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50 後悔は先にも役にも立たない

 


「それで、編入試験って何をするの?」

「まずは学科試験。そして実技試験をして、最後に面接だよ」

「それは王子でも受けないといかんの?その学園って起源は王族の教育の為なんだろ?」


 この国で唯一の、いわば大学に相当する高等教育機関である王立ハイナレィ学園は、日本の有名私立大学みたいな一貫教育校でね。有力な貴族の子弟の多くは幼少の頃からこの学園に通うそうだ。それでも例えばクリスみたいに事情があって通えなかった子もいるだろうし地方で特別優秀と評価された子もいるだろう。


 それらの子供達のために編入制度ってものがある。


 そして我らがクリストファー王子も編入組となるんだが、キッチリ試験は受けさせられるらしい。王族であっても特別扱いは無し、なんだと。21世紀の地球でもないのに立派なもんだね。これも学問の独立というやつなんだろうか。平等と言うのが妙に先進的だ。もしかしたら地球からの転生・転移者の仕業なのかもしれない。


「試験とかやだねー。俺は前世の受験でもうお腹一杯ですわ」

「そういうこと言ってるから知力が低いんだよ」


 セシル君、君の言うことは確かに正論だ。ただ、正論であってもムカつくのはムカつくのだよ。直ちにこの小動物を捕獲してほっぺを引っ張る。おお、伸びる…!


「私も……受けてみようかな、編入試験」


 騒ぐ俺達を横目に見ながら、ルーがポツリと呟いた。無敵の魔神が今更、学校に何を学びに行くと言うのかね。そもそも今まで教育機関に通ったこともないでしょうに。何しに学校に行くの?


「クリスが言うには、そのハイナレィ学園には国内でも最高峰の図書館があるそうなんだよ。そこへ行きたい」


 おい、王子。お前は王子なんだから生徒じゃなくても図書館を使えるように便宜を図らえんのか?非常に気に食わない話でもあるんだけど、この人は大公の娘となってるんだぞ。ああん?権力を使うのはこういう時じゃないのかね。


「その学問の独立性というやつだ。王族だからって自由には出来ないよ」

「受験資格とか費用とか!色々問題あるんじゃないの!?」

「うるさいなぁ……レティシア先生は御祖父様の娘だから受験資格は問題ないし、受験費用も学費も御祖父様から既に頂いているよ」


 うるさいとはなんだ。至極全うな疑問じゃないか。それにしてもあのエロジジイめ……この展開を予想済みか!やっぱり旅立つ前に奴の息の根を止めるべきだったんじゃないだろうか。理由なんか後から考えれば何とでもなったのではないか。チッ……後悔は先にも役にも立たないな。


「私と一緒に居たいのなら、君も受験したらどうなの?」


 あ、なんか俺が淋しがりやの甘えんぼみたくなってる。そうは言うけどさぁ……仮に入学したとしても、あんまり学びたいことが無いんだよな。正直、魔導具作製とかそんな分野があれば学園生活も良いかも、と思った。その辺りに関して日本の元職人としては、興味がある。

 でもね、この学園では本当に学問・研究と芸術に重きを置いているようでね。あんまり実用性重視の俺向きじゃないんだよね。もちろん研究分野ってのも非常に重要なのは知ってるけどさ。


 だから俺の人生に学園編など、無い。

 多分。今のところ。だって勉強したくないし。


「ボクも、そんなに興味をそそるものはないなぁ」


 セシルは俺側だ。

 2対2になった。

 これで淋しくなんかないやい。

 だいたい、こんな直前から受験手続は間に合うの?


 大学受験ならアウトだぜ、と思ったがクリスのコネでなんとかなるそうだ。なんだよ、王族のコネは有効なのか。そこも頑張れよ、学問の独立性。


 そういうことで、受験手続の為にクリスとルーは学園に向かった。久々に2人きりだからってウキウキするんじゃねぇよ、スケベ王子め。












「なんだい、置いてけぼりで拗ねてるのかい?」


 うっさいなぁ。ミシェルさんには関係ないだろう!?

