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47 FはファンタスティックのF

  


 アンヌさんに案内されて、深夜だけどようやく本日の宿にチェックインした。王都での常宿である『メレスの黄昏亭』よりも部屋が広くてベッドも大きい。この街がそこまでの大都会じゃないとはいえ、それなりの値段の宿らしいですからね。ちなみに料金はアンヌさん達……というかヤンクロットの冒険者ギルドで負担してくれるんだって。俺はどっちでも良かったけど、アンヌさんに恩人にお金を払わせる訳にはいかないから!と言われた。では、お言葉に甘えさせていただきます。ありがとうございます!

 良い宿だけど残念ながら、お風呂は無い。あったとしてもルーと憑依したままのお風呂というのも色々差し障る。俺の精神的に差し障る。思春期なめんなよ。








 消臭魔法は既に済ませている。そうは言っても今日一日で巨大な虫と戦ってゾンビと戦って、このままベッドに横になるのはちょっとな。少し苦労したけどトイレも済ませて、せめてもの慰めとして絞った濡れタオルで全身を綺麗に拭き上げた。これでも気分はスッキリ♪さぁ、来い!死ぬ程の苦痛よ。


(じゃあ、憑依を解くよ。ゆっくり、大きく深呼吸してね)


 子供の注射か。

 ここまで来たら覚悟は出来てるよ。

 どんとこい、苦痛。

 さぁ、やっとくれ。


 そう思った次の瞬間、本当に息が詰まるほどの激痛が走った。


 甘かった…!

 覚悟?もう帰っちゃったよ。

 定時なんで帰りまーすとか言い残して。

 これも時代なのかな?令和の新卒か、俺の覚悟は。

 今夜くらいは少しでも残業して欲しかったなぁ………。


「……っ!がっ…!!」


 師匠……難しいことをおっしゃるわぁ。この状況で深呼吸は、難易度が高いよ。深呼吸どころか、普通の呼吸も必死ですよ!痛い!熱い!全身に溶岩を流し込まれたかのように熱くて痛い!!声も出せない!喘ぐ様に息をするだけで精一杯。なるほどね、確かにこれは本当に死ぬ程だわ。

 経験したこともないような……いや、経験はあるんですけども。回数で言うなら数万を超える回数の死を経験してるんだけど、俺は喉元を過ぎればすぐ忘れられるタイプなので毎回新鮮に地獄を味わっている。そんな忘れっぽい自分が今は恨めしい。


『全身の筋繊維と骨に損傷を受けてるから……はい、ゆっくり寝ましょうね』


 約束した訳でもないけど、ルーは俺と2人きりのときは日本語で話してくれる。それがちょっと嬉しい。しかし今はその嬉しさを噛み締める余裕も無いのが残念だ。ルーは素早く俺をベッドに寝かせてくれた。だけど……痛すぎて寝れない。息をしても勿論痛いし息をしなくても動かなくても全身から激しい自発痛。もちろん動けば全身がズッキンズッキンして痛すぎて気絶も出来やしない。何度も気が遠くなるけど、絶え間ない新しい痛みが現実に引き戻してきやがる。


『ごめんね、私が治癒魔法を使えたら良いんだけど。言ってなかったけどね、治癒魔法も使えないんだ』


 そうなんだ!痛くて返事もしてやれないけど、少し驚いた。思い出せばアムブロシアの迷宮(ダンジョン)では、回復以前にほぼ即死→生き返るだったし。あそこを出てから今日に至るまで、そんな怪我らしい怪我したことも無かったから気がつかなかったな。危ないときはルーが守ってくれてたし。過保護気味なとこがあるんだよね、この人は。

 

『……痛いの痛いの、飛んでいけ~』


 そう言って、ルーが俺のほっぺにキスしてくれた。かわいい人だ。しかし本当に意外だなー。あれだけ何でも出来るのに治癒魔法は持ってないのか。珍しいのは確からしいけど、そんな激レアスキルでもないらしいのに。無いものねだりをしてもしょうがないので、今はひたすら耐えるだけ。

 しばらくするとルーのおまじないが効いたのか、ほんの少しだけ痛みが楽になったような気がした。少なくとも、痛みで気を失うことが出来る程度には。単純だよなぁ、俺。それは、今の状態ではこの上ない救いとなるおまじないだった。気絶出来るなんて今の俺には幸せ過ぎて泣きそうだ。













