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オッサンの異世界妄想奮闘記  作者: トム
第3章 深謀短慮、豈図らんや。
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第22話 眷属②



「…これがノートさんのスキル……」

「こ、固有が三つもある」


 ──あぁ、マジで見えてるんだ…。


《マスター。それこそ神に連絡して聞けば、良いのではないですか?》

「あ! そうか。シス、チャンネル開いて」


《どの神に繋ぎますか?》

「え、選べるの?…じゃぁステータスの事が分かる神って誰?」

《スキルボード自体はイリス様の管轄ですが、ここは、人の神であるマリネラ様が適任と思います》


「そうなんだ、じゃあそれでお願い」

《はい、少々お待ちください。……繋がりました。音声チャットに切り替えます、…このままお話しください》

『え? これでもう繋がってるの? お~いノート君、聞こえてる~?』

「はい、よく聞こえてます」

『うはぁ。マジだ、スゲェ…それで、どうしたの?』

「はい、あのですね──」


 俺は、諸々変わってしまったスキルボードの事を説明した。話している間もキャロ達はボードを眺め、セリスさんは面倒になったのか自分に関係ないと悟ると、ソファに寝っ転がっていた。


『なるほど~。キャロちゃんとシェリーちゃんが、眷属化しちゃったんだ~。やるなぁ、キャッキャウフフ出来たって事じゃん! このスケベ野郎!』

「え!? それってそうゆう事したら、なっちゃうって事ですか?」


『アハハハ! なら君は浮気するのが、難しくなっちゃうねぇ』


 瞬間キャロとシェリーが、こちらに飛んできた。


「「なになになになになになんですか!?」」

『アハハハハハ! 愛されてるねぇ。浮気はダメだよノート君』


 ギロリと音が聞こえるような感じで、四つの目がこちらを睨む。


「な、なんちゅう事を言うんですか! してませんし! しませんよ! だ、大体二人とも何時も一緒に居るじゃんか!」


『こらこら、怒っちゃダメだよん。キャロちゃんも、シェリーちゃんも本気でそんなこと考えてないから。そんな上辺だけなら、眷属化しないし』

「もう! じゃあ何なんですか、その眷属化ってのは」


『ンンッ。はい、ちゃんと説明するね。それは彼女達と君が心から結ばれている証なの。この間教会でのこと覚えてる? こっちに来て彼女たちに支えられた事』


「…あぁ、はい勿論覚えてます」


『あの時、二人は心からノート君を支える事を想い、君はそんな二人を受け入れた。だから、肉体と魂魄(こんぱく)その全てで繋がったの。そうして君と彼女たちは共有事項が増えたって事なの。…つまり』


「つまり?」


『貴方の持つ能力や情報なんかを二人に貸したり、与えたりできるようになったの』

「ふぁ?」

『ただ、肉体やその魂魄、両方がノート君が上位だった為に眷属として

登録されたって事になるわ』

「え? じゃあ、俺のスキルが使えるって事ですか?」

『固有や、システム関連の勇者特有のモノ以外ならね』

「…そうなんだ。え、でも魔力が多く消費される術は?」

『それは大丈夫よ。君の魔力が()()()()()から』

「はぁ~~。そうなんだぁ」

『そうなんだよ~。納得できた~?』

「何となくですけどね~」


『アハハ。まぁいいよん。ただね、ノート君のスキルについては、特殊な物が多いから、通常のスキルやユニークについては、まだ更新されてないんだよ』


「え、どうゆう事ですか?」


『…君、()()()()()でポンポン超理論的なトンデモスキル、創造してるじゃない。エギルが検討してるけど現地人に再現できない()()は君の固有になっちゃうんだよ』


「…はぁ。」


『その摺合せ中だからまだまだそのボード、変わって行くから偶に確認してみてね』


「了解です…」


『うん、あ、セリスちゃん! 次元魔術はイリス様がダメだって。その代わりにエギルが加護を渡してあげるから、ノート君と一緒に、現地人として再現可能な魔術を開発して欲しいんだって。良かったね』


