15歳旅立ち
15歳
いよいよ、外の街に行ける年齢だ。
その日、俺は朝から忙しかった。
持って行く物の準備だ。着替え、保存食、金、そして武器。
武器は、銀を使った短剣2本。
そう、二刀流だ。
理由は特に無い。なんとなくカッコ良いからだ。
前世では、銀の長剣、というか、長い刀を使っていたが、こちらの世界に刀が無かった。で、短剣2本使った二刀流にした。まあ、家庭教師の影響かな。
で、旅立ちである。両親と兄に街の門まで見送られ、乗り合い馬車で、隣の国を目指す。隣の街じゃないのは、隣は、鬼人の街で、冒険者の仕事が、無さそうだからだ。
両親から、非常用通信器というか物も渡されている。どちらかが、急用が出来た時、その器械に魔力を流せば、会話が出来るらしい。なかなか便利だ。
馬車は、キョウ帝国を出て、ナニワ国を目指す。ナニワ国は、人族の国だ。冒険者も沢山居るらしいから、仕事もあるだろう。
すでに登録してあるから、ナニワ国でも問題無く使える。
一応、魔獣を倒した時などに、キョウ帝国のギルドに報告などして、金を稼いでいたから、暫く金の心配も無いし。
ちなみにギルドの登録ランクというものがある。貨幣価値になぞって、下から、見習い、鉄級、銅級、銀級、金級、白金級となる。白金級が、数人組んで、魔獣と戦ってやっと勝てる程度らしいが。
で、1人で倒した俺は、もちろん白金級になっている。15歳で白金級は、世界初だと言われたが。
ナニワ国まで、馬車で10日。
この世界、一年は、361日、12の月に分かれていて、一月が30日。それが12と、残り一日は、新年日と言われ、どの月にも属さない。一月は、6週に分けられ、光、風、土、水、火、と言い分ける。10日なら、2週間というわけだ。
ちなみに曜日は、魔法の属性から取られている。なぜか闇が無い。そう、この世界に闇魔法の概念が無いのだ。
まあ、それは置いておこう。俺は使えるし。
2週間長いな。