 こちとら現在進行形の反抗期だぜ。

 あー、盗んだバイクで走り出したい。


「そんなこと言っていいのかい?この依頼を見ても、そんな態度でいられるかねぇ?」


 何ですか、もったいぶって。えーと、これはF級依頼で……ふむ、学園試験補助員の募集ですと?ほほぅ……ミシェルさん、これについてkwsk。


「そのままだよ。ハイナレィ学園の編入試験のお手伝いさ。報酬が安いからね、まだ空いてるんだよ」


 いいねぇ、これならE級の俺達でも受注できるし。僕みたいなボンクラでも大丈夫ですかね?あ、大丈夫ですかそうですか。ちょっと面白そうな依頼ではありませんか。セシルも異存はないね?よし、やろう。


「俺達が受注しまーす。ミシェルさん、あの2人には内緒だよ?」


 流石にあの2人も驚くと思うんだよ。まさかそれで落ちる事もないだろうし。仲間はずれイベントだと思ったが、意外に楽しめそうな展開になりそうな予感。

 もちろん2人の邪魔はしない。邪魔はしないつもりだけど……単純にどんな感じなのか見てみたいじゃないですか。是非、リアルで「また何かやっちゃいました?」とかやってくれるのを期待したい。もしやってくれたら鼻で笑ってやるよ。



















 そして、もう今日は王立ハイナレィ学園の編入試験当日である。クリスに関しては知らないが、ルーは早々に宿を出発して多分もう教室内にでも待機しているんだろう。学園のスタッフによる事前の説明によると、今回の受験生は39名。例年、編入試験の合格者は10人にも満たないそうで、思った以上に狭き門なんだね。


 最初は語学・論理学・数学・天文学・歴史学などの筆記試験。


 ………一応、俺もちゃんと習ったからね。多分受けたら合格出来ると思うよ。いやいや、それなりに勉強においても優秀なんだよ俺も。誰がボンクラやねん。そして最初の筆記試験に関しては、俺達は特に手伝うこと無し。一度くらいは試験監督やりたかったのに。えらそーに手を後ろに組んでウロウロと教室内を歩きたかったのに。残念ながら教室まで試験用紙を運んだだけで終わり。いきなり昼まで待機となった。こりゃ報酬も安いはずだわ、楽だ。暇だなーとか言いながらセシルと2人して、ぬくぬくと日向ぼっこをしてると……実に意外な人物を発見した。


 あれはシロウ・キリヤマ事務総長だ。


 なんでこんな所に居るんだろう。俺にとっては意外だけど、事務総長の仕事としては必要なことなのかも……知らんけど。まぁでも見かけたからには挨拶くらいはしようか。


「キリヤマ事務総長、お疲れ様です」


 うむ、極めて日本人らしい挨拶だ。

 もちろん、こんなところで日本語は使用しないよ。


「はい、お疲れ……誰かと思えばアレクシス君か。何してるの、君…」

「ええ、今日は編入試験の補佐役です。臨時の雑用係ですね。キリヤマ事務総長こそ、お仕事ですか?」

「いや、そうでもないんだけど……うん、そうだな。ちょうどいいかもしれんな」


 何を1人で納得しとるんですか、キリヤマさん。


「いやね、実は今回の受験生の中に日本人かもしれない人物がいてね。それで個人的に視察しきたんだけど、たった今、緊急の事案が起こったので私はラスティン宮殿に戻らないといけなくなったんだ。だもんでアレクシス君、代わりに頼んでいい?」


 軽いな!サラッととんでもなく重大な話を言ってますね。新たに転生してきた日本人、ですと?マジか、3人目か。どうやって来たんだろう。転生か転移か。男か女か。仲良くできるだろうか……敵対する理由もないはずだけど。


「名前はショウゴ・サイコウジ。去年、サノワで暴れたオークエンペラーを討伐したことで名を挙げた少年でね。それ以前の経緯は一切不明。近いうちにオークエンペラー討伐の功績で受勲予定なんだよ、その前に話をしてみたいんだけど、どんな人物かもわからないと不安だからね」


 あなた、初対面の俺に結構無防備でしたけどね。

 憲法9条があれば大丈夫!的な無防備さでしたよ。

 まぁいいけど…。


 ショウゴ、か。名前から察するに男性だろうか。少年というからには男性に決まってるわな。オークエンペラー……えーと確かオークが国を形成するような大集団になった時に出現するんだったかな。周辺の作物食料を食い尽くすイナゴみたいな大災害を引き起こすらしいよ。数百年に何回かってくらいの稀な大事件だそうだ。それを倒したという事は……相当に強いんだろうね。


「わかりました。出来る範囲でそのサイコウジさんの様子を伺ってみますね」


 本当に忙しいんだろう、話が終わるや否やキリヤマさんは早足に立ち去った。ほらな、ちゃんとした大人は忙しいんだよ。ぬくぬくと日向ぼっこしてる俺達は……今から忙しくなるんだよ!俺達がお手伝いするのは、実技試験の方だ。果たして実技って何するんだろうか。











 ………魔法と武術だった。

 大学的な研究機関で、なんでそんなのが必要なん…?


