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〜宝石ランククエスト・氷帝鯱討伐〜

〜宝石ランククエスト・氷帝鯱討伐〜

 

 あぶらあげさんの求婚は丁重にお断りした。 あぶらあげさんはうっすらと目頭に涙を浮かべながら、

 

 「ふふ、(わたくし)ったら、また早とちりしてしまいましたのね。 別にいいんですセリナ様、お気になさらず。 きっと今回はタイミングが悪かっただけですもの。 信じて待ち続けていれば、きっと真実の愛が私を幸せにしてくれるのですから! その機会を待ちましょう!」

 

 と言ったっきり、しばらくの間馬車の隅でシクシク泣いていた。 心が痛むから勘弁してほしい。

 そんなことはさておき、二日間の馬車の旅を経て水辺エリアの拠点にたどり着いた。

 

 ここまでの道のりで会敵回数は五回、内二回は私たちが見張っている最中に起こった。

 しかしまあ、色々あったせいでぴりからさんとぬらぬらさんの機嫌が悪い。 なぜかというと、一回目の会敵の際、

 

 「セリナさん! 先日あなたと龍雅さんが考案してくれた新たな権能、今こそお見せする時が来ました!」

 「ふふ、ぬらぬらだけじゃないよ! ボクも新しい能力を開発したんだ、瞬きしないでよーく見ていてくれ!」

 

 沼地エリア横断中に百足武者(ミルパルメット)三体と会敵した。 私の担当する五人はすぐに臨戦体制をとり、ぬらぬらさんとぴりからさんに関しては新技を私に見せたかったようで、気合十分すぎる足取りで馬車から出ていったのだが……

 

 「ぬぅオラァぁぁぁぁ!」

 

 二人が馬車から出ていった瞬間に百足武者三体は真っ二つになっていた。

 

 「ちょっとぺろりーん、虫ピにさよならスラッシュはやめてっていつも言ってんじゃーん」

 

 直後にすいかくろみどさんが文句を言いつつも二本の刀を振り抜き、上半身と下半身がさようならしていた百足武者の頭を潰す。

 武器を構えたまま固まるぴりからさんとぬらぬらさん。

 

 「ちぇ、三体だけかー。 つまんないのー」

 「ぺ、ぺろりん。 ぬらぬらとぴりからがかわいそうだし、せめて一体くらい残してあげてもよかったと思うし」

 「え? あ、ウソ! ごめんねぴりりんとぬらちょん! 虫ピたち脆すぎてさよならスラッシュしちゃった!」

 

 念の為言っておくが、百足武者の装甲はかなり硬い。 普通の冒険者は普通の物理攻撃でさよならスラッシュ、しかも三体同時とかまず不可能。

 圧倒的な腕力を持っているか、鋭すぎる切れ味を誇る武器でしかあんな芸当できない。 それか双子さんたちのように炎を纏わせた剣じゃないと装甲に弾かれる。

 

 「いいんだピンク髪の子猫ちゃん。 ペラペラ喋ってないでとっとと出ていけばよかっただけの話だからさ」

 「は、はい。 私も、皆さんに新技を見ていただきたいばかりに、はしゃぎすぎていただけですので」

 

 明らかに落ち込んだトーンでそんなことを言い出すもんだから、ぺろぺろめろんさんたちは苦笑いを浮かべることしかできなかった。

 

 

 

 そして二度目の会敵。 昨日の夜中、ついさっきの出来事だ。 ちなみに私は寝てたので、べりっちょべりーさんから聞いた話をそのまま伝えよう。

 ちょうど見張りについていたすいかくろみどさんとべりっちょべりーさんが敵影を発見する。

 

 「お? あれは黒狼帝(アプルノワル)が率いる黒狼(ルノワル)の群れだし!」

 「あ、ほんとだー。 どーする? 今はまだこっち気づいてなさそうだけど」

 「もうすぐ水辺エリアに着くし、できれば戦闘は避けたいんだし」

 「だよねー。 あ、でもなんか……気づかれたっぽい?」

 

