〜緊急クエスト・凶悪モンスターの同時出現〜
〜緊急クエスト・凶悪モンスターの同時出現〜
冒険者協会はかつてないほどの大事件を目の当たりにしていた。
現在、私たち受付嬢五人は朝のクエスト受注ラッシュの時間帯にも関わらず、会議室に集合して対策を考えている。
「発見報告が上がったのは昨日の夜中、一体目は北北西の火山エリアで地獄狼」
「もう一体は今朝方、南東の水辺エリアで氷帝鯱ですか」
「どちらも宝石ランクモンスターだね♪ これは、終焉へのカウントダウンでも始まったかな?」
私とクルルちゃんの報告を聞き、レイトは悠長にオカリナを吹きながら感想を述べている。
「一気に二体も宝石ランクモンスターが出現したとなると、早期討伐しないと被害が尋常じゃなくなるわね」
「ですが、片方は氷帝鯱です、討伐にはかなりの時間がかかるかと……」
「けれど尻込みしていたら無駄な時間を浪費するだけだわ、すぐに討伐隊を編成して対処に向かわせないと!」
キャリームちゃんとメル先輩が真剣な顔で地図を凝視しながら意見を交わらせる。 二人の言う通り早期討伐しなければ近隣の村や自然への影響が考えられ、結果的に最悪の事態が発生しかねない。
最悪な事態とは大規模な自然破壊に怒り狂った、滅階級モンスターの出現だ。 先月末の火山龍出現が記憶に新しい。
火山龍出現の際は死者は出なかったものの、大量の負傷者を出してしまっている。
「どちらにせよ受付嬢ランキング一位と二位の二人にはすぐに討伐隊を編成してもらう事になるわ、問題は王都に残る私たち三人の対応」
「討伐に向かうセリナとレイトさんのバックアップが主になるでしょうね」
「要は討伐に必要な物資、またはモンスターの素材収集。 氷帝鯱が相手なら火山エリアに生息するモンスターから保温性の高い素材や鉱石を集めないといけない」
「逆に地獄狼への対応は魔力を纏っていない道具だね♪ 人工の鉄や加工した防具等を量産しなければならない♬」
「けれどバックアップに三人も必要かしら? 私一人でも十分にできそうだけど……」
それぞれで意見を出し合っているのだが、ベストと思えるような対応策は思いつかない。
クルルちゃんの言う通り、バックアップに三人も必要ない。 火山エリアのモンスターを討伐し、岩ランク冒険者に運ばせるのはさほど大変ではないのだ。
今一番危ぶまれるのはバックアップ側がどう動くかではなく……
「皆さんが危惧しているのは私かレイトさんが、討伐に失敗してしまう可能性。 ですよね?」
私の問いかけに、皆気まずそうな顔で視線を下げた。 言及しずらかったから誰も言わなかっただろうが、最も重視すべきことだ。
どちらか一人でも討伐に失敗した時の被害は計り知れない。 再度討伐隊を編成しようにも、討伐に失敗した時点で大幅に人員が削られるだけでなく無駄な時間を浪費してしまうことになる。
そうなれば後から討伐に向かう受付嬢への負担が計り知れない。 近隣の村も間違いなく大打撃を受けるだろう。
だから私は大胆な案を提示してみることにした。
「いっそのこと、三手に別れませんか?」
私の提案に、皆同時に首を傾げた。
「つまりこう言うことです。 出現した二体の宝石ランクモンスターには少数精鋭で、受付嬢二人係で挑みます。 受付嬢二人係で指揮をとる際の利点は私が保証します。 クルルちゃんやメル先輩と一緒にクエストに行きましたが、互いの知識を補完し合うことで、より柔軟な判断を取ることができますから」
「確かに、岩石魔人討伐の時はかなり楽だった気がするわ」
「私も、九尾狐討伐の時は、セリナがいてくれて本当に心強かったです」
クルルちゃんとメル先輩とは一緒に上級モンスターを討伐しに行ったことがある。 故に私たち三人は受付嬢二人係で指揮をとる戦闘でより強力な戦線を敷けることがわかっている。
「私もお二人のおかげで自分に何が必要なのかを学ばせてもらいましたし、至らない点を補ってもらったおかげで無理だと思った相手にも全力で挑めました。 それに、私たち五人が力を合わせて指揮をした火山龍討伐戦では死者すら出さなかったんです。 二人係で出現した宝石ランクモンスターに挑めば、間違いなく迅速に討伐することができるでしょう」
私の提案を聞いた皆は納得したように大きく頷く。
方針は決まった。 後は誰が誰と討伐に向かうか、と言う話し合いになる。
「なら、私はセリナといくべきね!」
「ちょっと待ってくださいキャリームさん、こう言うのはゆっくりと話し合わないとダメです!」
「根拠ならあるわよ! セリナは今ランキング一位で、私は三位。 順位的にちょうどいいじゃない!」
キャリームちゃんが真っ先に私と共に討伐に向かいたいと志願してくれた。 これは日頃の行いが良かったから、私へのご褒美かな?
