが噴射される。
同時にものすごい熱気と、とてつもない威力の衝撃波が辺りに伝わっていく。
頭を抱えて身を屈めた私たちの耳に、鼓膜を破壊しそうなほどの破壊音が響いてくる。
全身がこわばる。
要塞が壊れない保証はない、フェアエルデさんたちに作ってもらった壁は保険に過ぎない。 この要塞の頂上から指示する私の足場が今この瞬間、崩壊してもおかしくはない。
しかし、いつまで経っても足場は残ったままだった。
恐る恐る頭を上げる、すると私の目に映ったのは………
「フェアエルデさんたちに、壁作っておいてもらってよかった〜」
ため息混じりに安堵するぷぷるんさんの声を聞きながら、粉々に砕けたコンクリートの壁と、大きなヒビが入った要塞の壁が目に映った。
要塞が無事だったことを確認した直後、私たちは壁の後ろに退避していた冒険者たちを確認する。
「ぬらぬら! 君は本当に最高の相棒だよ」
「姉さん! まじかっけえっす! 泣きましたわ! 鼻水ズビズビです!」
「ちょっと〜! 鈴雷ちゃんたち! 龍雅ちゃんもいるからね〜?」
パーティーメンバーや仲の良い冒険者に称賛されるぬらぬらさんや龍雅さんたち。
「うわぁぁぁん! 華嘉亜天火さぁぁぁぁぁん!」
「ちょ! 寄ってこないでくれる! 痛い! 近い! やめなさいって言っているでしょう!」
頬を真っ赤にしながらプルプル震える華嘉亜天火さんは、レイト担当の冒険者や共に水魔法を使っていた冒険者たちが泣きながらもみくちゃにしていた。
第一陣、マグマの鎮火は無事に成功。
怪我人は一人もいないが………約一名、魔力切れで動けないせいか他の冒険者たちにもみくちゃにされている。
しかしまあ十分すぎる結果だろう。 でもまだ油断はできない。
噴火によるマグマの流星群はクルルちゃんとメル先輩から、三キロ以上先での被害が大きかったという話だ。
つまりこの要塞の近くに落ちてこない保証はない。
マグマの流星群対策として要塞の後ろでキャリーム先輩とクルルちゃんが待機してくれている。
「こちら! 一個落ちてくるわよ!」
早速キャリーム先輩の方から拡声器越しの叫びが聞こえてくる。
こちらの対策に関しては狙撃手の腕任せだ、だが今ここには最高の狙撃手がいる。
「任せてちょうだい! あんなマグマなんて、まぁクマよりは当てやすいわ! こんな時に………ほんとごめんなさい!」
勢いよく巨大ボウガンを反転させるレミスさん。
巨大ボウガンの矢も、よりどりどり〜みんさんに氷で作ってもらっている。
勢いよく噴射された氷の矢は見事的中した、熱がひいたマグマは黒ずんだ岩の塊になって落ちてくる。
そして、その巨大な岩に飛び掛かる赤髪の美女。
「安心してくれ? 塵も残さない?」
腰にぶら下がった柄だけの片手剣を握ると、刀身からオレンジ色に輝く刃が現れる。
彼女、紅焔さんは炎魔法の超エキスパート、彼女は対象物を切るのではなく溶かす。
刀身のオレンジの光は炎を凝縮したものだ、どんなに硬いモンスターの皮膚でもその炎で溶かしてしまう。
紅焔さんが空中で剣を振ると、じゅっと音を立てて岩の塊が消えてなくなった。
その一瞬で全員が彼女の強さを悟り、絶句する。
「次、第二陣だったな? 現場の指揮はメルさんか? 私の準備はオッケーだ」
彼女はそう呟きながら、オレンジの刀身を消した。 柄だけになった片手剣を腰にぶら下げる。
それを見ていたメルさんは拡声器に向かって大声をかける。
「第二陣! 行きますよ! 準備はいいですか? シュプリムさん!」
氷でできた巨大な薙刀を、ぺんぺんさんと虎宝さんに支えられながら持ち上げるシュプリムさん。
「おっしゃあ! やってやる! やってやるぞぉ!」
薙刀が重すぎるせいで顔を真っ赤にしながら声を上げるシュプリムさん。
「本当に大丈夫なのか?」
虎宝さんが眉を歪めながら呟くが、紅焔さんが勢いよく駆け出して行ってしまったため、シュプリムさんたちも慌てて駆け出した。




