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111 奴隷市場に行こう

 


 フィンリーと共に、広いサイーオン市場の北の端にまでやって来た。この辺りが奴隷市場なんだって。商品……ヒトを商品と呼ぶのは元日本人というか元現代人にはかなり抵抗があるけどな。しかし奴隷市場なんて初めて見るので、てっきり奴隷がそこら中にずらっと並んでいるのかと思ってた。パッと見はまるで普通の商会の事務所みたいだな…?


「俺達はこういう市場は初めてなんだけど、フィンリーは行きたい店とか決めてあるの?」

「……わ、私も初めてなんです。とりあえず、この店に入ってみますね」


 選択基準は一番近い、ですね。初めてだし何の情報も無いからしょうがない。良い立地ってのは良い店なのかもしれないしな。恐る恐るフィンリーが目の前の小綺麗な店の扉を開ける。果たして鬼が出るか蛇が出るか……。


「いらっしゃいませ…あら、素敵なご夫婦……とお子様達かしら?」


 すみませんと声をかける前に、どうにも奴隷市場には似つかわしくない優雅なマダムが出てきた。後で世間話として聞いたら奴隷を買うなんてのは豪商や貴族が多いから、その為なんだそうだ。まぁ生活にゆとりがないと奴隷なんて買わないわな。そんな安いはずもないし。


「素敵だなんて……そうなんです、私の旦那様は素敵なんです」


 魔神、一瞬でマダムの手のひらで転がされる。チョロい。この子は時々、本当にチョロい。でも、さっきまでの怖い顔が消えたのはありがたい。そういう意味ではマダム、グッジョブ。


「話を聞きたいのは、この子……フィンリーです。フィンリー、大丈夫?」

「は、はい!大丈夫です!」


 このまま俺達も話を聞いていて良いものかと思うけど、この子だけ残して出て行くのも変だろうか。もしフィンリーが話しにくそうなら出て行こうか。クゥムとセシルは早くも蚊帳の外みたいになってるので、さっき買った絵本を読み始めた。そりゃ子供にはつまらないよね。俺だって正直言うとつまんないよ。


「あのですね!強い戦士の奴隷が欲しいんです!」


 ほぅ……どういう人生を生きてきたら、こんな可愛らしい少女がこの年齢で強い戦士の奴隷を買いに走るんだろうなぁ……人には色々な人生があるんだろうね。なんとなく、いじめられた小学生が電話帳で殺し屋…殺し屋…と探してるコピペを思い出した。調べるだけでなく実際に手に入れようと店まで来てしまうフィンリーのアグレッシブさに感心しちゃうね。


「お客様、我がシュミット商会の最も得意とする分野が戦士ですのよ。どのようなタイプの戦士を御希望でしょうか?それから、御予算はいかほどをお考えでございますか?」

「あの……これ。現金ではありませんが、この金時計でどうでしょうか?」


 フィンリーが差し出したのは、さっき俺達も見せてもらった金時計。ルーの鑑定では100万G以上と言っていたけど。


「基本的に、我が商会では現金取引きなのですが……せっかくですから拝見させていただきますね」


 マダムはそう微笑んで、鑑定用のルーペを取り出して金時計のチェックを始めた。質屋や美術商でもないのに鑑定も出来るんだろうか。……というか、この世界には既にルーペがあるんだ!?じゃあ眼鏡もあるのかな?あるんだろうな!どこかで眼鏡美女にでも会いたいものだ。この街で売っているなら買ってルーにかけてもらっても良いな。似合うと思うよ。


「なるほど。私も専門ではありませんから詳しくはありませんが……ブルンフェルズの初期型ならば最低でも100万、いや150万Gの値が付いてもおかしくないでしょうね」


 お。そのブランド名は全く聞いたことも無いけど、ルーの鑑定と似たような金額を出してきた。と言うことは……このマダムは少なくとも、現時点で俺達を騙そうとはしてないのだろう。わかんないけど。