 すいかくろみどさんたちが悠長に話していると、黒狼の一体がこちらに気がついたらしい。

 

 「うわーめんどくせー」

 「黒狼帝を倒せばあの群れってすぐ逃げ出すし、そんな不機嫌そうな顔するなし!」

 「しゃーないなー。 あいつ、無駄にすばしっこいから地面からぐさっといくわ」

 

 すいかくろみどさんはだるそうに立ち上がって、突進してくる黒狼を刀の二、三振で一気に十体近く切り伏せてしまう。

 刀の刀身部分を自在に変形できるすいかくろみどさんの間合いは五〜六メーター近くある。 よってたった一振りでも大量のモンスターを切り伏せられるし、刀身を鞭のようにしならせることも可能だとか。

 

 そのまま群れの方にダッシュしながら地面に片方の剣を突き刺し、間合いを伸ばす能力を応用して地面の下から刀身を伸ばす。 

 黒狼帝は、真下からの攻撃に全く反応できず一瞬にして串刺しになり、身動きが取れずに唸ることしかできない。 串刺しになってもなんとか反撃しようと暴れていた黒狼帝に歩いて近寄っていったすいかくろみどさんは、なんの躊躇もなく首を一刀両断した。

 

 その光景を見て黒狼たちが慌てたように吠えながら逃げていく。 そのタイミングで、狼の鳴き声がやかましいと思い目を覚ました私は、返り血まみれのすいかくろみどさんとご対面。

 

 「あら、起こしちゃった? まだ寝ててよかったのに」

 「ぎゃあぁぁぁぁぁ!」

 

 私の叫び声でみんなが起きてしまい、べりっちょべりーさんから黒狼帝の群れに遭遇したという話を聞いたのだ。

 ここに着くまでの三〜四時間の間、ぴりからさんとぬらぬらさんは口を窄ませながら、

 

 「群れでモンスターが現れたなら、ボクたちのこと起こしてくれてもよかったと思うけどね」

 「面倒だと思っていたのなら、私たちを頼っていただいてもよかったと思います」

 

 などと小言を連発。 すいかくろみどさんは何度も謝っていたがどうやら相当根にもたれている。

 

 ちなみにぺろぺろめろんさんからも「一人だけ楽しんじゃってさー。 くろみっちだけずるーい」とお小言が飛んでいた。

 

 何気に気がきくすいかくろみどさん的には、もうすぐ到着するから少しでも長く休んでもらおうとしていたみたいなのだが、どうやら余計なお節介になってしまったようだ。

 

 それにしても黒狼帝の群れを一人で討伐するとか、しかも軽々と……

 ここにいるメンバーはとんでもなく強い冒険者しかいないんだな、と改めて思ってしまった。

 

 

 

 ☆

 水辺エリアの拠点に着いたのは早朝、拠点内の岩ランク冒険者たちは遠見の水晶板で氷帝鯱(テンペラルグラス)の捜索をしていた。

 拠点内の救護所にはすでに複数の冒険者が横たわっており、回復師たちが忙しそうに駆け回っていた。

 

 救護所にいた冒険者たちの九割は凍傷と低体温症。 中には片腕が切断されている冒険者や鋭利な刃物で切り刻まれたような傷が大量についている冒険者もいた。

 救護所の様子を見て、心配性のぷぷるんさんは青ざめている。

 

 「どどどどど、どうしましょう! 私たち生きて帰れるんですかね?」

 「落ち着きたまえぷぷるんさん♩ 君たちは冒険者協会から選ばれた精鋭なんだ♫ もっと堂々としていてもらわないと困るよ?♩」

 「せ、精鋭だなんて……ああ、どうしましょう。 精鋭のくせに大したことないって幻滅されませんかね?」

 「またネガティブになっているね♬ 銀河(ギャラクシー)さん、どうにかしてくれないかい?♪」

 「なぜ俺に振るんですか」

 

 銀河さんが迷惑そうに頬を引き攣らせている。

 

