8歳9歳
8歳
家庭教師に教わる事が無くなった。近くの森では、敵無しになっていた。たまにオーガ、ファイアベアという、この世界では、強い魔物に出会ったが、ほぼ瞬殺で、魔法すら使わなかった。
まあ、ワザと魔法使って倒したりして、練習はしていたが。
9歳
この世界で、冒険者登録できる年齢である。とは言っても、普通、この歳で登録する者は居ない。
ゴブリンにすら負けるからだ。
孤児などが、金を稼ぐために、家の手伝いなどの依頼を、受けれるようにするための措置だ。
まあ、孤児は、孤児院で、15歳まで保護して貰える。人族、亜人族は、数を減らして居るので、国が保護しているのだ。
が、保護施設に肌が合わず、施設を出る事が、昔は多かったらしい。その為にこの措置があるらしい。
今は使う者がほぼ居ないが、規則だけは残っていた。
で!、俺はそれを利用して登録してやった。あまりに暇だったからだ。
領主の息子だからか、すんなり登録できた。
が、問題が1つ。
この地では、俺が狩りに出るまでもなく、普通に吸血鬼だらけの都市だ、魔物は、街に近づいただけで、吸血鬼族によって倒される。わざわざ森の中までは行かないが、農地に近づいたら、魔法で倒すのが当たり前の地域なのだ。
「やる事がない」
家の応接間で、暇そうに呟く俺に、
「仕方ないだろう、ここはそういう街だ。」
そう笑いながら言う兄が居た。
父の手伝いで、領地の管理をしている兄。手腕はかなりのモノらしい。
「だって、せっかく登録したのに、ギルドには、手伝いの依頼しかないし、それを受けたら、依頼人は、坊ちゃんにそんな事させられないと、断ってくるし、暇過ぎる!」
と、俺は、兄に八つ当たりする。
「まだ他の都市に行くには、幼過ぎるしな〜、人族の街なら、かなり討伐依頼があるらしいかな。」
人族の者にとって、ゴブリンですら、驚異になり得るらしい。ゴブリンは群れで行動するからだ。
「行きたいって言っても、許してくれないだろうな〜」
「当たり前だろう、おまえ、まだ9歳だろ、他の都市に行けるのは、15歳になってからって規則だからな。」
そう、この大陸全てで、他の都市に行ける年齢は、15歳からと決められている。
理由は、その年で、準大人とされるからだ。
種族にもよるが、15歳になれば、一応、危険から身を守る事が出来る身体と、知識が身に付くとされるからだ。
エルフなのでも、15歳くらいまでは、人族と同じように成長する、その後、見た目がほぼ変わらないような、ゆっくりとした成長になるらしい。
準大人、それはある意味独り立ち出来る年齢なのだ。
ちなみに成人は、20歳。
この年になれば、結婚できる。
5年の差は、生活基盤を作る為、生活力の無いものは、結婚出来ないということだ。
普通、8歳から14歳までは、学校に通って、知力体力を養うのだ。その後、一年かけて、15歳になった時、どうするかを決めていく。
が、俺は学校に通っていない。
家庭教師がいたからね。知力のほうは、諦めた笑
家庭教師が、色々教えてくれたのだが、まあ、帝王学的な?人の上に立ち、領地運営を、どうするのかみたいな。
分かったことは、俺には無理ってことだ。
まあ、兄が居るから、領地は大丈夫なはず。家も兄が継ぐしね。
で、俺は冒険者になると、両親や兄に伝えてある。領地の危機には、力で助けると言ってある。
幸い、両親も兄も許してくれた。年の離れた弟、年老いてから出来た子供、甘々である笑