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時空 まほろ 詩集 言の葉の宝箱たち

紅い花

情熱的な紅い花


君の(かんざし)の花


黒髪によく()えた花


流し目に僕を見る君


からかっているのかい?


僕も


君を横目で見下ろす


花魁の様な流し目


とても(あで)やかだ


参った


降参、という様に


僕は両手を上げる


すると君は年相応の微笑みを浮かべる


幼い子どもの頃に


君は母親の化粧品で遊んで


散々叱られた


でも、


あの頃とは違って


君は君のお金で化粧品を買い揃えた


その化粧品で彩られた(かんばせ)


もうあの幼い君じゃない


大人の君だ


今日


晴れたこの日に


君は成人式を迎える


お目付け役の僕は、もう要らないだろう


なのに


成人式の後、群れる若人(わこうど)を掻き分けて


真っ先に僕の元に来た君


紅い花の(かんざし)


スッと抜くと


「結婚式でも付けるの」


と大人の微笑みで僕を見上げる


振り袖の先から伸びる


白い手の小指を付き出して


「約束よ。貴方?」


僕の顔は


紅い花よりも真っ赤になった





お読みくださり、ありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 素敵なお話ですね。 好きです(^-^)
[良い点] そんなん言われたら、花よりも真っ赤になっちゃいますよ~! CMみたいな鮮やかな情景が目に浮かぶようで、とっても素敵な作品でした!
[良い点] 成人式ですね〜。 ニュースではオミクロン対応で大変そうですが 将来ある若人たちに幸あれとエールを贈りたくなります。 キュンとする作品も良かったです!( ・∀・)=b
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