 どのくらい気を失っていたのか、それとも寝ていたのか、起きたら窓の外は既に明るくなっていた。もう朝か……実に色気の無い朝チュンになってしまったな。せっかくルーと二人きりで過ごす一晩だったのに……。

 痛みは……うん、少しはマシ……なのかな?100が80になった程度には改善したような気がする。もう痛すぎて感覚が麻痺してるだけなのかもしれないが。いかん、ほんの少しでも動くと全身に激痛が走る。ピクリとも動かなけりゃ……なんとか呼吸くらいは出来そうだ。


『起きた?熱は……大丈夫かな』


 愛しのハニーはベッドサイドの椅子に座っていた。ずっと起きていてくれたんだろうか。普段の生活では、俺達と一緒に普通に寝ているけど、実は全く寝なくても生活に支障はないって言ってたな。

 あぁ、おでこに置かれる彼女の手が冷たくて気持ちいい。でもこういうときは、おでことおでこをくっつけて欲しい。それが男の子の浪漫でしょうが。


『こうして欲しいの?』


 おお…!心の声が聞こえましたか?

 悪いね、催促したみたいで。


『これくらいは想像がつくよ。君はね、もう少しエロス垂れ流しじゃなく上手に私を誘ってくれないかなぁ?』


 上手に、ねぇ。努力してみます。


『お腹は空いてない?なにかして欲しいことはある?』

『お腹は大丈夫だけど、とりあえず膝枕でもしていただきたい』


 バカなことを言うな!と却下されるかと思ったが予想外に、いそいそとベッドに上がって膝枕してくれた。おい、言ってみるもんだな!上手に誘えと言われた直後にこれですからね。上手に誘う…どうやるんだろうな。


 大きめのベッドで良かった……いわゆる普通の膝枕じゃなくじゃなく縦に寝るパターンの膝枕。時と場所を間違えなければ頼めばだいたいの事はしてくれるのだ、この人は。

 この膝枕が場所はさておき、この状況で間違えてないのか疑問は残るけども。もちろん、膝に頭を乗せるのも痛かった。悲鳴を上げたくなるほどに、いや声も出ないほどの全身の激痛ではあるんだが後頭部だけは至福…♪そのまま静かに目を閉じると地獄の痛みの中ではあるけど、2人だけの幸せな時間が訪れた。


『ルー、ありがとうな』

『……なんのこと?』

『ヤンクロットを助けてくれたこととか……色々だよ。この膝枕も、かな』

『私は君の半身だって言ったでしょう?君は食事の度に右手に感謝を言うの?』


 それでも、ありがとうって言いたいんだよ。そんな話を聞いてくれながら、彼女は優しく俺の髪を指先で整えてくれる。なんか七三分けみたいにしたりして遊んで笑ってる。ルーは右手なのか……また右手が恋人なのか、俺は。せっかく生まれ変わったのにな。


『君は……まつ毛、長いね。肌も…綺麗だ』


 今度はフェイシャルマッサージでもないが、ルーの人差し指が俺の顔のあちこちをつたう。少しくすぐったいが心地よいな。両耳もマッサージしてくれる。あ~……そこそこ。


『一日毎に、素敵な男の人になっていくね。私の光源氏計画、大成功』


 ……何を言ってるんだろう、この人は。

 この顔を気に入ってくれてるならいいけれど。

 

『眉も……綺麗な形』


 そう言いながら、今度は俺の眉を指でなぞる。眉も整えてるわけでも無い。そもそも鏡がそこら中にある世界でもないから、あまり自分の顔は見てないんだよ。それでもルーがそう言ってくれるなら、そうなんだろう。


『唇…柔らかい』


 今度は俺の唇をぷにぷにして遊んでる。顔以外は満遍なく激痛が走るけど、逆に顔だけは痛くないから好きにしてくれていいよ。俺もなんだか気持ちいいし。これも一種のタッチセラピーなのかもしれない。久しぶりの、2人きりの時間が本当に心地よい。今、世界が滅んだとしても、このままなら悪くないな。そう思うほどに、ずっとこのままでいたい。せっかくヤンクロットを救ったというのに世界が滅んだら意味無いのにな。例えだよ、例え。

