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僕と黒猫、そして…  作者: ヘズ
第一章 出会いと夢、そして…
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第2話 話す黒猫と名前

刻花と申します、よろしくお願いします!

誤字チェックは自分ではしましたが…残っているかもしれません

でも、ずっと誤字チェックしてても進まない…

 その木の下には、一匹の黒猫がいた。


 月明かりに照らされて、真っ黒な毛並みが少し光っている。神秘的で、それでいてどこか、親近感が湧いてくる。


 その黒猫は僕に気が付くと、顔をこちらに向け、口を開いた。


『……誰?』


 すると、前の方から声が聞こえてきた。透き通った、男とも女とも言えないような中世的な声で、聴いているだけで心地よくなってくる。


「えっ?今の声は…?」


 突然声が聞こえてきて、動揺する。猫が話したのではと一瞬考えたが、常識的に考えておかしいためすぐに脳内で否定した。


『……もしかして、私の言葉がわかるの?』


「言葉がわかる…?も、もしかして――君が話しているの?」


 黒猫に問いかける。一度は否定したが、周囲から黒猫以外の気配は感じないため、嫌でもその考えが浮かび上がってきたのだ。


『……うん、私は君の前にいる黒猫』


「え!?ホントに!?何で話せるの!?」


『それは私にもわからない…今までこんなことはなかったし…。でも折角話せるのなら、もう少し話していかない?』


 そう誘う黒猫には、どこか色気のようなものあるように感じた。人の言葉を話す黒猫、不思議ではあったが興味もあったし、帰り道を教えてくれるかもしれないので、話すことにした。


「うん、いいよ!僕ちょっと迷ってて、困ってたところだったし」


『迷ってた…あ、ならここに来てみなよ。多分帰る場所が見えるから』


 黒猫はそう言って、首をチョイと動かす。猫のディスチャーなんて見たことがなかったが、「来て」ということだとすぐにわかる。


「帰る場所が見える…?」


 言われた通り僕は丘の上に登る。そして、黒猫の隣まで来た時、さっきの言葉の意味が分かった。


「うわぁ……。綺麗……」


 美しい光景に、思わず息をのんだ。


 丘から見えたのは、僕の住むリーノ村。そして、沢山の星が浮ぶ夜空。どうやら迷っているうちにかなり高い所にまで来ていたらしく、村の全体を見回すことができる。


『ふふっ、でしょ?ここは私のお気に入りの場所なんだ!』


 嬉しそうに話す黒猫の横顔には、人を惹きつける魅力がある気がした。


『…あっ、そうだ!君、名前は?』


「あ、名前を言ってなかったね…。僕はフェリ、よろしくね!」


『フェリ…うん!覚えやすくて、いい名前だね!』


「ははっ、ありがとう!ところで、君のことは何て呼べばいいのかな?」


『私…?うーん……私に名前とかないからさ、折角だし君がつけてよ!』


「え!?僕が!?そんなあっさり僕がつけることにしていいの…!?」


 突然の事に、僕は少し動揺していた。名前というのは一度決めたら変えることができず、つけた人との繋がりを表すものだと、村の神父さんに言われていたから。そんなあっさり決めるものではないと思っていたから。


(まぁ、猫に人間の常識を押し付けるのもあれだろうけれども…)


『うん、もちろん!でも、カッコイイ名前で頼むよ?』


「えぇ…、しょうがない…。じゃあ何だろう…」


 僕はしばらく、腕を組んで考え込む。名前とは一生を共にするもので、変なのを付けたら責任は僕にある。そんなネガティブな思考に傾きかけていた時、名前の参考にしようと黒猫の方を見た。


 暗くなった中で金色に輝く目、常に動いている可愛らしい尻尾。そして何より、月光が反射してうっすらと輝いている、真っ黒な毛。かわいらしくて、美しかった。


(金色の目だからキン…?いや、なんか違うな…。何かいい名前……)


「あっ、思いついた!」


『思いついた?一体どんな名前?』


「君の名前は――クロ。綺麗な真っ黒の毛だから、クロ」


 この時に決めた名前と、これから何年間も付き合うことになるとは、まだ僕は知らなかったし考えてもいなかった。でも、自分でいうのはあれだが、いい名前だと思っている。


ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

よろしければアドバイスなんかを頂けると幸いです。

それでは、またいつか

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