「いや、落ち着くんだキャリームさん♪ 冷静に考えれば、私がセリナといくべきなんじゃないかな?♩」
「なんでよ!」
「なんでも何もないだろう?♪ 経験年数や相性の問題だ♫ 君とセリナはこの冒険者協会でも新参者♪ ランキングは二人とも常に上位だが、それ以前に指揮系統にも大きなばらつきがある♩ 冒険者の個性を熟知した上で最適な策を練るセリナと、類まれなるカリスマ性で冒険者たちのポテンシャルを最大限に引き立てる君とでは、天使と悪魔が如く相容れないであろう♬」
「……えーっと」
キャリームちゃんがチラリと私に視線を送ってきた、おそらく通訳をお願いしている。
「つまり私とキャリームさんが組んでも相性があまり良くないと言うことですか?」
「さすがセリナ、私が言いたい事をよくわかっているじゃないか♪」
「そんな事ないわよ! 私、この前セリナと一緒に買い物行ったもの! とっても仲良くなったのよ!」
「別に仲が悪いとは一言も言っていないさ♬ 一度冷静になった方がいいよキャリームさん♩ もしかして君、この機会にセリナと一緒に討伐に行きたいだけだろう?♫」
「うぐっ」と言いながら押し黙ってしまうキャリームちゃん。 ぶっちゃけた話、私もキャリームちゃんと一緒に討伐行きたい。
けれど今回は誰と行きたいとか、遊び気分で組む相手を決めるわけにはいかないだろう。
「二人とも一回落ち着いて? セリナはどう部隊を分けるべきだと思ってるの?」
クルルちゃんの静止を聞き、口論していたレイトとキャリームちゃんが私に視線を向けてくる。
「聞いた話だと、メル先輩は冒険者たちの連携を潤滑にするのが得意で、キャリームさんはポテンシャルを引き出すのが得意。 クルルちゃんは冒険者たちを凶暴化させてゴリ押すのが得意で、レイトさんは冷静に相手の弱点を見抜く、でしたよね?」
「私をゴリラ受付嬢みたいに認識してるのはものすごく腹立たしいけど、大体はそんな感じかしら?」
クルルちゃんは青筋を浮かべながら渋々納得する。 別に悪気はなかったですけどなんかごめんなさい。
「そうなると連携が重要になりそうな地獄狼には必然的にメル先輩が適任かと。 弱点を見抜く点では氷帝鯱にレイトさんを向かわせるのが最適解でしょうね。 氷帝鯱に関しては謎が多いですから」
「そうなると、私はキャリームさんかクルルさんと組むのがベストなのかしら?」
「メル先輩の言う通りですね。 潜在能力が上がった冒険者たちの連携を完璧に指揮できれば、それは途轍もない破壊力を産みそうですから」
メル先輩の質問を聞いた瞬間、キャリームちゃんが頬を膨らまし始めてしまう。 リスみたいでかわいい。
「つまり私はセリナと一緒に氷帝鯱討伐に向かうのがベストアンサーってことになるのさ♫」
「筋は通ってますね」
レイトの主張は納得せざるを得ない。 確かに今回のようなケースでは受付嬢同士の連携が足し算ではなく掛け算になる関係性が求められる。 私とレイトに関してはその点、かなり相性が良さそうだ。 ……不本意だけど。
「まあ確かに、納得はできるわ。 でもレイトさんだって、セリナと一緒にクエストに行きたいからそれっぽい理由を考えてるだけなんじゃないの?」
「キャリームさん、往生際が悪いよ?♪」
キャリームちゃんが私と一緒にクエストに行きたがっているようで、かなり嬉しい反面少々悩ましい。 ここで自分の意思を反映して一緒に行きたいからと言う理由でキャリームちゃんとクエストに行ったとして、失敗しましたとか討伐に長時間かかってしまったとなったらみんなに顔向けできなくなってしまう。
ここは涙を飲むしかない! キャリームちゃんとクエストにいくのは後の機会にとっておこう!