「では、これで見せてもらえますか…?」

「二つ、問題がありますのでご了承ください。一つは、確かにこの金時計は価値ある物とは思いますが、やはり専門の方に改めて鑑定してもらう必要があります」


 そりゃそうだろう。ここは奴隷の商会であって質屋じゃないのだから。とりあえずの鑑定をしてくれただけでも感謝ですよ。


「そして、二つめ。お嬢様は強い戦士が御希望とのことでしたが……仮にこの金時計が150万Gで取引きされたとしても選択肢は、そう多くはありません」


 そうなんだ。強い、の基準がわからないからなんとも言えないけど。もしかしたら一番弱いという奴隷でも俺達より強いかもしれないし。逆に最強ってのがアッシンさんよりも弱かったりしてな。いや、アッシンさんも強いんだよ、ちゃんと。それなりに。伊達にB級冒険者じゃないから。あの人は女に弱いんだ。それと少し頭も弱い………こういう言い方をすると、アッシンさんって最低だな。


「御手数をおかけしますが、一応見せてやってくれませんか?本人も納得出来ると思いますので」


 マダムに言われてフィンリーが急にアワアワしだしたので、助け舟を出してみた。それでも根本的な解決にはなってないけどな。金が足りなかったらどうしようもないもの。まさか値切れるのかな?国によっては値切るのがマナーとか言うじゃない。


「左様でございますか。では……早速ご案内いたしましょう。こちらへどうぞ」


 マダムに先導されて歩いていくと、店の奥の方から少し降りた……半地下みたいな部分に奴隷達は居るようだ。セシルとクゥムにも一応行くかどうか聞いてみたが、このままここで絵本を読んで待ってるそうだ。ごめんな、この穴埋めはどこかでするよ。


「今、ここに居るのは5人の奴隷でございます。ええ、決して数は多くはありませんが、その分高品質を保証いたします」


 5人ってのが多いのか少ないのかもわかりませんけどね……目の前に広がる奴隷達の部屋というか檻というか。これが普通かどうか知らないけど想像以上にスペースが広いなと思った。てっきり家畜みたいに石牢に藁でも敷き詰めて放り込むようなものかと想像してたのに。もちろん入りたいとは思わないけど、見た感じは一般的な部屋に見えた。

 

「そのような奴隷商会があるのも事実ですが……我がシュミット商会は高品質で健康優良な奴隷を提供することがモットーですから。ラウルシュタイン広しと言えど、我が商会以上はありません。その分維持費にも予算が掛かるのでお値段は決してお安くはないのでございます」


 なるほどね。そりゃ結構なことですわ。


 実に結構ですけど、どうも高品質だの維持費だの……言い草が気に入らないなぁ。ヒトはモノじゃないんだぞ。人殺し経験者である俺でもそう思うのだ。別に奴隷制度に文句を言いたい訳じゃ……日本の、現代の倫理観でもって奴隷制度を否定したいとか破壊したいとか思ってる訳じゃない。ただ単純にガキみたいに俺が気に入らないだけだよ。あー、実に気に入らないよ奴隷なんて。クソくらえ、だ。

 そして世界はガキに気に入られる為に存在しているのではない。俺の価値観や意思など、どーだっていいんだ。だから不快な顔をしてるけど余計な事は言わずに黙ってますよ。


「例えば、この部屋。ここに居るのは元ミレニアス連邦の騎士です。先の戦争でも数々の功績を挙げた事もある今、我が商会で取り扱う一番の強者でございます」


 ミレニアス連邦は……確か今もラウルシュタイン帝国と戦争真っ最中な国の筈だ。騎士ってのは捕虜になったとしても身代金……つまりは金を払えば解放されるんじゃなかったかな?だとしたら、この騎士さんは身代金を拒否されたのだろうか。奴隷ってのは当然ながら、それぞれの背景にキツいストーリーがあるんでしょうね。

 そんな一番の強者と言われた騎士は30歳代くらいの大男だった。何度も剣を振ってきたのか、手が…そして指がゴツい。覗いてみると普通の部屋と呼べるような快適そうな牢獄だね。檻はもちろん、ある。そりゃ逃げられる訳にはいかないもんね。そしてお客さんが来て商品閲覧となると、よく見える位置まで出てきて真っ直ぐ立っている。


「この騎士だと、費用はいかほど…?」

「6500万Gでございます」


 むむっ。高い!

