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オッサンの異世界妄想奮闘記  作者: トム
第3章 深謀短慮、豈図らんや。
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第13話 俺達の冒険は、これからだ!

打ち切りじゃないです!



《…宜しいのですか?マスター》


 右肩に戻って来たシスが、ぼそりと俺に呟く。

「ん? あぁ、今はこれでいい。すぐにどうこうする気はないよ」


《…そうですか》


 実際、これ以上彼らを責める気にはなれない。

 

 ──…よくよく今考えてみれば、色々辻褄が合う事もあるしな。この訳分からん程の()()()や身体…年齢も。…人生やり直すには十分だ。お詫びの意味が込められてるんだろうな…。



 ──イリス様…ずっと苦しんで居たんだろうなぁ。


 神様なのに、たった一人の人間(おれ)の為に…。


 マリネラ様や、他のみんなも…世界の為に、犠牲になって。


 はは、それは俺もか…まぁ今は良いさ。


 地球でのことは気にかかるけど、全部もう過去の事だ。


 そう…既に()()()()()()()だ。それよりもこれからが大事。


 テンプレならば、()()()()()()()()()()()()! だしな。まさにこれからだよな。まだ領都にすら着いてないんだから。



「フフ、ノートさん、やっと笑ってます」

 不意に、キャロルが隣でそんな事を言う。気づけば、俺は笑っていた。


「あぁ。だってさ、まだ始まったばっかりじゃん。人生が終わったわけでも、旅の終着点に着いたわけでもない。これからだなって思ってさ」


「…そうね。まだ、一つ目の村に、移動しただけだものね」


 シェリーが、現実を言う。


「じゃな。モンスターの件もあるし、やる事は山盛りじゃ」


 セリスは早くも、狩りモード。


《これからは、私もサポートに入りますので、盤石です》

「「「……怖いです!」」」


 シスに皆で突っ込みを入れて、何故ですか? と冷静にキレられている時、離れた場所に神達は集まり、それを眺めていた。



「…結局は、あ奴の性根に救われた…のじゃな」

「そうだなもうあれは、()()でも()()でもない、()()()なのだろう」

「…フム。我等も、改めていかねばな」

「…ノート君…」

「マリネラ姉様…」


「…貴方は、()()()()()()()()。…救われているのはいつも私…いつか、全てを話せたら…その時こそは、私を()()()下さい…」


「…管理者イリスよ。其方もいつか、報われなければな…」




《…全てはマスターの幸福の為。私はそのための存在ですから》


「ん? 何か言ったかシス?」

《いいえ。それよりも、所用を済ませましょう》

「え、あ、あぁそうだな。お~い、皆さん!」


 全員で合流して円卓を再度作ってもらって、皆で話し合いをすることになった。


 当初の問題であったシスの事や俺の記憶の事などが、片付いてしまったので、本題はこれからの俺自身の動向や、シスの事に話しは移っていった。


「では、シスはそのゴーレムに()()()()という事になるのか?」

《現状ではそうなります。既にマスターとの()()()は、確立されていますので、

常時モニターは可能です。》

「…え? おい、常時は困る! プライベートは必要だ!!」


 そうだ! そんな事されたらキャロやシェリーとイチャイチャ出来ないじゃんか! そればっかりは、絶対嫌だ! 断固反対する!!


