実戦
今回も森の中。
無数のゴブリンの中央には、二本の短剣を振り回すエリック。
血しぶきの中で光る二本の短剣。
ゴブリンは、エリックに襲いかかるが、後方から、首を落とされる。エリックにはまだ距離がある。
30メートルほど離れた木の上から、ティスティアが狙撃していく。
ティスティアに気がついたゴブリンが、木に近寄って行くと、
パシュッパシュッ!
いつの間にかハンドガンに持ち替え、ゴブリンの頭を撃ち抜いていく。
「今回の依頼は、ゴブリンキング討伐!ゴブリンの数は、200ほど。キングの他に、ゴブリンナイトも確認されてるらしい。他の冒険者が尻込みしてるから、俺が受けた!」
「殺す気かっ!私はまだ死にたく無い!清いまま死にたく無い〜!」
訳の分からん事を言ってるティスティアの腕を掴んで、引きずってきたが、流石に観念したのか、しっかり後衛の仕事をしてくれていると、頬を緩めるエリック。
新しい剣も調子良い。スパスパ斬れる。
「お!いたいたゴブリンキング!」
通常のゴブリンの2倍ほどの背丈のゴブリン。手には剣も持っている。ナイトと違うのは、背丈ぐらいか?
あっさり首を落として、混乱極まったゴブリンの群れ。
群れと言うには、もうその数は、一桁であったのだが。
「残り、全部狙撃しろ〜早くしないと逃げていくぞ〜」
エリックが叫ぶ。
「あー!うるさい!集中させろ!バカ!」
文句を言いながら、スコープをセットして、狙って撃っていく。
「いや〜楽勝だったな。」
「私は生きた心地しなかったよ!」
「剣も良く斬れたし」
「狙撃してたら、足元までゴブリン寄ってくるし」
「キングも一撃だったし」
「撃っても撃ってもなかなか減らないし」
なんか会話が噛み合っていない。
ギルドで討伐確認してもらい、報酬を受け取り、宿に戻る。
報酬は山分けだ。ティスティアは、こんなに貰えないと遠慮するのだが、エリックは、
「2人で倒したんだから、山分けでいいんだよ!」
と、半分押し付けた。
「それより使いやすさはどうだった?何かあれば改良するけど。」
「問題ないよ!私が魔法で魔物倒してるとか、未だに信じられない。」
ティスティアは、これまでノーコンだったから、弓矢でしかゴブリンを倒したことがなかった。
道具を使っているとはいえ、ティスティアの魔法で倒しているのは間違いない事実である。
「労働の後の飯は美味いな。」
エリックが呑気に笑っている。
「あの光景の後、よくステーキ食えるな」
ティスティアは、魚のムニエルを食べていた。
またブクマ増えてた。ありがとうございます。