『姉様ぁぁああ!!』

『ありゃ、セレスちゃんに替わってるじゃん』

『私だって姉様とお話ししたいです!』




 セレスがそう言ってマリネラ様と話をしている間に、俺は二人とボードを見直す。


「ふぅ、キャロや、シェリーのステータスは何か変わってる?」


 俺がそう言うと、二人は自分のステータスを確認した。





   キャロル           シェリー


  ~~スキル~~        ~~スキル~~

ベーススキル         ベーススキル

 身体強化 魔力補正(特)   身体強化 魔力補正(特)

ユニークスキル        ユニークスキル

 獣術 神速        魔術適性(水、土(補正火、風、光))       

固有スキル          固有スキル

 獣王化 ノートの眷属      獣神化 ノートの眷属


  ~~加護~~          ~~加護~~

  エリオス神            エギル神

  マリネラ神           マリネラ神





 二人のそれぞれのステータスボードが、俺の目の前で並んだ。


「「「ファ──?!」」」


「「加護が増えてる!!」」

「二人のスキルが見える!」


「「「…え?」」」


『アハハハハ! そりゃそうだよ。眷属だもん、ノート君のが二人に見える様に()()当然だよ』


「い、いえ、私達はそうじゃなくて!」

「か、加護です! こんなの無かったのに」


『あぁ、そっち? それはノート君の大切な仲間だからね。キャロルちゃんは武の神エリオスが、シェリーちゃんは魔の神エギルがそれぞれ、能力補正の為に付いたんだよ。私は勿論愛の地母神だからね』


 そんな話を聞いて、二人は恐縮しっぱなしだった。加護は余程神の寵愛を受けないと貰えない。貰っても普通は一つらしい。


 そこでふと思いついた。セレス・フィリア様は精霊の王で、原種。神と同等の存在。なのに何でセリスに加護を?


「ねぇ、セレス・フィリア様。セリスに加護って必要なの?」


『ん? どうゆう意味なのだ?』

「いや、だってほらセレス・フィリア様は神様と同等の存在なんだから、

セリスは何でも出来るんじゃないの」


『いや、あくまでもこの()()()()だ。エルダーエルフにとって年齢はあまり意味は無いが、それでも人の理は逸脱しない。肉体を失くし、魂魄になって初めて精霊化するのだ』


「へぇ…え!? 今、精霊化って言った?! じゃあ、今世界に居る精霊って、元はエルダーエルフなの?!」


()()()()()()がな。それにエルダーエルフが精霊化する時は、全ての記憶が消去される。自然の力と()()()するからな』


「はぁ~~。そうだったんだぁ。なんか凄い事を聞いた気分だよ」

『…セレスちゃん!! それは言っちゃダメな奴!!』

『ふぇ? そうでしたっけ?』

『あぁ! もう! 世界の裏側ネタバレしてどうすんの! 三人とも! 他言無用厳守!』

「「「は~い」」」


「でも、今更感も半端ないよマリネラ様…」

《マリネラ様、今の事はアカシックに既に()()()()条項です》

『うひゃあ! シスちゃんまで!!』


 そうして、皆で色々話をしながら夜は更けて行った。


「じゃあ、明日は俺シスのボディとか作るんで部屋に籠るよ」

「私は、魔導書を読んでいるわ」

「儂は、ノートの見学を──」

「セリスさんは私と、旅の用意で買い物です!」

「…メンドクサイのぉ」


 明日の打合せをして、各自解散となった。


 自分の部屋に入り、ベッドに腰掛ける。……あぁ、両隣から良いニホイ…。フニフニ、むにゅん。


「あ、あの、寝ないの?」

「「…嫌なの?」」


「嫌じゃないです! イヤッホイ!!」




 ──…そして、朝までコースに突入した。






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