 勿体ないのに、また眠くなってきた。眠りたいけどもう少し……この幸せの時間の中に居たい。必死に抵抗したが、甘々な空気が更に眠気を誘う。


 もういいや、寝ちゃえ。











◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇










 再び、目が覚めた。

 痛みのせいなのか眠りが浅いみたいだ。


 おそらく、まだ昼過ぎくらいの時間じゃないかな。眠かったと言っても、さっき目が覚めた時点で半日近くは既に寝ていたんだ。そうそうはずっと寝ていられない。今度はそんなに長時間は寝てないだろう。少し腹も減ってきた。ゴロっと寝返りをうちたいけど……あ、これは無理だな。まだ痛くて動かないわ、身体。うん、無理はやめとこう。ゆっくり目を開けたら、ルーの顔がすぐ目の前にあった………めちゃくちゃビックリした。俺の心臓を止める気か。


 目を閉じてる……これは寝てるのかな。

 だとしたら彼女の寝顔は貴重だ。

 はじめて見たのかも。うん、俺の記憶には無いな。

 やっぱり寝顔も、すごく綺麗な人だな。

 肌が綺麗だの眉が綺麗だの……貴女に言われても、だっつーの。



『ん…起きた?私も君の寝顔を見てたら……寝ちゃってたな』

『まだ、膝枕してくれてたんだ……足、痺れてない?』


 体感では数時間くらいは寝たような気がする。

 腹時計の様子だと、もう昼だと思うんだけど。


『なんでもしてあげると言ったでしょう。それとも膝枕はもういいのかな?』

『膝枕はまだまだ希望だけど、少しお腹が空いたよ』


 もうお昼過ぎだからね、と言いながらベッドを離れて彼女は階下の食堂に食事を取りに行ってくれた。ド派手に筋肉痛を起こしてるんだからタンパク質補給が必要だ、ということで消化の良いメニューとしてスクランブルエッグに鶏肉?と野菜たっぷりスープを持ってきてくれた。もちろん、今は手も上がらないからあーんして食べさせてもらったよ。

 これはこれで嬉しいんだけど、俺は赤ちゃんプレイには興味ないので本当は自分で食いたい。この辺は皆さんも意見の分かれるところだろう………皆さんって誰だよ。

 時間をかけて食事を胃に入れて、お陰でお腹は満足した。それはいいんだけど今度はトイレの方が行きたくなったらヤだな。困るぞ。今のところはそっちも大丈夫そうだけど。

 死ぬ程の痛みは去りつつあるけど、動けないという意味では昨日の夜と変わりない。まるで重病人だね。

 

『そんなに眠れないかもしれないけど、横になって安静にね』


 日本に生きていた前世でも入院はしたこと無かったけど、こんな感じなんだろうかね。まぁ日本のVIPルームでもこんな素敵な看護師は居ないだろうが。確かに、こんなにたっぷり寝たのは……子供の頃ブラッドウルフと戦った時以来だろうか。


 いや、あの時よりも寝てる。


 今生では驚くほどに健康体でろくに風邪も引かない。ナントカは風邪をひかないというけど……いや、忘れよう。俺は、まだそれは認めないぞ。認めたくない。今は身体は動かないけど、頭はスッキリしてます……なのにテレビもラジオもない。実に暇だ。ルーは俺のベッドのすぐ横で王都で買ってきたという本を読んでる。よくわからんが数学とか天文学の学術書らしい。俺なら一億年生きたとしても読まないだろう本だ。


 静かに時間だけが過ぎていく。


 昨日の朝は王都でラージアント討伐に張り切ってたのに、次の日の午後にはヤンクロットで寝たきりになってるとはな。人生はどうなるかわからないもんだねぇ。いろんな衝撃的場面があった1日だったけど………その中でも一番印象に残っているのは、最初のドラゴンゾンビの腕をルーの大剣で斬った、あの瞬間なんだよな。


