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オッサンの異世界妄想奮闘記  作者: トム
第1章 落っこちて異世界
41/266

閑話

短いです



「のぉ、あ奴、性格変わって来ておらんか?」

「…まさか、いきなり()()に触れてしまうとは…」


 ノードとグスノフの二人は心配そうに彼を見つめる。


「ノート君…」

「フム、無意識下で、スキルを()()()して使っているが、心理負荷が効いておるな」


 マリネラは悲し気に、エギルは現実的に。


「フッ…やはり、身体的にもっと、つよく──」


 ”ボカン!” ”キュー!”

 エリオスは場外に。


 イリスは黙ってノートを見詰める。


 その顔には()()とも、()()とも言えぬ、唯、愛し子を(うれ)い、言えぬ想いを込めて。


『…ざざ、…マリネラ姉様ぁ!』


 それはセレス・フィリアからの祈り、と言うか愚痴? の様な魂の叫びだった。


「…どうしたの? セレスちゃん」

『どうしたじゃないですぅ! 何なんですか? あれ! 精霊が怯えて、泣いて報告してきましたよ! 人一人を、一撃で殴り潰したって! 潰すって何? そんな表現聞いた事ない!』


「あ、あぁそれね、うんうん。どうやら彼、逃げる賊を見つけたの。()()()と戦闘になったんだけどぉ、グーパン一撃で()()()()て」


『…は?! 姉様、何言ってんの? 頭パーンて? パーンてなに?』

「そのままの意味。殴って()()させちゃった」


『………ねぇ。怖いんですけど! そんな人怖いです!』

「大丈夫! スキルがちょ~っと強く掛かっただけだから。それに、彼自身もその事でかなり動揺しちゃって後悔してる。今、悲しんでるの、彼自身」


『…え? 見てるんですか?』

「…うん。…ねぇ、セレスちゃん、私達は()()に地上に()()できない。だからお願い、彼を守って」

『え? 最強に強い奴をどうやって?』


「もう、確かに身体やスキルは強いかもだけど、中身は違うの! ホントにホントに優しい、いい子なの! だから、心と体にギャップが出来てしまう。お願い、彼の心が擦り切れてしまったら、それこそ取り返しがつかなくなる。セレスちゃん。彼に心の安寧を。これは、地母神としてのお願い。ね」


『…神託じゃないんですね。』

「そんな事はしない…彼には()()()()()()()()()()()だから」


『はぁ~~~~~~。…分かりました。考えます。その代わり! 愚痴は聴いてくださいね! お~い! エールじゃんじゃん持ってき…ブツッ』


 ──そう言って、通信は切れた。


「セレスには苦労掛けてしまいますね…」

「イリス様…」


「…いずれ、彼自身で、()()()でしょう。でも()()()()…その時私は…」

「その時は私も! 私も一緒に居ますから」

「マリネラ…ありがとう」


 二柱の女神が話す後ろ姿を、残った男神たちはただ、黙って見ているだけしかできなかった。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] あれだけ規格外のスキルを与える事のできる神様パワーで精神強化や耐性のスキルを与える事はできないの?もしくは、本人に精神耐性や強化のスキルを創造してって伝えればオールOKだと思うの
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