第■話 最終決戦前夜
初めまして、刻花と申します!
日本語がおかしいところや、こうした方がいいよ!的なアドバイスを頂けると幸いです。
処女作&文才皆無ですが、どうかよろしくお願いします!
ストックはほとんどありませんが…毎日投稿目指して頑張りたいと思っています…
静まり返った真夜中に、僕とクロは“いつもの場所”に来ていた。いつか見た世界樹ほどではないが、十分大きい大樹。その大樹が生えている、小高い丘。ひんやりとした夜の風が、大樹の葉とクロの毛を揺らす。
驚くほどに辺りは静まり返っていて、虫の鳴き声さえ聞こえない。どこか、緊張しているようにも感じた。
「全てはこの場所から始まったんだよな……」
『うん、そうだね……確か、君と出会ったのもここだったよね?』
「あぁ、…本当、昨日のことのように思い出せるさ」
大樹に座り込む僕と、その僕にくっついてくるクロ。僕たちが出会ったのはこの場所で、この場所にはたくさんの思い出があった。
「あれから色々あったな…。冒険者になって、世界をめぐって」
『うん!ねぇ、覚えてる?君が初めて依頼を達成した日を』
「当然だ。あの時は僕も弱くて、クロに何度も助けてもらったっけな」
冒険者になりたての頃は弱くて、何度も依頼を失敗して、死にかけた。だからこそ、初めて依頼を達成できた時の喜びは、今でも覚えている。
「……あいつは元気にしてるかな」
『……うん、きっと。必ず』
その返事からは、悲しさがあふれていた。クロは相当あいつに懐いていたから、未だに忘れられないのだろう。まぁ、それは僕も同じだが。
「僕はさ、まだあの時のことを後悔してる。僕が別の選択をしていれば、あいつは…」
『……何度も言うけど、後悔しても何も変わらない。それに、だから私たちは、明日行くんでしょ?』
「ははっ、そうだな……」
後悔しても何も変わらない。何度もクロに言われた言葉だ。どれだけ弱音を吐いても、諦めそうになっても、クロはついてきてくれた。本当に感謝してもしきれない。
『あ、見てよ!星が綺麗だよ!』
クロに言われ、空を見上げる。この世界の何倍もの広さの夜空には、沢山の星がきらめいていた。
「ホントだ、綺麗だ…」
『……。』
「……。」
僕たちは、しばらく黙って星空を眺めながら、これまでのことを考えていた。沢山の失敗、沢山の仲間、そして沢山の冒険。数え切れない経験を積んできた僕たちなら、明日もどうにかなる、そうは思っても、やっぱり不安は消えなかった。
『あっ!流れ星!』
「流れ星…クロ、なんか願い事とかあるか…?」
『願い事……そうだ!』
『明日の戦い、勝てますように…!』
落ちていく一筋の流れ星は、願い事を言い終える前に消えてしまう。だが、関係ない。僕の心には、明かりがともったから。
「……ありがとな。……明日、絶対勝とう!」
『…うん!』
ここまで読んでいただき、ありがとうございます!
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それでは、またいつか