「では決まりですね、私とレイトさんが氷帝鯱に。 キャリームさんとメル先輩が地獄狼に、クルルちゃんは王都に残ってバックアップですね!」
「え? 私いつの間に居残り確定してたの?」
「いやいや、クルルちゃんは脳筋だから地獄狼の黒炎を根性でどうにかしろとか言いそうですし、担当にふらすこさんがいるからバックアップの方がいいかと思って」
「私はそこまで馬鹿じゃねぇわ!」
ハリセンで思い切り叩かれてしまった。 が、モンスターの素材加工が得意な上に豊富な知識があるふらすこさんがいると言うのと、冒険者協会での経験年数が一番長いから一人でもなんとかクエストを捌けそうなことから、バックアップには適任だと言う点で納得してもらうことになった。
☆
「と言うわけでよろしく頼むよ?♪」
そんなわけでレイトと共に氷帝鯱を討伐しにいくことになったのだが、氷帝鯱に関してはデータが非常に少ない。
どういった冒険者を選抜するか、その点は私たちの判断が重要になってくる。
「早速だけど心強い味方を紹介しよう♫ こちらは金ランクの……」
「紹介は不要よ? この受付嬢さんと仕事をするのは二回目だわ」
レイトの隣に座っているのは、以前果ての荒野でお世話になった金ランク冒険者。 今回、果ての荒野から奇跡的にこちらに帰ってきたていたらしい。
「お久しぶりですね華嘉亜天火さん! 果ての荒野でのクエスト以来じゃないですか?」
「そうね、久々にこっちに戻ってきたら、えらいことになってるって話じゃない」
レイトが担当する金ランク冒険者、華嘉亜天火さん。 類い稀な魔力量と繊細な魔力操作で大量の水を操る冒険者である。
しかし、今回戦う氷帝鯱は水中に潜むモンスターのため、水属性の魔法しか使えない華嘉亜天火さんはなんとなく不利な気がするのだが……
「いいかいセリナ、今回戦う相手は水中に潜んでいる♩ そうなると冒険者たちは潜水服を着て、水中での戦いになるだろう♫ となるとどう言った問題が発生すると思う?♪」
「水圧の影響で動きが制限されますね」
「そこで華嘉亜天火さんがかなり強力なピースとなるのさ♫」
「なるほど、かなり心強いですね」
水神龍や帝王烏賊と違い、氷帝鯱は戦闘中のみ水中に陣取る。 潜水服を着ての戦闘になるため、地上とは勝手がちがう。
だが水を自在に操ることができる華嘉亜天火さんがいれば、水流を作り出して冒険者たちの動きをサポートすることができる。 これがあるのとないのとでは大きな違いになるだろう。
「とは言っても、だ♪ 基本的に遠・中距離戦闘が得意な冒険者を中心に編成することになるだろう♩ 相手の攻撃は手数が多いらしいから、接近戦が主となる冒険者では常に回避に専念させられるだろうし、華嘉亜天火さんのアドバンテージがそちらに裂かれてしまうと呼んだ意味が無い♫」
「ちなみにレイトさん、もう編成は考えてあるんですか?」
「もちろんだとも♩ 問題はセリナの方だね。 必要なのは前衛が二、三人。 中衛はその倍以上。 回復師も一人は欲しいね。 ちなみに、レミスさんは水中でも狙撃ができるかな?」
「レミスって、あのとても面白い子よね?」
「華嘉亜天火さん? そのレミスさんって私が知ってるレミスさんですか?」
