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着替え


 全身ずぶ濡れだったり、泥だらけとなったボク達は、近くの池へとやってきました。不思議な事に、先ほどまで周囲を襲っていた雨の影響もなく、池も、池から繋がって流れていく川も、水が濁ったり、水位が上昇したりといった現象は見られません。どうやら、あの雨は局地的な物で、こちらには影響がなかったみたいです。

 おかげで、池や川はとてもキレイな水のままで、透き通って底が見えるほどです。


「つ、冷た……冷たいですよ……!」

「これくらい、我慢してください。でも、こうしてくっつけば……ほら、暖かいでしょう?イリスって、体温が高くてホントに暖かくて、なんだか火照ってしまいます。はぁはぁ」

「息を荒げないでください……言っておきますが、私に変な事をしたら、すぐにネモに助けを求めますからね。泣いて叫べば、さすがに貴女との約束もなかった事にしてくれるはずです……」

「し、しませんよ。私たちはただ、一日一緒にくっついて過ごすだけ……そういう約束ですからね」


 そんなキレイな水に、惜しげもなくその肌を晒して入る、美少女達。

 イリスとユウリに、ディゼは、泥が服だけではなく、髪や肌にもついてしまっているので、その池に入り、汚れを落としている所です。

 とくに、一番汚れの激しいイリスは、約束で一日中くっついている事になったユウリちゃんが、献身的に汚れを落としてあげているみたいです。

 ボクは、そんな彼女たちの声だけを聞きつつ、馬車の中で、ロガフィさんと着替え中です。

 ボクとロガフィさんは、身体に泥はつかなかったけど、服がずぶ濡れで泥もついてしまっているから、洗う事になりました。今は、服をレンさんが洗うと言って持って行って、代わりの服に着替える所です。


「……ネモ。これは、どう着ればいい?」

「ふぇ?え、えと……」


 素っ裸のロガフィさんに尋ねられ、ボクはそんなロガフィさんから目を逸らしながら、その服を受け取ります。

 それは、服の方ではなく、下着の方でした。黒色のそれは、胸を覆いつつも透けていて、特に下の方は、ただの紐です。これじゃあ、お尻も丸見えで、下着の役目をはたしていません。色違いで、白色の方もあって、そちらはボクがつけろという事だよね。サイズ的にはほぼ変わらないけど、白色の方が小さいから、たぶんそういう事だと思います。

 それにしても、いつもボクが身に着けている物より、更に際どいデザインとなっていて、コレを着るのはさすがに気が引けます。でも、服は下着も含めて全て持っていかれてしまったので、用意されている物を身につけるしかありません。


「う、後ろ……向いてくれる?」

「……」


 ロガフィさんは、ボクの指示通り、背中を向けて立ちました。キレイな白い背中に、小さいお尻があって、ボクはなるべく上の方だけを見ながら、ロガフィさんの胸にブラジャーを装着して、後ろのフックをとめます。

 胸に触れないようにしながらするのは、けっこう大変でした。手、震えたけど、上手くいってよかったです。


「し、下は、普通に履けばいいみたい。履ける?」

「……」


 ロガフィさんは、言う通りにパンツの方に足を通し、そして下着をつけ終わりました。


「できた」

「っ……!」


 その下着姿は、とても刺激的な物でした。胸は透けてるし、下は紐だし、その場で一回転してお尻まで見せてサービスをしてくれるけど、ボクには刺激が強すぎます。

 慌てて目を逸らし、誤魔化すように自分の下着を手にして、それを身に着けると、そこにはロガフィさんと色違いの下着を身に着けた、ボクがいます。ボクはボクで美少女で、それがこんな刺激的な下着をつけているとか、興奮します。興奮しない方が、おかしいです。


「これは、どう着ればいい?」

「ふぇ!?あ、ああ、こ、コレは……」


 自分の下着姿をじっくりと眺めていた所に、ロガフィさんに尋ねられました。上ずった声で返事をして、ボクと色違いの下着を身に着けるロガフィさんに顔を赤くしながらも、その服を見てみます。

 こちらは、チェック柄のスカートに、白のYシャツとその上に羽織るローブのセットで、ニーソと革靴も用意されています。

 まるで、どこかの世界。どこかの国の、どこかの高校生の制服のようなデザインの物だけど、ローブにはしっかりとしたデザインのワッペンが縫い付けられていて、しかも上質な素材が使われている事が、手触りからも分かる。

 下着と比べれば、比較的まともだし、こちらは身に着けるのに抵抗はありませんでした。ボクはロガフィさんが着るのを手伝ってから、自分もその用意された服を着て、2人共無事に、着替え終了です。

 着替えてから気づいたけど、少し、スカートが短すぎるような……ギリギリ隠れてはいるけど、少しでも前にかがんだら、見えちゃいそうだよ。それに、履いている下着が下着なだけに、余計にスースーして、恥ずかしい。

 ロガフィさんは、堂々としたもので、いつも通り無表情に服を着こなして、とてもよく似合っています。こちらも、スカートが短くて見えてしまいそうだけど、本人は気にする様子はありません。


「ネモ様。ロガフィさん。着替え終わりましたか?」

「う、うん。着替え終わったよ」


 外からのレンさんの声に答えると、馬車の幕が開かれました。


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