 俺の疑問はそんなに的外れじゃないと思うんだ。しかし、試験のバイトに来たような俺の些細な疑問など中学生の、数学なんて人生の何の役に立つんだよ!という主張以上にどうでもいい。俺も前世の中学生時代、そう思ったもんだ。そして当時の担任に中学数学程度が出来なくて人生で何が出来るんだ、と言われたな。そして大人になって思ったよ。なるほどな、と。やはり勉強程度の事は頑張った方が良い。人生はなにかと大変ですからね。いかんいかん、今は達観してる場合じゃない。


 今回、俺とセシルは魔法の方の試験会場に配置された。魔法の試験は、よくある……のかどうか知らないけど的に向かって得意魔法を放つ試験。武術の試験では、剣でも槍でも何でも良いから受験生同士で戦って武威を示す、と。

 適正もあるし、全員が魔法を使えるわけじゃない。魔法・武術のどちらかでアピールできればいいんだって。しつこいけど、コレで何を判定しようというんだろう。こんなん研究に必要なのか?


 それでも社畜根性で的を設営する。仕事だから言われたことは、ちゃんとするよ。少しでもバレないように、セシルと2人分の作業服を無理言って貸してもらった。作業用の帽子も深く被って少しでも見つからないようにしよう。ええ、俺達は小ネタにも全力投球しますよ!

 やがて筆記試験を終えた受験生がゾロゾロと運動場にやってきた。そして的に向かって順番に魔法を放っていく。それを試験官が魔法の威力だけじゃなく詠唱の速さや精度なんかも判定するそうだ。

 早くクリスとルー、来ないかな。2人がどっちでアピールするか……多分魔法じゃないかな。意外とめんどくさがりなんだ、あの2人も。誰かわからん相手と戦うより、ぱぱっと魔法を放つタイプだ。


 ほら、まずはクリスが来た。

 ニヤリ、予想通り。


「はい、次の方どうぞ~」


 セシルは受験生の誘導係。俺よりも受験生に近い位置だが声色を変えて帽子も深く被って、どうだ……バレないか…バレてない!セーフ!クリス、スルー!気づいてないよ!あいつ緊張してる!周りが見えてないよ!

 ウケル~!笑っちゃいかんけど……あ、セシルも肩がプルプルしてる。笑うのを我慢してるんだな。


「クリストファー・デュ・ラフォルグです。お願いします。―…―《炎槍》」


 試験官に一礼して、クリスが魔法を放つ。真剣な顔してるけど……ちぇっ、本気じゃないんだな。ド派手に的をぶち壊して「あれ?僕なんかやっちゃいました?」くらい言えよ。お約束だろうが。実際やってたら一生笑いものにしてたけどな。

 でも試験としては多分、問題無いはずだ。これまでの他の受験生の魔法を比較しても詠唱時間の短さ・発動の速さ・魔法の大きさ・威力等等どれをとっても頭3つくらい抜けていた。流石にアイツは優秀ですねぇ。


「……あっ!?」

「はい、終わった方はこちらへお願いしまーす」


 やっべ。さすがにセシルがバレた。クリスも無事に試験が終わって周囲を見る余裕が出来たんだろう。キョロキョロしやがって……あ、多分俺もバレた。早く行けよ、もう!王子だからってモタモタしてんじゃねぇぞ。


 よし、今度はルーも来た。

 む、立ち止まって……セシルの方を見て、あ、こっちも見た。


「…………」 


 無言だが………うん、バレてるな。秒で、いや刹那でバレた。ドッキリにもならねぇな。だいたい神眼なんて反則みたいなモノを持ってるやつに変装如きが通じるはずもないか。無言だが溜息をついて「君達……なにやってんの?」と表情だけで雄弁に語っとるわ。

 

「はい、次の方……どうぞ」


 セシルもバレたことに気付いたな、声が小さくなってる。

 さっきと違う意味でぷるぷるしよる。

 心配すんな!別に今日は悪いことしてるわけじゃないぞ!

 今日は、っていつも悪いことはしてないよ!