 あれはまさに衝撃の瞬間だった。

 ゾーンでもないのに、時が止まったかと思ったわ。

 あの一閃の動きの美しさはどうだ。

 上手く説明できないけど、無駄が全く無いというのかな。

 恐ろしいほどスムーズでさ。

 武の理合ってものなんだろうか。

 武の真髄、極みってものがあるとするならば、アレなんだろう。



 あの時の話を改めてルーにしたら、


『私の強さの秘密はステータスの高さだけじゃないんだぞっ』


 かわいい看護師さんがドヤ顔してくれた。いっそナース服を着て欲しいなぁ。リクエストしたら作って着てくれるかもしれない。今のところは看護と言ってもタッチセラピーくらいしか出来ないんだけども……あれ?いつの間にか完全に話が脱線してた。

 ルーの大剣は亢龍の牙というらしいが……なるほど、あの武技を見たら納得。この人は亢龍なのかもしれない。亢竜有悔と言うけども、ルーに悔いがあるようには見えないな。天を昇りつめた竜は悔いる前に、その高さのまま広い世界を巡れば良いのだ。前前世の俺があの大剣にそう名付けた理由がなんとなく想像できた。


『あのときの一閃ってさ、あれも聖属性が付与されてたの?なんか普通のと違った気がする』


 昨日、合計2発の聖属性魔法を放った。あれはあれで、もの凄いモノだったが、あの一閃だけは全てにおいて更に別格だったような……いや俺も上手く説明はできないんだけどさ。


『あれは、神性だ。ああ、それで思い出した……君ね、セシルやクリスに私が魔人だって話をしたでしょう』


 した。もしかして……不味かった?

 内緒の話だったかな?

 言わない方が良かった?


『それは別に構わないんだけど……あのね、私は魔人じゃなくて魔神なの。超越した人じゃなくて、堕ちた神なんだよね』


 えーっと……魔人、魔神、まじん。

 うむ、日本語って難しいね!

 魔人と魔神で何がどう違うのかわかんないけど!


『つまり私は元々ヒトではなくて神だったの。それが受肉して、この世界にいるの。わかる?というか覚えてない?』


 わかるよーなわからんよーな……うん、ほとんどわかっていません!メルヴィル時代の記憶は一切覚えてないから魔神の事も覚えてないよ。良いじゃないか、元がなんであってもルーがルーであるならば俺は構わないぞ。じゃあルーの御両親も神様なん?結婚の御挨拶に行ったほうがいいのかなぁ?


『そうだよ。でもヒトが神界に行けるのかな?私も知らない』


 さて……もしかしたら行けるのかもよ。

 ありえないなんて事はありえない。

 良い言葉だ。俺もそう思う派だ。

 そもそも、前世の死に際からありえないことだらけだもん。

 もう頭で理解するのは諦めました。


 そっかー、ルーは魔神だったのかー。だからって……俺達の関係は何も変わらないよな。ハグして欲しいとかキスして欲しいのも変わらない。それで説明がつくのかどうかは知らんけど、納得はできた。へぇ、神性ね……それで結局なんなん?神性って。


『神の性質。神属性と呼んでもいいけど、神としての性質を帯びてるんだ。この世界のほぼ全ての存在に対して特効があるんだよ』


 へぇ~……なるほどね、ステータスの値はルーの強さの極一部な訳ですわ。よくわからんけど。それって俺も使えるかな?


『普通は使えないはず……なんだけど、君は色々と普通じゃないからね』


 どういう意味だろう。普通じゃないってのは普通以下の可能性もあるからねぇ…。これからは憑依しての訓練も積極的に取り入れてもらうようにしよう。それにしても、俺の婚約者は神様だったのかー。今までやりたい放題してきたのに、罰当たりだったかな……今朝も俺は神様に膝枕してもらってたのか。


『私の方から、なんでもしてあげると言ったでしょう?』


 じゃあ、ぱふぱふして、て言うのもアリ?メイド服に着替えて「お帰りなさいませ、ご主人様♪」とかもアリ?


『むぅ……神と知っても君はブレないな。メイド服は無いけれど、ぱふぱふ…して欲しいなら、やるよ?』


 良いんだ!?言ってみるもんだな!

 前向きな姿勢は大事だネ!


『君に分かりやすく言うと、私はおそらくF……いやGカップだぞ。私としては大きさより形の方が自慢だけども……ほら、おいで♡』


 美乳なF!それはファンタスティックですねー!形の良いGなら、それはそれでグレイトですよね!おやじ臭いとかやめてよ。俺は真性のオヤジなんだよ。おいで♡って言うけど俺は今、動けないんですが。ワザとか?


