表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

425/492

女王様


 姿を現わしたレンさんに、ボクは嬉しくなって、笑顔になってしまいます。だって、ずっと1人で心細かったから。それに、無事な姿を確認出来て、安心しました。


「……ネモ様」

「……レンさん?」


 でも、その様子がちょっと、おかしいです。ボクを見て、レンさんは喜んだ様子はなく、冷たい目で見て来ます。

 更に、その手には鞭が握られている。人質に取られたような状況であるはずのレンさんに、武器が与えられるのは、おかしいです。それに、先ほどジェノスさんは、レンさんが協力者として名乗り出たと、言っていた。レンさんが、そんな事をするはずがないのに、だ。


「人間の小娘が、この化け物を苦しめる事が出来るとは、到底思えないのである」

「はい。私には、ネモ様を傷つける事は、できないでしょう」

「では、どうすると言うのだ!傷つけもせずに、拷問するなどできるはずがないのである!」

「……どうして、拷問にこだわるのですか。情報を聞き出すだけなら、拷問などと言う野蛮な方法を使わずとも、引き出す事くらいできます。痛い目に合わせる事に拘るから、物の本質を見失っているんですよ」

「本質、だと……?しかし、拷問をせずに、どうやって情報を聞き出すと言うのだ……!」


 ドルチェットは、訳が分からないと言った様子で、首を傾げました。レンさんは、ドルチェットに対して鼻で笑ってから、、ボクの方へと近づいてきます。

 その目が、ちょっと怖いです。凄く鋭くて、まるでゴミを見るような目です。


「四つん這いになりなさい」

「え?」


 ボクの目の前で止まったレンさんが、ボクにそう指示をしてきました。

 指示がよく分からなくて、戸惑うと、レンさんは鞭を床に打ち付けて、大きな音をたてました。ボクは、その音に驚いて、ビクリと身体を震わせます。


「早く、してください。貴女と私は、もう今まで通りの関係ではありません。貴女は、私の物となったのです。私の命令は、絶対ですよ。いいですね。では、もう一度言います。四つん這いになりなさい。ネモ」


 冷たい声で、囁くように言ってくるレンさんの迫力に負けて、ボクは四つん這いになりました。

 命令通り、四つん這いにはなったけど、凄く恥ずかしいです。家とかでは割とする体勢かもしれないけど、命令されてやると、羞恥心が沸き上がってきます。


「ふん。相変わらず、愚図な雌ですね。今後は、命令されたら、即実行しなさい」

「……」


 普段、レンさんがボクに対して……いや、ボク以外にも、絶対言わないような口調で言うと、ボクの背中に、レンさんが腰かけて来ました。


「れ、レンさん!?ひっ」


 驚いて、名前を呼ぶと、また鞭で床を打ち付けて、大きな音をたてて来ました。驚いて、バランスを崩しそうになるけど、ボクの背中には、レンさんが乗っている。まるで、イスにでも座るかのように、脚を組んで座り、ボクに全体重をかけています。今、ここで崩れたら、レンさんが床に落ちちゃうので、踏ん張りました。


「私、言いましたよね、ネモ。貴女はもう、私の物なのです。これからは、レン様と呼びなさい。分かったら、お返事を」


 コレが、レンさんの演技だと言うのは、なんとなく分かります。でも、のりのりすぎて、ちょっと怖いです。本気か演技なのか、分からなくなってくるくらいです。


「れ、レン様……」


 でも、逆らうとまた大きな音をたてられそうなので、ボクはそう言って、ご機嫌をたてる事にしました。


「よく出来ました。良い子ですね、ネモ」


 頭を触れられて、驚いたけど、優し気に頭を撫でてくれて、心地良いです。しっかりと、レンさんの事を呼べたから、そのご褒美という事なのかな。

 ……なんだか気持ちよくて、褒められて嬉しくて、何かに目覚めてしまいそうな気分になります。


「コレは一体、なんなのだ。私は、何を見せられているのだ」

「見ての通りです。ネモは肉体は頑丈ですが、精神が弱い傾向があります。なので、この通り、私の物だという暗示を練りこむことにより、奴隷化。その上で、聞き出したい情報を聞き出せば、肉体を傷つける事無く、情報を引き出せるのです」

