表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
348/492

ごちそうさまでした


 イリスが独り言を言っているのは、先ほど自らの身体に取り込んだ、セレンと会話しているからです。先程もあったばかりなので、それを見ていたボク達には、すぐに分かりました。でも、見ていなかったレンさんは、目を丸くしています。


「イリスは、力を貸してくれる事になった精霊と、会話している所です。頭がおかしくなった訳ではないので、安心してください」


 心配するレンさんに、ユウリちゃんが簡素に説明しました。


「そ、そうでしたか。……それで、精霊さんは、なんと?」

「いえ……それが──」


 精霊が言ったのは、自分が川を利用して、皆を運べるという事でした。川は、今議論にあった山に通じていて、その山の向こう側まで伸びているようです。マップでそれを確認し、ボク達は、精霊のその提案に、乗る事にしました。

 イリスは力が弱すぎるので、ボクがイリスに力を貸して、その力を発揮します。そして、ボク達は濁流の中へと飛び込みました。

 馬車に乗り込んだボク達は、馬車を包む光の渦に包まれ、おかしな流れ方をする川を、物凄いスピードで駆けあがっていきます。その川の流れが強力すぎて、馬車の中はめちゃくちゃです。詰まれた荷物は崩れ、中身は散乱し、当然そんな馬車の中にいるボク達も、馬車の中で散乱します。


「い、イリス!早すぎます!もう少し、スピードを緩めてください!」

「そんな事、できるならもうとっくにやっていますよ!」


 力の制御ができていない様子のイリスは、ユウリちゃんに抱かれ、その身を保持して力を発揮しています。その身体は薄い青色に光っていて、どこか幻想的です。でも、本人はあまりに激しく動く馬車に、涙目です。必死にユウリちゃんに掴まり、力をコントロールするどころか、自分の身を守るのに手いっぱいのようです。

 ユウリちゃんに、必死に掴まるイリス、可愛いな……。あと、そんなイリスを大切そうに抱きしめるユウリちゃんが、カッコイイです。


「きゃあ!?」

「レンさん!もっと、強く掴まってくれていい!とにかく、私から離れない事を意識してくれ!」

「は、はい!」


 レンさんは、ディゼがその身を守ってあげています。ディゼに強く抱き着き、ディゼもレンさんを抱いて、離さないようにしています。

 密着し、胸とか押し付けられているディゼだけど、そこにディゼが恥ずかしがる余裕はありません。それだけ、激しく揺れる馬車は、危険です。

 ただ、こちらもディゼに必死に掴まるレンさんが可愛くて、そんなレンさんを守るディゼが、カッコイイです。


「ぎゅー!」


 小さくなり、ボク達と一緒に馬車に乗り込んでいるぎゅーちゃんが、そこで動きました。触手を長く伸ばすと、それを利用して、馬車の中で暴れる荷物をまとめ、固定してくれました。それにより、馬車は揺れるけど、荷物に襲われる心配はなくなります。


「ありがとう、ぎゅーちゃん」

「ぎゅ!」


 ボクがお礼を言うと、ぎゅーちゃんは触手で力こぶを作り、返事をしてくれました。


「……ネモ」


 そしてボクは、ロガフィさんに抱きしめられ、守られています。ボクは別に、守ってもらう必要はないんだけど、ロガフィさんがそうしたいみたい。いつもなら、イリスに抱き着いているロガフィさんだけど、今はユウリちゃんに取られちゃってるからね。

 ボクも、そんなロガフィさんを受け入れて、抱きしめ返して守ります。

 その時、一際激しく馬車が揺れ、ふと見た先で、レンさんのスカートの中が覗けてしまいました。それは、清楚な白の、レースのパンツで、全体的に透けて、お尻の部分は布地の全くない物でした。大切な部分は、申し訳程度に隠されているけど、それでも小さすぎて、意味があるようには思えません。

 ボクがそれに見とれていると、レンさんも、こちらを見ている事に気が付きました。どうやら、揺れた衝撃でボクのスカートもめくれてしまったみたいです。お互いにスカートの中身を覗いてしまい、目が合うと、レンさんの顔が赤く染まりました。ボクも、自分の下着を見られた事が恥ずかしくて、顔が赤くなるのを感じます。


「お姉さま!レンさん!ロガフィさん!ディゼさん!下着、凄く似合ってます!ごちそうさまでした!」


 そんな中で、ユウリちゃんがそう叫びました。どさくさに紛れて、全員のスカートの中身を覗くことに成功したみたいです。でもディゼは、丈が長めのスカートなのに、どうやって覗いたんだろう。気になってよく見てみると、ディゼのスカートは普段は見えないところにスリットが入っていて、激しく動くと腿全体が露になり、下着の紐が見え隠れしています。凄く、セクシーです。

 こうしてボク達は、激しい動きをすると下着が見えてしまう形になるけど、ユウリちゃんばっかりズボンで、狡いよ。ボクだって、ユウリちゃんの下着を覗きたかったのに。


「あ。ちなみに私は、何も履いてませんし、つけていません」

「ぶっ!」


 いきなりのユウリちゃんの暴露に、ボクは噴き出しました。


「ネモ。汚い」


 その際に、唾がロガフィさんの顔についてしまい、ロガフィさんがそう訴えて来ました。


「ご、ごめんね」


 謝りつつも、ユウリちゃんを凝視してしまいます。今つけている、ズボンとシャツの下に、何もつけていない?つまり、今のユウリちゃんは非常に無防備で、服の上から触っただけで、その中身を感じる事ができる訳で、それは凄い事です。


「や、ヤバイよネモさん!外みて、外!」


 アンリちゃんが天井から顔を覗かせ、指をさしたのは、馬車の前の部分につけられた、小窓です。その先には、崖がそびえたっています。川は、その崖の上から落ちて来ていて、つまりそれは、滝となっている。

 ボク達は、その滝に向かい、勢いよく突っ込んでいこうとしています。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