 「なんにせよ、早々に討伐しないと被害が増える一方です。 ここまで移動に二日も無駄にしています。 移動中に立てた作戦通り、まずは氷帝鯱を補足しないといけません」

 

 氷帝鯱討伐においての第一関門、海の中を自在に泳ぎ回るターゲットを補足する必要がある。

 賢い氷帝鯱は自らを探している冒険者たちの背後をとり、奇襲を仕掛けて甚大な被害を出してくる。 海に出た時点で相手のホームグラウンド、ここから先は一歩も油断できない。

 

 「まあ、第一関門は余裕で突破できそうだねぇ♬」

 

 自信満々な笑みを作るレイト。 まあ、それもそうだろう。

 

 「船の準備はできてるみたいよ? あと潜水服もね。 行くんならとっとと行きましょう?」

 

 華嘉亜天火(かかあてんか)さんに促されて私たちは拠点に併設された桟橋に向かう、今回使う船は船底が鉄板で防御された中型船。

 

 「すごいねえ、最新鋭の戦艦じゃないか♩」

 「すっごーい! 鉄が使われてるのに浮いてるって、さすが魔法の力は(あなど)れない!」

 「魔法使わなくても空気を閉じ込めとけば浮かせるのは簡単ですよ? この世界の船は、魔石使ってるのエンジンだけでしょ?」

 「え? そうなの? セリナさんって船にも詳しい感じ?」

 

 悠長な世間話をしながら船に乗り込んだ私たちは数名の岩ランク冒険者に挨拶を済ませる。

 今回は船を動かすために岩ランク冒険者が何人か同乗してくれる。 こうすることで我々討伐隊は戦闘に集中することができるからだ。

 

 岩ランク冒険者たちにとっても、間近で精鋭冒険者たちの戦いを見れるとなれば是が非でもこの役を勝ち取りたかっただろう。

 ぷぷるんさんと違い、全員がイキイキした顔で出航の準備を始めていた。

 

 「さてぷぷるんさん、早速出番だよ? ソナー室で氷帝鯱の捜索だ!」

 「あ、とうとうこの時が来てしまうんですね! ああ、緊張する。 大丈夫かな〜」

 

 プルプルと震えながらレイトに連れられてソナー室に向かうぷぷるんさん。 超音波を操るぷぷるんさんなら、水中にいるモンスターを捜索することなど朝飯前だろう。

 捜索に難航する氷帝鯱を容易に炙り出せる。 これはデカすぎるアドバンテージだ。

 

 「氷帝鯱が見つかったらすぐに君たちを呼ぼう、それまではゆっくりしていてくれ♬」

 「んだら、あたしはこの船ん中探検してきてもいいべか?」

 「いいんじゃないかな?♩」

 

 レイトの返事を聞いて子供のようにはしゃぎながら駆けていくこめっとめんこさん。 休んでていいとは言われたが、私はおとなしくしてられないので今できそうなことをする事にした。

 

 「私は支給された潜水服の状態を確認してきます」

 「へえ、意外と真面目なところあるのね?」

 「華嘉亜天火さん? あなた私のことどんな目で見てるんですか?」

 「いつもふざけてるお調子者、ってところかしら?」

 

 おい、なんて失礼な。

 

 「違いないな、華嘉亜天火さんの言う通りだ」

 「おい、調子に乗るなよおたんこぎんが」

 「おい、誰がおたんこな…… ちょっと待て、お前今おたんこなすじゃなくてちゃっかりぎんがとか言わなかったか? 前もこんなことがあったな、わざとだろ! わざとなんだな!」

 

 ギャーギャー騒ぎ出すぎんがさんをシカトし、私は備品室へと足を向けた。

 

 

 

 結局レイトとぷぷるんさん、こめっとめんこさん以外全員私についてきた。

 

 「すごいですね、潜水服の裏地が炎纏猪(フラムサングリエ)の素材でできてます」

 「何よこれ、ものすごく熱いじゃない」

 「なんだか汗臭くなりそーだねー」

 