 日本円に換算すると幾らか知らないけど!

 少なくともフィンリーの金時計の価格の40倍以上。

 そりゃKai王拳でもキツいだろ。


「それは…どう考えても私には無理です…」

「失礼ながら、そうでしょうね。お客様の御予算内でなら……こちらになりますね」


 マダムがそう言いながら案内したのは、最初に通り過ぎた一番手前の檻。奥から紹介するってのも斬新ですな。俺も全然詳しく無いけどドア・イン・ザ・フェイスだったっけ?営業のテクニックのあれ。最初に高いの見せて、後から見せる品をお買い得に見せるやつなのかな。


「こちらの犬の獣人。こちらであれば140万Gとなります」


 おぉ……ドワーフやエルフだけかと思ったら、やっぱりこの世界には獣人族も居るんだ!ちゃんと犬耳してる!犬の獣人と言うからには猫やウサギも獣人も居るんだろうか。天然の猫耳娘やバニーガールに会える日が来るのかも。まぁ俺は獣人ってそんなにツボではないのでときめかないけど。好きな人は本当に好きだよね。

 そして犬…黒い中型犬といったイメージの獣人は、まだ若い感じで、しかしあまり元気は無さそうだった。なんというか奴隷堕ちした我が身をまだ認められないのかもしれない。ハッキリ言ってあんまり強くはなさそう…。


「獣人…!獣人ではダメなのです!」


 なんだよ、フィンリー。獣人はダメなの?もしかして獣人は被差別部族なの?ルシアス王国では獣人は全く見かけなかったので、どういう扱いなのかわからないや。なんせこの世界は中世~近世っぽいから。江戸幕府じゃないけどワザと被差別待遇を作ってガス抜きしててもおかしくはない。


「左様でございますか。では、こちらはいかがでしょう?」


 次に紹介されたのは、隣の檻の中の小太りな濃いブラウンの髪の中年男性。背はさほど高くないけど、腕も太いので意外と筋肉の塊なのかもしれない。頭頂部の髪が薄くなってるのが少し悲しいな。大丈夫、まだまだ寄せて上げればイケるイケる!

 俺が尊敬するオルトレットのセルジュ先生を彼に紹介してあげたい。俺が知る限り、この世界で最高のヘアセット技術の持ち主だ。あの技術はオルトレットを旅立つ前に教えてもらうべきだったかもしれんね。実に悔やまれる…!いや、俺はハゲてませんけどね?もちろん前世でも。本当だよ?


「剣の他に槌や斧も使えます。多少の魔法も使える、非常にお買い得な商品になります」


 ほほう。戦闘職の成人男性ですね。やっぱり女性の奴隷は居ないのな。当然か、戦闘職に自信ありなお店らしいし。王都のギルドでも腕の立つ女性の冒険者なんて片手くらいしか思いつかないもんね。その片手のうち、ルーと賢者・剣聖・聖女はこの街に来ているし。そういう極々一部の例外はあったとしても、やっぱり男女の戦闘力の差は大きいよ。


