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オッサンの異世界妄想奮闘記  作者: トム
第3章 深謀短慮、豈図らんや。
98/266

閑話 神様たちの憂鬱

短いお話です



「うぅむ…このスキルにも()()が使われておるな…」


「お~~いエギっちゃぁ~ん!」


「お! コレは…うむむ、上位魔術の()()()()…かぁ」


「え~ぎ~る~~~!」


「コレは闇魔術か…お、コレはだいじょうぶそう──」

「エギル! おい!!」

「うわぁぁあ!? な、なんだ?! マリネラ、急に耳元で騒ぐな」


「…何言ってんのよ。こっちはずぅぅっと呼んでたんだっちゅうの」


 マリネラはそう言ってぷんすかとほっぺを膨らませる。


「そ、そうだったのか。すまんな、ノートのスキル編纂がチョッとな」

「あぁ確かに彼のスキル、ヤバいの多いよねぇ。あれでよく、悪用を思いつかないなぁ。お人好しなのかマヌケなのか、分かんない子だ」


 コイツはヤバい事を言うんじゃねぇ! と思いながら、あえて指摘はしない。


 同じことを自分自身も思っていたからだ。特にステルスはヤバイ、何しろ我ら神すら存在が()()()()()()()なるのだから。


「それで、我に何用だ?」

「へ? あ、そうそう、イリス様が呼んでるよ。何か相談事があるみたい」


 管理者がわざわざ相談? 一体何事だ? そう思ってすぐ向かうと伝える。

「はぁい。お願いねぇ」


 軽い返事でマリネラは別の所へ消えて行く。


「ふぅ。これでは全く進まんな。あ奴も普通の魔術は作れんのか」



 溜息一つ零してから、イリス様の元へとエギルは向かう。



◇  ◇  ◇  



「おい! エリオス! テメエまた俺んとこの御神酒飲んだだろ!」

「ガハハハハ! あの酒は美味かったぞ! またもらったら教えてくれ!」

「バカか! 何でテメエに飲ませなきゃいけねえんだよ! 二度とやるか! この筋肉だるまが!」


「何をぬかすかこの酒樽親父が! もう少しお前は体型を考えろ!」


「何をぉ!」

「何じゃぁ?!」

 ”ドカン” ”ボカン” ”バキィ” ”このっ!” ”なんとぉ!”


「あ~あぁ、あ奴らまたぼかすかやりおってからに…」

「グッちゃん、今日は何で()()()()()()るの」

「んあ? あぁ、何やらお供えの御神酒を飲んだとか飲まれたで始まった」

「あはははは! 相変わらずの脳筋バカコンビだねぇ」


「ふぅ。結局後で、回復させられる儂の身にもなってほしいもんじゃ」

「甘やかしちゃだめだよ。放っておけばいいんだよ」

「ううむ。しかしのう…それはそれで可哀想じゃろう」

「…もう、そんなだからあのバカコンビは、止めないんだよ。いいから今回は回復は無し。ね。それにイリス様が呼んでるから行こ!」


「え?! あ、おい、ちょ、ちょっと引き摺らないでくれんかのぉぉぉお!」



◇  ◇  ◇



「管理者イリスよ、相談事とは何事だ?」

「イリス様ぁ! グスノフ爺も連れて来たヨ!」


「…大丈夫ですかグスノフ。引き摺られているようですが」

「はぁはぁ…ヒィヒィ…待ってと言ったんですが聞き入れて貰えず…はぁふぅ」


「ありゃ、ゴメンね!!」


「残りの二人は?」

「ああ、あれはダメでした。ぼかすかやってたので、捨て置きました」


「…仕方のない二柱ですね。…まぁ良いでしょう。実は相談が有って集まって──」



 ある日ある時ある場面での神達のひと時…永遠に続く彼らの悩みは何時までも…その失われない寿命と共に……。



 ──…輪廻の理の外側で、茶番と言う名の喜劇は続く。






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