「ダジャレの子でしょ?」
「あれが面白いって……華嘉亜天火さんは意外とギャグセンスが壊滅していたんですね」
突然私の頭の上に巨大な水の塊が出現する。 私は顔を青ざめさせながら華嘉亜天火さんに視線を送り、
「あの、突然私の頭上に水の塊が出現したんですけど」
「そうね、落とそうかなと思って」
清々しい笑みで答える華嘉亜天火さんに、私は必死で謝ることになった。
☆
話は戻り、レミスさんに関してだが、あの人は水中での狙撃は苦手らしい。 空気抵抗と水圧の影響は全く違うらしく、狙撃の威力や距離が半減してしまうとか。
彼女自身、水辺エリアでのクエストは非常に苦手意識があるため嫌厭している。 故に今回の討伐には呼んでもあまり力を発揮できないだろう。
水中が戦場となれば、極楽鳶さん、閻魔鴉さんたち双子の能力も半減する。 最適解は韻星巫流さんだが、こんな時に限って昨日キャザリーさんと遠征に行ってしまった。 帰ってくるまで待っている暇などない。
となると中距離攻撃が主体の冒険者たちは限られる。 前衛が多い私の担当冒険者だが、前衛と中衛で編成されてるグループは四つ。 そのうちの二つには回復師付きのグループもある。 今回は精鋭を集めると言うことなので、ランク的にも呼ぶパーティーは限定されるだろう。
私とレイトで最適だと思われる冒険者たちに声をかけ、冒険者協会外に待機させた馬車の前で集合をした。
即席で結成した少数精鋭パーティーの顔合わせである。
「おー! ひっさしぶりじゃん銀ちゃん!」
「月光熊戦以来じゃな〜い? 元気にしてた銀ちゃん?」
「銀ちゃんってな……一つ言っておくぞぺろぺろめろんにすいかくろみど。 俺はぎんがじゃなくてギャラクシーなんだ。 だから銀ちゃんじゃなくてギャラちゃんとかで譲歩しないか?」
「う〜ん、そーゆーことならギャラりんで」
「……あだ名適当すぎだし」
名前の呼び方に対しての抗議をしている銀ランク冒険者、銀河さんと、月光熊討伐戦で一緒になったことがあるぺろぺろめろんさんたちが久々の再会を喜んでいる。
「なん、だと? ぎんがさんが他の女と話しているだけでなく、自分の呼び名を妥協している! あの女ども、許すまじ!」
「え? 何あの子、ギャラりんの彼女?」
「変なこと言うなぷぷるん。 誤解を招いてしまうじゃないか。 安心しろぺろぺろめろん、こいつは彼女ずらしているだけの面倒な女だ」
「はい? 別に彼女だろうと違かろうと、残念に思ったりしないが?」
「ギャラりんもしかして自意識過剰なの〜? ぺろりんには心に決めた相手がいるから諦めな〜」
「……おいセリナさん、どうにかしてくれ。 こいつらと話してると疲れるんだが?」
ぺろぺろめろんさんに親の仇のような視線を送っていたのはぷぷるんさん。 火山龍討伐戦で初めてお会いした超優秀な銀ランク冒険者である。
自意識過剰な銀河さんは、ぺろぺろめろんさんたちにからかわれて私に助けを求めていたのだが、面倒なので放置。
「セリナちゃん! 久しぶりだっぺ! 元気にしてたべか?」
「こめっとめんこさんじゃないですか! 久しぶりです! 最近忙しすぎて元気かと聞かれると、少し答えづらいですね〜」
「いやぁっ、どぉーも!」
なぜお礼を言われた?