「この人で……おいくらになりますか?」

「500万Gです」


 最初にマダムは選択肢は少ないと言ったけど……予算から選択肢は獣人一択じゃん。少し相談させてください、と断ってフィンリーと部屋の端の方に寄って内緒話だ。


「あー…どうするよ?あの獣人の奴隷を買う?それとも他の店を見に行ってみる?」

「獣人では…ダメ!獣人が嫌いとかじゃなくて今回の役目には無理なんです!」


 役目、ですか。

 じゃあしょうがありませんな。


「すみませんね、マダム。ちょっと他のお店でも見せてもらってきます。フィンリー、それで良いかな?」

「ええ、構いませんよ。ただ、戦士を探されると言うのであれば…予算は最低でも300万G程を考えていただいた方がよろしいかと思います」


 他所に行っても予算が足りないよ、と。

 親切に教えてくれるようだ。

 単純にお客さんを逃したくないだけなのかもしれないけど。


 フィンリーは俯いてジッとしている。でも予算が足りないのはどうしようも無いよ。何の縁か、こうやって一緒に店まで来てるけど俺達がお金を出す筋合いでもないしなぁ……。


 しばらく俯いて黙り込んでいたフィンリーは、拳を握りしめてマダムに訴えた。


「もし、例えば私を買い取ってもらうなら……幾らくらいになりますか!?」

「お客様をですか?」


 えー。マジっすか。奴隷を買いに来て、金が足りないからって自分も売って奴隷を買うの?そんなのアリ?なに?さっきの誰かを解放したいの?自分が奴隷になってまでして奴隷を所有してどうする気?もう訳がわからんな。


「落ち着いてください、お客様」


 関係無い俺が一番狼狽えている気もするけど、そうだよ落ち着こう。冷静になろう。ひっひっふー、ひっひっふー。


「でも!そうでもしないとお金が足りません…」

「こういう商売をしているワタクシが言うのもおかしな話ですが……我が身を売って奴隷を買うお金を用意するなど間違っています」


 このマダムは悪い人じゃないのかもな。確かに奴隷商が客に言うセリフじゃないかもしれない。でも大人が子供に言うセリフとしてはおかしくないだろう。この人の立場では、なかなか言えない言葉だと思うよ。


「失礼ながらワタクシはお客様の事情を存じあげません……が、御家族とよくご相談すべきでは?その上でもう一度、お客様を買えとおっしゃるのならば……その時はこちらも検討致します」


 まぁ…俺達は御家族じゃないけどね。

 でも、ちょっと相談はしても良いかもしれない。


「お言葉、ありがとうございます。一度、出直して来ます」

「アレクシスさん!私はまだ…!」

「ちょっと落ち着きなさい。諦めて帰れとは言わないから、とりあえず冷静になりなさい」


 今のフィンリーは冷静からは程遠いぞ、明らかに頭に血が昇っている。なので俺の話なんざ聞いちゃいないけど、そんなフィンリーをなんとか宥めてスカして、一旦近くのカフェに移動させることに成功しました。ミッションコンプリート。










「休憩だよ、休憩。一旦、甘いものを食べようよ」

「休憩なんてしてる場合では……」


 そう言いつつもフィンリーも目がケーキから離せない。この店の名物はバウムクーヘン。間違いないでしょ、これは。セシルとクゥムも大喜びですよ。ルーも食べながら頷いている。甘党の副党首からしても美味しいのだろう。

 大豆を買ってジャガイモを買って、白ワインも買って美味しいスィーツも食べた。あ、クゥムは絵本も買ったね。米は手に入らなかったけど本日の外出の目的はとりあえず達成、だ。

 ドライに考えたら、俺達はフィンリーに全く無関係なのでこのまま帰っても良い。もしかしたらフィンリーは俺の遠い子孫なのかもしれないけど、余計なお世話かもしれないしなぁ。


 どうしたものかなぁ……。


 かもしれないレベルなので俺はそれほど乗り気でもないけれど、ルーには確信があるのか相当にフィンリーに肩入れしている。場合によっては俺のナニがもがれるかもしれないけど……それはそれとしてメルヴィルの遠い親族ならば助けてあげたいようだ。