「レティシア・リュシオールです。―…―《火球》」


 ルーはテンプレについての知識もあるからね。無難に下級の火魔法を放って終わらせた。無詠唱だか詠唱破棄だったかのスキル持ちだけど、今日は詠唱もちゃんとしてる。

 と言っても見る人が見れば高等技術が随所に見られただろう。

 試験官も大きく驚きはしないが嬉しそうに頷いている。

 見る人が見れば分かる、玄人好みの火球だ。


 これでクリスとルーが不合格なら今回が合格者はゼロだろうさ。




 あ、日本人も探さないとな。どいつだ……ルーの次に入ってきたのは青っぽい髪の長い少女だった。少女というか、子供?幼女?まさか、こんな子が……これの見た目でショウゴはないよなぁ。もし、そうだとしたらご両親、名前の付け方が斬新過ぎるぞ。あまりに未来に生きているのな。


「クラウディア・フォン・ミュラーじゃ。――……―…―――《炎裂弾》」


 少女の放った魔法で大きな炎弾が螺旋回転しながら超高速で進み、的を完全に破壊した。炎弾はそのまま止まらず的の背後にある結界を展開された障壁に当たって大きな爆発音と共にようやく拡散した。実に大した威力ですなぁ……!

 余りの衝撃と音にフリーズしていた試験官が「信じられん!……こ、こんな威力……!ありえない…!」と良いリアクションをしてくれている。いや俺に言わせれば、このリアクションこそ素晴らしい…!期待通り!ド真ん中ストライクだよ!


「うむ、なにか問題あったかのぅ…?」


 クラウディア嬢が小首をかしげている。問題……あるようなないような。少なくとも俺にとっては問題ありだ。破壊された的の破片を片付けないといけないし次の受験者の為に新しい的を用意しなくてはいけない。「なんか、やっちゃいました?」を生で見られたのは良いけど、後片付けの事も考慮してほしい。待合でもそんな爆発音してなかっただろ?あの子、空気読めないのかな。自分がまわりから浮いてるの、わかりませんかね。

 ブツブツ文句を言いながら、片付けはセシルに任せて俺は新しい的を設置する。クソッ。前半は楽だったのにな。


「ディア、ショウに本気だしちゃダメって言われたでしょう?」


 今度は誰やねん。君…誰や。黒い髪……日本人か!?と思ったが、こちらも女性だ。しかも結構巨乳だ。誰でもいいけど……うん、素晴らしいよな。たまんないよな。


「ティナか……加減が難しいのじゃよ」

「賢者と呼ばれる貴女が何を言ってるの」


 のじゃ語使いだ。のじゃロリだ。

 しかも賢者なんだってよ!のじゃロリ賢者、降臨!

 実際見ると…かなり痛いな!色んな意味で鳥肌がたったわ。

 そして黒髪の子は、ティナか。

 今、この子ショウって言ったよね?それはショウゴのことだろうか。

 加減が難しいって、それは単純に腕が未熟ってことだよ。ルーの火球を見ろ。ルーが本気になればさっきの彼女の比じゃないぞ。メテオか、という火球も放てるがキッチリ試験合格程度に抑えている。

 それはそれとして……自由だなぁ君ら。確かに誘導役のセシルがまだ不機嫌を隠そうともせずに片づけ中だけども。今はまだ試験中だぞ。そんな風に会話してちゃいかんのじゃないかな。まぁでも、彼女達の説明的台詞には感謝したい。


「ティナ・ヴォルフだ 。試験官、私は治癒魔法の使い手なんだが……どうしたらいい?」


 その治癒魔法を、あの壊れた的に放って直してくれないもんかね。君の知り合いがやらかしたんだぞ。結局ティナ嬢は、後で格闘試験の方で怪我人相手に治癒魔法を披露してもらうことになった。

 良かったぜ。バイトの君!ちょっと腕、折ってくれる?とか言い出されたら流石にヤだ。安い給料でそれではブラックが過ぎるよ。











「いつまで待たせる気だ。だいだいがオレを試験するなど思い上がりすぎだと思うがな」


 次から次へと、本当にフリーダムだなぁ。振り返ると黒髪の、そして黒い目の少年が居た。背はさほど高くない、どちらかといえば華奢なようにも見える細身の少年。良く言えば強い意志を感じる目だ。いや、初対面で目付き悪いなーとか言うのも酷いじゃないか。言い方よ、言い方。もちろん思ってるだけで言ってないけどさ。


 多分、彼だ。あぁ、3人目の日本人。

 おそらく間違いないだろう。

 日本でよく見た、高校生くらいの少年。

 彼がショウゴ・サイコウジ、その人だろう。


「おい試験官。アレを壊せばいいんだな?」


 待て。ちょっと待て。

 事前に話を聞いてないのか、君は。

 得意魔法を的に向けて放て、と言われただろう。

 誰も壊せとは言ってない。

 しかし、そんな俺の心の叫びは届かない。


「《たった一人の軍隊(ワンマンアーミー)》!」


 彼がそう唱えると、その手にバズーカ砲?っていうんだろうか。

 それが彼の手にあった。わーお、そんなんアリなの?

