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オッサンの異世界妄想奮闘記  作者: トム
第2章 王都への道は遠く
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第15話 初夜



 メールに気づき、礼拝堂で祈りを捧げた途端に、精神だけを神界に引き揚げられた。転生してから色々あって、ドタバタしては居たけれど、何かあったのか?


「どうして、呼ばれたんですか?」


 神様連合勢ぞろいする中、イリス様だけが微妙な面持ちだった。


「あ、あのイリス様? どうかしましたか?」


 声を掛けて見ると、初めて俺の存在に気付いたように、顔を向ける。


「え? あ! い、いえ。特に何もありません。今回お呼びしたのは、エギルと、エリオスが、精神面のアップデートと、肉体の整合性を、確認したいとの申し出が有りました。後は直接感想をと、思いまして…」


「そうだよ~ん。お姉さんは、ちょっと怒ってるんだからね」


 マリネラ様が、割り込むように、入ってくる。


「え? 何の事です?」

「サポートするからいつでも連絡してね。って言ってたのに、全く連絡してこないんだもん」


「は? もしかして、連絡しなかったからって事?」


 ぷ〇きゅあ顔で、ほっぺをぷくっと膨らませて、上目遣いで睨んでくる。やべぇ、何じゃこの()()()()()()()()神様は! ヤバイ! 庇護欲がガガガ!


「あぁぁぁあ! ごめんね! ()()()()が悪かったぁ!」ガバァ!


”バチィッ!” ”みぎゃ!”


「アハハハハ! 相変わらず、()()()()()ねぇ君は」


「いてて。いやいや反則でしょぅ、あの顔は。()()()()()()()()ですからね」


「えへへ。じゃぁ、これからは、こっちで、降臨しようかな」


 やべえ! 地母神が幼女で、降臨! 見たい!


「…マリネラ、駄目ですよ」


 あ、イリス様のダメが出ちゃった。はぁ~。にしてもマジ綺麗だなぁ。


「ノートよ。それで、どうなのだ? 魔術や、創造で何か不都合は出たか?」


 エギルが、次いで声を掛けて来る。


「え? え~、特にこれと言っては…と言うか、何でも出来過ぎて、悩む? 感じかな」


「フムフム…制約があった方が、良いのか?」

「ん~そうじゃないんだけど、一々、やり過ぎだって言われるのが面倒」

「…成る程、やはり()()が問題か…」

「あぁ、そこかもね。やっぱり文明が()()()()()、俺の常識が通じない」

「フム。一考の余地ありだな」


 そう言って、エギルは黙考を始める。


「さてノート。今、お前の肉体は此処に無い。だが、各種サーチは掛けられるので、この架台に横になれ」


 そう言ってエリオスが、俺を寝台の様な物に乗せる。


「良し。今から各サーチとメンテ、(ついで)にアップデートも行う。記憶は()()()が問題ない。気付くのは下界になるだろう。何かまだ聞きたいことはあるか?」


「…聞きたいと言うより、お礼かな。皆さん本当にありがとうございます。地球で生きた人生よりも、何倍も濃い経験が出来ています。まだまだ、これからあると思うから、今まで以上に頑張ります」


 皆が頷いてくれたので、安心して横になる。


「では、始める…**** **** **@*ーー」


 文言の途中で、俺の意識は途切れて行った。


「意識の中断を確認……イリス様、やはりこ奴は魂魄を()()させています」


「…やはりそうですか。()()()()による、増加効果…それで、この者の魂魄は?」

「…()()()されております。恐らくは()()()()の弊害かと」


「…まさか、そちらに特異点の()()を?」


「いえ、スキルにその様な()()は見えません。内包したままだと考えるのが妥当でしょう。並列思考もまだ、()()()されていません」


「…そう。では現状、()()()に手は出せないのですね」


「はい。起きた()()ですので、既に()()()います。あちらは、あちらで()()しています」


「分かりました。エギル、彼のスキルに()()をかける事は出来ますか」


「可能です。ただこれは初めての事ですし、彼の()()は我等を凌駕(りょうが)しているのも事実。都度の()()()()()かと」


「…ですか。お願いします。事象増加など、我等神の領域。人の身で成せば、()()してしまう。彼にはそうなって()()()()()()()()


「…解りました。マリネラ、セレス・フィリアにこの件、()()()おいてくれるか」


「はい。()()


「…では、この者の魂魄、元の場所へ──」



********************************



 ふと、意識が覚醒する。礼拝堂で跪いた状態。

(戻ってこれたんだ。良かった)