 華嘉亜天火さんやすいかくろみどさんは支給された潜水服を見て文句を述べている。 それもそのはず、炎纏猪の毛皮は発温効果があって、来ているだけでめちゃくちゃ熱くなる。

 寒い時は大活躍だが、その発温温度は最大六十度に上るため、普通の気候では火傷してしまうため着られないだろう。 まあ、着るホッカイロだと考えてくれればわかりやすい。

 

 だが、今回の相手は冷気を操る氷帝鯱だ。 低体温症や凍傷を対策するために潜水服の裏地にあえてこの素材を使っている。

 

 「とりあえず、めっちゃ熱いのでこれ着たら早めに海へダイブしてくださいね。 念の為肌と炎纏猪の毛皮の間に断熱効果がある布を噛ませてありますが、潜水服は密閉されるのでもたついてると火傷します」

 「ちょっと、これ本当に大丈夫なんだろうね?」

 

 ぴりからさんが細目を向けてくる。

 

 「大丈夫です! ……多分」

 「お嬢さん? 小声で多分って言ったよね、ボクはそういう大事なところは聞き逃さないからね?」

 「とは言ってもですよ、ここまでしても凍傷になるっていう話ですから、戦闘時間はできる限り伸ばしたいでしょう?」

 「まあ、たった三時間の戦闘で宝石ランクモンスターを仕留められるとは思っていないからねぇ」

 

 真剣な顔で潜水服を凝視するぴりからさん。 しかし、私とレイトはもしもの時に備えて予備案を用意してある。

 

 「あぶらあげさん、潜水服の性能次第では、あなたが重要な存在になります。 覚悟していてくださいね!」

 「私が、セリナ様にとって重要な存在なのですか? それはつまり……」

 「あー違います。 この戦いにおいての柱ってことです」

 「あ、そういうことなのですね!」

 

 あぶらあげさんと話す際、いちいちワード選択をするのが非常に面倒くさい。

 モジモジしているあぶらあげさんを背に、ほっと胸を撫で下ろしていると、船を探検していたこめっとめんこさんが息を切らしながら備品室にやってきた。

 

 「セリナさん、大変なんだべさ!」

 「何事ですか?」

 「ぷぷるん先輩の超音波が、封じられちゃってるみてぇで……レイトさんがセリナさんに知恵を借りてえって言ってんだべ!」

 

 超音波索敵が封じられている?

 こめっとめんこさんのあわあわした顔を見た私たちはすぐさま表情を引き締める。

 

 「すぐ行きます! 華嘉亜天火さん、水面から目を離さないようにしていてくれませんか!」

 「目視での監視は気休め程度にしかならないわよ?」

 「見ててほしいのは海流の流れです!」

 「海流の……なるほどね、任せてちょうだい」

 

 華嘉亜天火さんは納得したように頷いて甲板に向かう。

 私はすれ違うようにソナー室に駆けて行った。

 

 

 

 ☆

 「うわぁ、なんなんですかこの反応!」

 「ぷぷるんさん、詳しく説明を!」

 「ソナーに大量の反応が、こんな小さな生き物がたくさんいるなんて聞いてませんよ!」

 

 涙目でソナー室に設置されていたヘッドホンを耳につけているぷぷるんさん。 超音波索敵をしていることが氷帝鯱にバレていると考えれば、おそらく今されているのは……

 

 「気泡を大量に作って超音波索敵を妨害してるとしか考えられませんね」

 

 超音波センサーの弱点を突かれている。

 超音波は風や温度の影響を受けやすかったり、やわらかい素材や吸音性が高い物質などがあるとうまく作動しなくなる。

 

 他にも大量の気泡を作られてしまえば、音波による振動を妨害してくるだろう。 超音波センサーの仕組みとしては高周波の音波を広範囲に放ち、物質にぶつかり反射した音波の変化を察知し、周囲に何があるかを判断するものだ。

 

 つまり障害物が無数にあれば、超音波による索敵が広範囲に広げられない。

 一瞬にしてこの超音波索敵の存在に気がつき、さらにその妨害をしてくる。 氷帝鯱の知能の高さは想定よりも遥かに高い。

 

