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虹色の泥  作者: 悠ノ夜な
2/6

交 運

 昼休みになった。


 僕はいつも通り一人でご飯を食べていた。

 いつも一人でいると、周りの話し声や雑音が耳によく入ってくる。


 今日はいつにも増して周りの話し声がよく聞こえてきた。

 昨日のテレビ番組の話やYouTuberについての話、Vtuberやアニメ、そして常守百花さんについてなど様々な話題についてだ。


 いつもなら適当に聞き流しているはずの会話も今日はやけに耳に入ってきた。

 特に常守百花さんの声に意識が向いてしまっている。

 これも今日の朝の出来事のせいだ。


 別に話を盗み聞きするつもりはないのだけれど、聞こえてくるからには仕方がない。


 「百花ちゃんって1年生の3学期、転校してきてからずっと学校休んでいたよね。何かあったの?」


 「ああ、あの時ね。ちょっと体調崩しちゃって入院してたの。」


 「え〜、そうだったの?もう体調は大丈夫なの?」


 「うん。もう平気、平気。」


 「それならよかったね。入院中大変じゃなかった?」


 「別にそうでもないよ。入院生活にはなれ」


 ちょうど昼休み終わりのチャイムがなった。

 そのおかげでここまでしかよく聞こえなかった。

 けれども、百花さんについて少しだけ知ることができたのでよかったと思ってしまった。


 そしてその後、午後の授業や10分休みでも百花さんが気になって仕方がなった。


 今思えばこの時の僕は周りから見れば気持ち悪かったと思う。



 放課後、学校が終わると僕は真っ直ぐ本屋に向かって行った。

 学校から本屋まではいつも心の中で歌を歌いながら自転車を漕いでいく。


 最近好きなのは神山羊の「シュガーハイウェイ」だ。

 この歌が一番似合うと思っているのは夜の帰り道なのだけれど、今日は気分を高めたかったのでこれにした。

 気分良く自転車を漕ぎながら進んでいるとあっという間に本屋に着いた。


 本屋のドアを開けると真っ先に新刊コーナーに向かう。

 今日もまだ入荷してなかったかー。そう心の中で思い少し落ち込む。

 僕の住んでいる所が田舎なので、普段は大体発売日から2〜3日遅れて入荷してくるのだけれど、今回は4日過ぎているのにまだ入荷していなかったからだ。


 はやく読みたいのでお店の店員さんにいつ頃入荷予定なのか聞いてみるか迷う。

 迷いながらも店内を見渡しているとそこには百花さんがいた。

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