『うん、ワザとだ。そうか……今なら君は動けないから私が何をしても、いいんだな』


 ニヤリじゃないっすよ。その獲物を前にしたような目はやめましょうよ。肉食系魔神になる気?えー……確かに俺は何もできないけど、なんでもしてあげるって言ってくれたでしょ。

 

『私も、あんなこともこんなことも……しちゃうかも、って言ったもん』


 確かに言ってたけど。

 相手がルーでも自分が動けないと怖いな!

 わざとゆっくり寄らないでぇ!

 何する気ですか!?


『何しちゃおうか……こんな風に脱がしちゃうのかも』


 いやいや、やーめーてー!男の脱ぎかけなんて需要ないっすよ!いやん、乳首つんつんしないでください!普段ならご褒美かもしれないけど、今は反応して動くと激痛を伴うんですよ?


『もし逆に動けないのが私なら……君は色々しちゃうんでしょう?私をあひんあひん言わせたいんでしょう?』


 ……やるかなぁ。やるかもしれないなぁ。

 でも動けない女性を相手に外道じゃない?

 でも少しくらいなら……相手がルーなら……?

 多分、俺ならそう考えるかもしれない。ド外道だな!

 うん、あひんあひんは言わせたいよね、そりゃあもう。

 てゆーか、どういう意味だよソレは。


『私は君の半身だぞ。アレクシスが感じていることは、ルーも感じているし……アレクシスがやりたいことはルーもやりたいの』


 そういいながら、かわいい魔神が俺のいろんなところにキスマークを付けていく。おぉ~……本当にキスマークって付くんだ、じゃないですよ。ちょっと痛くて気持ちいいけど、俺があひんあひん言ってちゃダメでしょうが。そんなにマーキングしてどうするの。縄張りでも主張したいのか。


『私は君のものだけど、君も私のものだからね。ちゃんと印を付けておかないと……うん?こんな状態でも一部が元気になってきたね?気持ちいいの?』


 とんでもない小悪魔ですよ、この人。魔神も英語だとデーモンらしいけど、本物じゃないの!そりゃあ、あそこも元気になる。なりますよ。ならない方がおかしい。したくなるでしょうが。俺の息子が……子供が泣いているでしょうが!


『さっきも言った通り。君がシたい時は、私もシたいの。でも……私は初めてなのに君が動けないのはイヤだ。だから今は、ここまで』


 ………マジか。めっちゃ生殺しじゃないですか。今までで最大級に残酷な攻撃だ。本当、悪魔だよアンタ!ここまでって言いながら今度は笑顔で耳たぶをハムハムと甘噛みしてくる。動けない状況で生殺し極まれり。これが神罰なのかな。初めてって処女なの?やってる事とは程遠いけども。めちゃエロエロじゃないですか。エロ魔神じゃないですか。


『ええ、おかげ様で。1000年前は奥手だった恋人のおかげで。その恋人は転生先の世界で何人もの女性と経験を積まれたようですけどね!……これもお仕置きと思いなさい』


 ヤバイ。

 久々に地雷を踏み抜いた。

 対戦車クラスの地雷だ。

 思い切り脇腹をつねられた。イタイイタイ。

 ほんまもんの神罰やないか。

 今生ではチェリーですので、ひとつ何卒ご勘弁を…。


『じゃあ今日はこのまま君の匂いの中で寝かせて。明日の朝までは二人きり……私も頑張ったんだから癒しが欲しいの。君も、一緒に寝ましょう』


 寝れるかァ!!

 寝た子まで起こしといてどーするんだ!?

 カッチカチやないか。

 ギンギンやないか。俺も息子も涙を流してるやないか。

 耳元で囁いて言ってる事とやってる事が。

 癒しと言ってくれるのは嬉しいんだけどね。


『もう……君は本当に休息が必要なんだぞ。寝なさい。《睡眠(スリープ)》』


 そんな魔法もあるんだー………最後にそんなどうでもいいこと考えながら、俺の意識は再び途切れた。



拙い作品ですが読んでくださり、ありがとうございます。

この作品を読んで少しでも面白いと思ってくれた、貴方or貴女!

是非とも感想、レビュー、ブックマーク、評価を頂ければこれに勝る幸せは御座いません

(人>ω•*)お願いします。

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