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呼び出し
ある日の朝、魔道具が音を立てた。
それは家族から渡された連絡用魔道具。
「エリック!帝から呼び出しだぞ。お前、エリー様に会いに行ってないだろ?エリー様カンカンらしいぞ。」
笑いながら兄貴が言う。
「あ、しまった。半年に一度は遊びに来いと言われてたんだっけ。ヤバイ。」
「みたいだな。とにかく早く戻って来い。」
「わかった。なるべく急ぐよ。」
そう言って連絡を終わらせる。
「エリー様って誰?帝って、キョウ帝国の帝?」
ティスティアが聞く。
「帝は、その通り。エリー様は、帝の娘の第2皇女。俺の遠い親戚だな。1つ年下で、なぜか俺に懐いていてね。半年に一度は顔出す決まりになっちゃっててね。」
「帝と遠い親戚って、あんたどこのお貴族様??」
「もちろんキョウ帝国の伯爵家次男だけど?」
「マジ?」
「マジ!」
「なんで冒険者してんの?」
「家督は兄貴が継ぐから。とりあえず実家帰るけど、ティスティアはどうする?ここで稼いどく?」
「魔道具壊れたら怖いから、邪魔じゃないなら、帝国についていっていい?」
「別に問題は無いよ。」
「じゃあ決定!」
帝国に戻ることになった。