「ひうっ!?」


 そう言って、ボクのお尻に手を伸ばしてきたレンさんの手が、次はお尻を優しく撫でて来ました。ビクリと身体を震わせ、羞恥に耐えるけど、そんな姿を大勢にみられていると思うと、恥ずかしくて顔から火が出てしまいそうです。

 それでも、ボクは体勢を崩しません。それは、レンさんのためです。


「御覧の通り、ネモはもう、私の奴隷です。何をされても文句は言いませんし、私の命令に忠実な、一匹の雌となったのです」


 そ、そこまでは、言いすぎだよ。我慢しているだけで、心の底からこの状況を受け入れている訳ではありません。

 でも、ちょっと心地よさも感じる面もあって、戸惑っています。


「……ふざけているのか?貴様とその人間は、共に魔界へと侵入した仲間である。元々そういう関係性であったと考えれば、なんら不思議な事ではない。そもそも、その人間から情報を引き出す前に、貴様が情報を提供してくれれば、事は足りる。違うか?」

「例えそうだとして、この者だけが知っている情報を、私は知りません。この者は恐らく、他の捕らわれていた者達の行方を、知っているでしょう。ですが、私には知らされていませんでした。何故だと思います?実を言うと、私は仲間たちの中でも、孤立気味だったのです。理由は、女好きの変態だったから……。仲間たちを、奴隷にしたくて、毎日うずうずしていたんです。それが今、叶う所なんですよ。それに食いつかず、いつ食いつけというのですか」

「んぅ……!」


 興奮した様子のレンさんの、ボクのお尻を撫でる手つきが、更にいやらしくなって、ボクは声を我慢します。手は、縦横無尽にボクのお尻を撫でまわし、やがてスカートの中へと侵入し、更にはパンツの中にまで、手をいれられてしまいました。


「ひゃ、んっ……!」


 ボクはそれに対し、抵抗せずに、ひたすら耐え続けます。


「この人間が、本当にわたしたちの協力者かどうかは、この際どうでもいい。この異様に頑丈な人間に、躾ができるのはこの人間だけだろう。今は、預けておいて問題ない。それよりも、貴様は逃がした人間の後でも追ったらどうだ、ドルチェット」

「その人間が、逃げた者達の行方を吐けば、今すぐにでも追いかけるのである!」


 ドルチェットは、ジェノスさんに対して怒鳴りつけ、激昂した様子を見せました。ジェノスさんの言葉を、嫌味として受け取ったみたいだね。逆切れです。


「ネモ、知ってるの?」

「んっ……」


 ボクは、レンさんの問いに、首を横に振って答えました。

 次の瞬間、ボクのお尻を、レンさんが平手で叩いてきました。それも、何度もです。パンパンと音が響いて、痛くはないけど、まるで子供のような扱いに、羞恥心に襲われます。


「どうやら、まだまだ躾が必要のようです。私がしっかりといたぶって、情報を聞き出しますね」

「ああ」

「ま、待つのである!この人間を、信用するつもりか、ジェノス……!」

「今は、それしかない。コレの頑丈さは、お前が証明してくれたからな。だが、この人間を信用した訳ではない。私も、監視役として同行する。とにかくお前は、逃げた者達を探せ」

「……まぁ、良いだろう。魔王様を、絶対に裏切る事のできないジェノスが同伴するのなら、私も安心だ」


 ドルチェットは、最後にそう言い残し、去っていきました。骸骨たちも、それについて行きます。後に残ったのは、頭に角の生えた、普通の魔族の兵士たちと、ジェノスさんと、四つん這いのボクと、ボクの上に座っている、レンさんとなります。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