ナニワ国
ドラクロア領を出てから、馬車は、人を降ろしたり載せたりしながら、順調に進む。ようやくキョウ帝国を出たのが、5日後であった。ナニワ国に入ってからは、人族が乗り込んできたりしたが、俺を見て、多少不思議な目を向けるが、何も言われなかった。
さて、ナニワ国に入ったからと言って、すぐに降りる訳では無い、目指すのは、ナニワ国の首都、オーサカの街だ。
人が1番多く、依頼も多いと聞いたからだ。オーサカの街まで、あと5日。暇だ。
と、思っていたのだが、暇にはならなかった。
馬車に襲ってくるゴブリンの群れ。
馬車に居るのは、ほぼ人族。人族じゃないのは、俺と、馬車の主人の鬼人だけ。
となると戦うのは?
「まあ、こうなるよね」
文句を言いながら、ゴブリンどもを斬り裂いていく。
鬼人は、馬車の中の人族を守っているため、馬車から離れない。
「運賃負けろよ!」
そう言いながら、ゴブリンを倒していく。
ようやく全部倒したのは、20分後。
数は50ほど居た。
「こんなに群れが大きくなるまで、なぜ人族は放置してたのだろう?」
1人呟くと、
「人族には、ゴブリン程度でも、脅威だからな。こんな国の端では、戦力も少ないから、仕方ないのさ。街には、防護壁があるから、街から出ないかぎり、襲われないから、放置してるのさ。」
馬車の主人が答えた。
なるほど、そう言い事かと納得した。
馬車が、再び進む。
が、次の日も、ゴブリンに襲われ、また次の日も。
全部斬り捨て、魔石を回収していたが、魔石だけで、荷物が2倍になった。
ウンザリだ。