 「ぷぷるんさん! 泡はどんな感じで分布してますか!」

 「ええーっと、ちょっと待ってくださいね。 数が多すぎてなんて説明すればいいか……」

 「どこに密集してるかでいいんです! 詳しく説明しなくて結構!」

 

 慌てている私は思わず怒鳴りつけてしまう。 するとぷぷるんさんは怯えたような顔で肩を窄ませ、目の前に広げていた海図の上に丸印をつけ始める。 それをひったくった私は氷帝鯱の気持ちになって思考を回転させる。

 

 気泡が大量に発見されたのは船を囲うように四ヶ所。 この四箇所の泡の後ろに隠れているのか、それとも他の意図があるのか……

 丸の大きさは様々、一番大きい丸は南側で、北と西の丸は同程度。 東の丸は一番小さいが、小さい丸が複数あり点々としている。

 下唇を噛みながら海図を睨みつけていると、レイトがチラリと海図を覗いてくる。

 

 「見つけた♬ 東だ!♪ ぷぷるんさん、東に音波を集中させてくれ♩」

 

 空色の瞳を開きながら鋭い視線をぷぷるんさんに向けるレイト。 私は少し遅れて意味を理解する。

 

 「氷帝鯱の全長は六メーター前後!」

 「木を隠すなら森の中ってことさ!♩」

 

 東の丸は小さいものが複数あった。 つまり小さな泡の密集が複数あるという事になる、その中に氷帝鯱が紛れ込んでいたとしたら……

 

 「敵は近いよ!♪ 全員潜水服を着て!♫」

 

 レイトが大きな声で指示を出す、しかし既に我々は後手に回っている。 レイトの号令を合図にしたようなタイミングで船が大きく揺れ出した。

 

 「受付嬢さん! 東から氷帝鯱の攻撃が来てるわ!」

 「華嘉亜天火さん! すぐに応戦できますか?」

 「ちょっと厳しいわね! 今の一撃で船に大穴が空いてしまったわ! 水が入らないように応急処置をしないと全滅するわよ!」

 

 出鼻をくじかれた! 華嘉亜天火さんが船の応急処置に回され戦線に加われないとなると、身動きが取りづらい水中でなんとか応戦するしかない!

 

 しかし、急いで甲板に出て行った私が見た光景は、思いもよらない光景だった。

 

 「ちょっとぬらちょん、本当に信じっかんな! ちゃんとできるんでしょうね!」

 「無論です。 ここにくるまでにお見せしたかった新たな権能、ここでお見せしましょう!」

 

 ぺろぺろめろんさんとぬらぬらさんが潜水服を着て甲板の淵に駆けつけていた。 しかし、二人の姿は間抜けというかなんというか……

 

 「何してるんだお前たち! 今はふざけている場合では……」

 「ふざけてなどいません。 見ていてください銀河さん。 私がぺろぺろめろんさんを最強の戦士にして見せましょう!」

 

 銀河さんが眉間にシワを寄せる。 ぬらぬらさんはぺろぺろめろんさんの背中に、おぶさるように背負われていた。

 正確に表現するなら、ぺろぺろめろんさんはいつもの巨大な斧を両手で構えているため、ぬらぬらさんはぺろぺろめろんさんの首元にマフラーのように抱きついている状況。

 

 側から見ていると、ふざけているようにしか見えない。 というか、ぬらぬらさんがぺろぺろめろんさんのことを大好きすぎて、しがみついているようにしか見えない。

 

 「まあ! これが真実の愛なのですね!」

 「あぶらあげ、ふざけてないでボクたちも二人を援護するよ!」

 

 両頬を押さえてくねくねしていたあぶらあげさんの首根っこを掴み、ぴりからさんも甲板に出てくる。

 

 「行きましょう、ぺろぺろめろんさん!」

 「オッケー! 合体超人ぬらぬらめろん、出陣しちゃうよー!」

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