親父のようななまりでかなり声量がでかいこめっとめんこさん。 第五世代で活躍する一握りのうちの一人で、現在は銅ランクだ。
「セリナ? 言っておくが、この子は銅ランクとは思えないほどの破壊力を持った冒険者だ、だからランクのことは気にしなくていい♫ 私が保証しよう、彼女は私が精鋭として選ぶほどに素晴らしい才能を持っている♩」
「そんなそんな、過大評価しすぎだべぇ! まあ、うちは皆さんの足引っ張らないように頑張っから、多めに見てくれっと助かっぺ」
私の心配を察したのだろうか、レイトがすかさずこめっとめんこさんのランクについて言及してくれた。 本人は過大評価だと言っているが、レイトが勧めるのならば心配はないだろう。
それよりも気になるのは、初めて会う冒険者がいることだ。
「おや? もしかしてブランシェかい?」
「もしかしてピリカ先輩でしょうか? それに、ジュランヌ先輩も!」
「お久しぶりですブランシェさん。 ですが我々はすでに育成学校を卒業した身、仕事中は本名ではなくニックネームで呼び合いませんか?」
「失礼しました御二方。 私は今、あぶらあげと呼ばれております」
あぶらあげ、と名乗った冒険者と仲良さそうに話していたのはぴりからさん(本名はピリカ)とぬらぬらさん(本名はジュランヌ)。 どうやらこの二人は面識があったようだ。 本名で呼び合っているところをかんがみるに、冒険者になる前に知り合っていたのだろう。
二人も自らのニックネームを紹介すると、ぴりからさんが気を利かせて私に視線を向けてくれた。
「お嬢さん、紹介しよう。 この子はあぶらあげと言う第四世代冒険者。 ボクとぬらぬらの後輩に当たる子だ。 あまり目立った実力はなかったはずだが、ここに呼ばれていると言うことは、君も随分と強くなったと言うことだね?」
「はい、レイトさんに声をお掛けいただいたおかげで、今では銀ランクまで昇格することができました」
「銀ランク? あの不器用だった君がかい?」
ぴりからさんが目を見開いてあぶらあげさんを凝視する。 それにしても、あぶらあげってネーミング。 この子の見た目とは全くもって釣り合わないほど間抜けなネーミングだ。 さすが第四世代。
薔薇色の長い髪を低い位置で二つに括り、アラビアンテイストで所々肌を露出させた衣装。 まるで砂漠に咲く一輪の花のような絶世の美女だ。
凝った装飾の防具や着ている衣装のテイストから、踊りが得意そうにも見える。 背中に背負っている二本のチャクラムもかなり目を引く。
チャクラム、珍しい武器だが形状としては円盤型に加工した金属の外側に刃がついたような形で、この子が背負っているチャクラムは大きさ的にフラフープと同じくらいの大きさだ。 本来なら投擲武器として使われるチャクラムは手のひらサイズが一般的。
あぶらあげさんの見た目的に見ているだけでワクワクする、どんな戦いをするのかが楽しみだ。
「さて、メンバーが集まって早々悪いが、詳しい説明は馬車で移動しながら済ませよう♪ それぞれ冒険者の戦闘スタイルや連携の詳細も入念に打ち合わせが必要になるだろうからね、移動中に襲ってきたモンスターを撃退しながら互いの理解を深めていこうじゃないか♪」
レイトに促され、それぞれの冒険者が馬車に乗車していく。
今回集まったのは十名の冒険者。
銅ランク、こめっとめんこさん
銀ランク、銀河さん、ぷぷるんさん、あぶらあげさん、ぺろぺろめろんさん、すいかくろみどさん、べりっちょべりーさん、ぴりからさん、ぬらぬらさん
金ランク、華嘉亜天火さん
見てわかる通りほぼ銀ランクで固められた豪華なメンバー。 それに今回は中距離戦専門の冒険者が非常に多い。
接近戦を得意とするのはぺろぺろめろんさん、ぬらぬらさん、あぶらあげさんの三人だけだという。
これからどういった戦いが繰り広げられるのか、レイトと共に初めてのクエストに向かうべく、私は少しワクワクした気持ちで馬車に揺られるのだった。




