まあ俺はこんな人間だよ
そんな訳で、俺はベッドの中で二人に選ばれた経緯を聞いてみた。
……というか聞く予定だったが、二人とも力尽きたので翌日聞く事になってしまった。
それにしてもアレだな。なんか召喚者として強くなったのはいいけど、精力の方も異様に強くなってない?
単純に体力がついたともいうが。
そう言えば、スキルが強くなればなるほど、俺にはこういった行為が必要になると言われたな。
やはりそういう事なのだろうか?
いや、ダークネスさんの幻聴は聞こえてこなくて良いですよ。
そして翌日、改めて選ばれた理由を聞いてみた。
だがはっきりと理由を聞かされたわけでは無いという。
ただ新たな召喚者を呼び出す為の生贄として志願した時に、書類選考の段階でユンス軍務長官に呼び出されたそうだ。
今まではみんな生贄という言葉を使わなかったが、この子たちは平然と言うな。
やはり上の人間はともかく、当人たちはそう考えているんだろう。
案外、罪悪感からその言葉を避けているのかもしれないが。
まあとにかく、そこで尋ねられたそうだ。召喚の生贄になる以外に、いやそれ以上に大切な役目がある。どうかそれを引き受けてくれないかと。
「自分は軍人ですし、元々死ぬために生贄に志願しました。ですから、それがどれほど過酷な任務であっても受ける予定でありました」
きっちり正座してキリっと青髪のケーシュが応えてくれる。
しかし言葉が堅い。やはり軍人だからだろうか。だが全裸でベッドの上というシチュエーションではちょっと違和感がある。
ちなみに若く見えるが齢は二十歳。そう言えばセポナが、この世界では19歳までが教育期間で、その後進路を決めるのだったな。
というと、彼女はまだ成り立てって訳だ。
しかし軍人としての仕草と言うか動きが板についている。おそらくだが、親のどちらか……あるいは両方が軍人だったのだろう。
余談だが、脱ぐと凄いかもと思われた胸は全く凄くないというか平らだった。うん、外見通りだったよ。
「ボクもそうです。生贄に志願しましたが、ユンス軍務長官に呼ばれました」
緑の髪の中性的なロフレ。まさか一人称がボクとは思わなかったが、ある意味凄く似合っている。
というか、昨夜はそのせいで妙に興奮した。俺にそっちの素質があるのだろうか? 出来れば無いで欲しい。
「何か聞いているか?」
「直接ではありません。ただ――」
「ただ?」
「おそらくもっと幼い子の方が喜んでいただけると思うが、こればかりは法改正が必要だと部下の方と話しておりました」
「それと、処女は必須条件だって言われたね」
あいつは俺をどんな目で見ていたんだ。
まあミーネル以外はみんな若かったしな、すごく。
生き残りを集めたとか言っていたから、残りは言うまでも無いだろう。
彼女たちは、これから神殿庁の神官として働きながら伴侶を見つけ、減った分を増やさなければいけない訳か。
肌を合わせた子たちが他の男の元へ嫁いでいくのは寂しくもあるが、こればっかりは致し方ない。
というか、中性的だけあってロフレの胸も平らだなー。
選んだ基準を聞く限りだと納得ではあるが、違うぞ。
俺が付き合っていた奈々は凄く大きかったので、俺がそっちの趣味って訳ではないのだ。
是非あいつに奈々を紹介してやりたいわ。
と言うかミーネルだって大きかったじゃないか!
文句を言ってやりたいところだが、実際のところはまあ、良かったです。
通常、スキルを使い過ぎると暫くは大変だと咲江ちゃんが話してくれたことがある。
それを回復させるのは共通して時間なのだが、人によって様々な効率の良い回復方法がある。
ひたちさんはお茶を入れるという行為とその成功によって。咲江ちゃんは瞑想で回復させるという。
そういった意味では、俺の女性と肌を重ねればOKっていうのは簡単で羨ましいと言われたことがある。
だがそれは人次第だぞ。『回復したいからHさせてください』と頼み込んで、果たして何人が無事でいられるか。
俺の場合は最初からその予定だったひたちさんがいて、セポナがいて、そういった所からスタートできた。
だから可能だったわけで、実は俺の条件は相当に厳しいのだ。
あと咲江ちゃんがチョロかったのと、先輩がそのつもりだった事もあるな。
本当に、みんなに助けられて俺はこの世界で生き延びたんだ。もちろん、ダークネスさんらの村のみんなの協力もあっての事だけどね。
改めて考えてみると、あの後はどうなったのだろう。
時間は巻き戻っているようで、実際にはそうではない。俺は普通に日本に戻り、そして齢を重ねた。もう高校生に戻る事は無い。ループしているわけでは無いんだ。
考えても無駄だとはいえ、やっぱり考えてしまう。俺が消えて、みんなは悲しんだだろうな。
「あの、やっぱりボクたちではダメだったでしょうか?」
「上手にできず、申し訳ありません」
俺が上の空だったせいか、どうやら二人に余計な心配をかけてしまったようだ。
「そんな事は無いよ。じゃあ、もう少ししようか」
俺は彼女たちと共に、もう少しの間ベッドにいる事になった。
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