《…マスター、何か勘違いされてませんか? 私は、マスター自身でもあるのですが。ですのでマスターとのリンクが確立した今、全ての情報は私と()()されています》


「ファ?! じゃ、じゃぁ、俺が今考えていた事も?」


≪これは()()だ。勿論全て共有しているさ。でも心配は無用だぞ、性別を決めたのも俺だしな。人格が()()()のを懸念した結果だよ、元は同じ俺なんだ。気にするな≫


 突然、シスが()()()で喋り始める。


 …お、俺なのか? マジで…じゃあ、イチャイチャの事とかごにょごにょの事も…。


≪勿論お前と、同じ気持ちだ。モフモフは正義!!≫

「イエス!! モフモフパラダイス! イエア!!」


「なんじゃ!? おい、アレは何じゃ?」

「…さぁ? キャロル…なにかわか…あぁ、何となく想像ついた」

 セレスとセリスが、何やら言ってるが、この際無視だ。


「…おい、ノート。一人で話されると分からん」

「へぁ? あぁ…いや、ゲフンゲフン…まぁその、コレは良いんです」

「…フム、まぁ別に構わんが。それで、結局どう運用していくのだ?」

「あぁ、先ずはメールとチャット機能はシスに統合するよ。そうすれば、俺に何かあっても、連絡が取れるからね。あと──」



 そう言う感じで、シスの使い方や旅を続けることなどを話していった。



「…じゃぁ、やっぱりこっちでは地上の動きってのは、監視していないと…」

「…出来ない。と言う方が正確だな。我等神は基本的に地上の民の手助けをしない。それは、全てが等しく神の愛し子だからだ。故に天災でも起こらぬ限り、干渉しないのだ。」


 まぁ確かに、神が細かい事に干渉していたら、発展もないし差別の助長にもなるか。


 俺みたいな、イレギュラーは別だろうし、精霊王が、地上には居るしな。()()でも、王は王だろうし…今の世界は、文化も文明もまだ未熟。

 

 まぁ、やれることは何でもやって行くとしますか。…元ブラック企業のサラリーマンの底力、舐めんなよっと。


「…じゃぁ、これで大体決まったな。そろそろ戻ろうか」

「「「はい」」」

「え~、儂はもうちょっと居たいのう」

「ブゥ…姉様~セレス寂しいですぅ」


 それを聞いたマリネラは苦笑し、グスノフは頬を赤らめる。

「こら、わがまま言わない。それとグスノフ! 俺のイメージが崩壊するから赤くなるな!」


「む、い、いや、コレは違うんじゃよ!? あの、その、な?」

「なに、支離滅裂になってんだよ」

「ヌハハハハ! 良いではないか、老いらくの恋。うむ、よいよい」

「…何を言っとるんじゃ? この筋肉団子は? 儂はちょっと、身体を切り開いて中身を──」

「解剖すな!! このおバカ!」


 そこでセリスが本音を漏らす。


「…儂は、貝になりたい…」


 あ~あ…落ち込んじゃった。

「ま、まぁ、グスノフの事はこちらで何とかします。エギル皆を元の場所に」

「あ、あぁ、分かった。ではノート、また何かあればいつでも連絡を」

「了解。ぼちぼち頑張るよ。イリス様、マリネラ様も、また会いましょう」



◇  ◇  ◇



 ふと目を開けるとそこは、暗い礼拝堂の中だった。


「あ、戻った」

「良かったです」

「くぅうう! もう少しじゃった…あれ?」


 三人も、無事戻ったようだ。…あ、セレスは?


「セレス様は? 神器の中?」

「…どうやら、その様じゃな」


 ふう。向こうでの時間経過が無いから、ちょっと変な感じがするな。あ、そう言えばシスはどこだ?


≪現在不可視化状態で待機中です≫


 そっか、戻ったらボディの素材決めないとな…。皆で、エリーに声を掛け、教会を後にした。




「本当に祈りだけでしたね…では報告書に、敬虔な方と付け足しておきましょうね」

 俺達が出て行ったドアを見ながら、エリーは一人笑顔で告げていた。



◇  ◇  ◇



 宿で食事をとり、全員で部屋に集まる。


「…結局、石の事やモンスター達の事、分かりませんでしたね」

「まぁ、そこはしょうがないな。神は誰の味方でもないんだから」


「…フム、石の存在など神は知っているじゃろう。外法では有るが、()()を潰さねばならん。そこに手出しが出来んのじゃろう。それを考えれば、おのずと答えは()()()来る」

「…どういう意味だ?」

「…やはり、ハマナス、ですか?」


 さっき、食堂で話していた事か…ハマナス商業連邦の介入。闇ギルドの暗躍、陰謀論に聞こえなくもないが、逆に考えればしっくりも来る。でもそうだとすれば、教皇国はどこまで裏で繋がってるんだ?


「あくまで仲介…()()()()()。お代はそこから見える情報…ってところかの」

「…全ての国の出先機関、情報の()()()…はぁ~腐った()()()は何処までも腐るねぇ」


「「「ミカンってなに?」」」

 おうふ!…説明には時間がかかりました。


「酸味のある甘い果物…いつか食べてみたいです」

「そうね。そういうのを探して巡る旅ってのもいいかもね」

「おお! それ、賛成じゃ! ノート! 儂も一緒にその旅、行きたい」

「分かった分かった!そうだな、色々ごちゃごちゃが終わったら、()()()を探して世界を巡るってのは定番だしな。考えておくよ」


 結局、モンスターの事や間諜なんかの話は途中から、食い物の話しに代わり、夜は更けて行った。




≪ピピ…宿周辺に敵影感知無し≫






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