 顔をあげ、振り返ると微笑んだシスターが居た。


「いかがでした?」

「はい、精一杯のお礼と日々の感謝を」

「そうですか。また何時でもどうぞ。此処は誰にでも開かれていますので」


 そう言って、二人で来た道を戻っていった。


「アマンダさん、皆も! また、会いましょう!」

「おう! 今日はありがとうな。」

「いえ、教会でちゃんとお祈りも出来たし、こっちが助かりました」

「はは。そうかい。そりゃ良かったよ。ちび共もあいさつ!」


「「ノートお兄ちゃんまたねぇ!」」

「はぁい! カサンドラさん達もまた!」

「はい。その時はよろしくお願いします。」


 そうして、俺は一人教会を離れて行った。


「…ノート君…また、必ずや、お会いしましょう…フフフ」


 後ろ姿に掛けられた声は、俺に届くことは無かった。



********************************



「それで、教会に?」

「うん。いやぁ、カサンドラさんには、びっくりしたけど、孤児院としては、良い所だった」

「そう言えば、カサンドラ、あの孤児院に行ったんだったわね」

「お主は、()()()()()からのぅ、()()な事はしておらんじゃろうな?」

「してねぇよ。てかあそこのちび共は、()()()()()()た。カサンドラさんの濃さに負けた」

「カサンドラさん、確かに色々強烈ですからね。」

 

「そっちはどうだったの? セリスさんの引き渡しとかは?」

「…ん? 儂か? 問題なかったぞ、長い間世話になったからの。家主も涙を流して居ったよ」

「へぇ、仲良かったんだね」

「「……セリスさん…」」


 キャロとシェリーが、微妙な返事をする。


「ん? 何か知ってるの?」

「…はぁ、実は引き渡しの後、その大家が総合ギルドに泣きついたそうで」

「え? なんで?」

「…どうやら、部屋の幾つかが、()()()していた様でウチに調()()()()が」

「何やってんだよ!」

「あーあーあー! 聞こえな~い! あーあー!!」


 結局、最後の最後まで、セリスはお騒がせエルフだった。


*******************


 自室に戻って、一息…付きたかった。

「あ、あの二人の部屋は?」

「え? あぁ。荷物は向かいの部屋にありますよ」

「ベッドはここに()()()けどね」


 俺の部屋にあった小机が無くなり、代わりにぴったりくっついたベッドが3つ並んでいた。


「へ、へぇ…で、でもこれじゃ、狭くない?」

「じゃぁ、部屋を替えてもらう? 今夜は()()でしょうけど」

「しぇ、シェリーはどんな時でも()()()です」

「私も()()()よ、ノートさん」わっさわっさ。

「うん。そうだね、キャロはいっつも()()()です」


 真ん中のベッドに、強制的に座らされると左右に二人が詰めて座る。


 もちろん、隙間なんてない。片方の尾は常に揺れ、もう一方は腕に絡んでくる。


 …うん。これはあれだね、そうですね。いわゆる一つの初夜ってやつですね。そう考えると頭の中は、まっピンクに染まる。


 ちらりと覗いた二人の瞳。キャロルの瞳は潤んでいて、頬は薄っすら上気している。


 シェリーは、笑みを絶やさずに、唇がなぜか濡れている。


「…あ、あのね、二人に初めに言っておくことがあるんですけど」

「なぁに?」

「なんですか?」


 同時に耳元で囁かれる…あかん! こ、こりぇは、理性が吹き飛ぶ!


「は、初めてなので! よろしきゅ、おねがいしましゅ!!」

「ウフフフ。可愛いですノートさん」

「じゃぁ、()()()()()()()にね」


 シェリーが俺に身体を寄せる、胸を押し付けながら。


 キャロルは、首筋に手を添えて、唇を寄せて来る。


「…んっ…チュッ…はぁ、ノートさん大好きです」


 上気し、潤んだ瞳でこちらを見ながら、甘ったるい声で、キャロルが囁き、キスを続ける。


「ンンッ…はぁ、キャロ…」


「あら、キャロルだけなの?」


 シェリーがそう言い、俺の胸辺りをさわさわする。


 …ビクビクビク!! ヤバァイ! それだめ! だ・め・ぁぁぁあ!


「シェ…リ…それ、は、やば…い」

「ん? クスクス…なにが?」

 さわさわ()()


「ンひゃあ! さきっちょ!」


「ああん! もう、ノートさぁん!」

「ウフフ! ノート君」


 そうして、初めての夜は、主導権握られっぱなしで更けて行った…。







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