 ルーがそう考えているなら、俺も出来る事はしてあげたいけど一体何がしてやれるのやら。そもそも事情が全くわからないんだもんねぇ…。


「あー……フィンリー。会ったばかりで信用することは出来ないだろうけど、俺達は君の味方になりたいし、手伝える事なら君を手伝ってやりたいと思ってるよ。それをまず分かって欲しい」


 フィンリーはモゴモゴとバウムクーヘンを噛み締めている。もう少し甘みが有るともっと美味しいんだけどな、このバウムクーヘン。まだ時代的に砂糖が貴重なせいだろうか。俺の好みはもう少ししっとりと甘いタイプ。これの上にソフトクリームを乗っけて欲しいな。


「その上でだ、フィンリーの目的って教えてもらえる?『役目』ってなに?」

「ごめんなさい、それは言えません」


 だろうね。

 多分、俺達だからダメな訳じゃない。

 誰にも話せない事情があるんだろう。


「だったら君は一度帰って君の大切な人と話をしてきなさい。多分、これは俺の勘だけどフィンリーは今日の事を誰にも相談してないだろう?」


 誰が居るのか知らんけど、誰か……それは家族なのかもしれないし恋人なのかもしれないけど、フィンリーの大切な人が居るはずだ。自分を奴隷としてでも力になりたいと思ってる人が。そして、きっとその人には何も話してない。そりゃそうだろう。話してたら、その人は絶対にフィンリーを止めるだろうからね。


「そんな話は出来ません、って顔してるね?」


 まだバウムクーヘンが飲み込めないのか、無言でコクコクと頷いた。紅茶飲みなさい、紅茶を。このバウムクーヘン、美味しいんだけどしっとり系でもないから口の中の水分を持っていくよな。まだ原始のバウムクーヘンなのかもしれない。しっとり系をマドレリアで開発してもらうかな。いや、今はバウムクーヘンの話は置いておこう。これはこれで大事な案件ではあるが。


「だろうねぇ。困ったなぁ…」


 人には色々と事情がある。それを知らずに俺が偉そうな事をいうのもどうかと思う。フィンリーだって色々と考えた結果だろうしね。今の段階ではフィンリーに単独で頑張ってもらうしかないんだろうか。


「今は何も聞かない。でもな、何か手助けが必要になったら俺達に声をかけてくれ。そうだな、冒険者ギルドのギルドマスター…リヒャルトさんにでも言伝してよ」


 ギルドマスターを伝書鳩にしようなんて、贅沢な話だね。でも城に来てねとも言えないでしょうが。他に連絡手段がないからしょうがない。ま、おそらく連絡は来ないだろう。なんとなく、そんな気がする。


「そんな気張るものでもないよ。困ったらお爺ちゃんか親戚のおばさんに頼るくらいの気分で良いよ」

「親戚のお姉さん、ね」


 ルーが即座に訂正した。

 そこは絶対に譲らない、という確かな意志を感じた。

 不老の魔神が気にするところですか?

 だから俺には女心がわからないのかもしれない。


「……今日は帰る事にします」


 フィンリーが渋々といった表情で呟いた。表情だけでも不本意と伝わる。コイツも演技指導しなくても良い演技をしてくれそうだな。俺の映画監督デビューの時は役者をお願いしよう。どんな作品にしようかしら。やっぱりミステリーかな。主役はふルー畑警部?


「今日はありがとうございました」


 カフェを出たらフィンリーはこのまま帰ると言い出した。どうやら俺達に帰る先を内緒にしたいらしい、ここで失礼しますと言って先に去っていった。本当に色々と事情があるんでしょうよ。


「ああ、じゃあ気をつけてね」


 もう日が暮れかけてきた。途中から随分予想外の休日になってしまったなぁ。退屈しなくて結構だと前向きに考えようか。でも俺って基本的にポジティブというよりネガティブなんだよ。根本が陰キャだからさ。明日は良い日になりますように。


次回は15日(金)に更新予定です。


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