 それ魔法ですか。

 現代科学じゃねーか。

 これも召喚魔法ってことなの?


 そして号砲一発、俺がさきほど苦労して直したばかりの的は再度砕け散った。えー………また新しいの、持ってくるのぉ?またぁ?キリヤマさん、3人目はまだ遭遇したばっかですけど……少し、いやかなり痛い子かもしれません。


 セシルはイライラした顔のまま再び無言で破片掃除。俺は再び的の設置。

 なんだか割に合わなくなってきたな。

 報酬安いのに……。


「おい!そこの君。君な、こちらのティナ君を武術試験場の方へ案内してくれるか」


 新しい的の設置を終えた俺に次の新しい任務を頂いた。

 さすが雑用、休みがないぜ。

 

 試験官から仰せつかったのは、さっきの治癒魔法使いのティナ嬢の案内役か。それは良いんだけど……何故ショウゴ君やクラウディア嬢も付いて来るんだ。確かに君らは実技終わって後は面接だけかもしれんが……まだ試験中なんだぞ。ま、俺は何にも言わないけど。


「聖女の治癒魔法を試験しようとは、つくづく御目出度い連中だぜ」

「ショウ、この国にはこの国のやり方があるのよ」


 ほほぅ。ティナ嬢は聖女なのか。

 ナーロッパではよく聞くけど……そもそも聖女って何?

 まぁなんでもいいか。

 しかしショウゴ君よ…主人公してるなぁ!

 のじゃロリ幼女の賢者!清楚系の聖女!

 そして2人とも微妙に露出度が高い。


 どうやってこの世界に来てどんな日々を送ってきたか知らんけど、両手に花か。既にハーレム形成しとるやないか。あんまり仲良くなりたいタイプじゃない気もするけど、是非仲良くなってハーレムを作る秘訣を聞きたいもんだ。

  








 


 すぐに武術試験の行われている訓練場に着いた。俺は学園の職員らしき人に事情を説明して、そのままティナ嬢を預けた。俺の仕事は案内だけだもんねー。


「ちょうどいい。たった今、怪我人が出たばかりなんだ」


 怪我人が居なかったらどうするんだろうと思ったが杞憂に終わった。ラッキー、というには怪我した人に申し訳ないか。しかしティナ嬢の試験はこれで問題ないだろう。しかし別の問題がこちらにやってきた。


「不甲斐ない。この国の男はこの程度か!」


 ティナ嬢を入れ替わるようにして赤い髪の少女が憤慨しながらショウゴ君の方へやってきた。ショウゴ君よ、まだいるのか。3人目か。しかし今度は姫騎士か。バリエーションも豊かだ。というか姫騎士ってなんだ。姫と騎士って両立出来るものなの?


「クレア、オレ以外に剣聖であるお前の相手が務まるヤツなどそうそう居るはずなかろう」


 へぇー!女性なのに剣聖なんだ!

 聖女に剣聖か、聖なるパーティだな!

 聖なるパーティは性なるパーティでもあるらしい。

 クレアと呼ばれた少女も結構……というかティナ嬢と同等以上に巨乳だ。

 それで防御力あるの?と聞きたくなる露出の多い鎧だし。

 けしからんよね。本当にけしからん。

 けしからんので目が離せないよ。


 しかし、まだ直接会話したわけじゃないけど…ショウゴ君、痛い子じゃない?そんな強そうでもないけど、めちゃ態度が偉そう。本当に仲良くなれそうな気がしないんですけど。随所で、近くにいる俺に聞こえるように説明的台詞を入れてくれる親切さはありがたいけども。居るはずなかろう、なんてどんな人生を送ったら恥ずかしげも無く口に出来るんだろう。


 それでも直接話してみないことにはわからんか……と思った。

 しかしながら、だ。


 雑用係には次々に用命がきた。武術試験用の武具の準備、片付け。そして怪我人が出たら治癒魔法師の部屋に運ぶ。俺は基本的に真面目なんですよ、本当に。そんな訳で一生懸命仕事してたら、気が付けばショウゴ君達を見失っていた……。


 さて……キリヤマさんになんて報告しましょうかね。



拙い小説ですが読んでくださり、ありがとうございます。

この小説を読んで少しでも面白いと思ってくれた、貴方or貴女!

是非とも感想、レビュー、ブクマ、評価を頂ければこれに勝る幸せは御座いません。

(人>ω•*)お願いします。


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