エルフ
そこには綺麗なエルフの女性。
髪色は銀色で、瞳は緑。
細く、すらっとした体形。
残念ながら胸は主張していないが。
この世界髪色と瞳の色は同じなのが通常であるが、エルフは髪は銀色である。
瞳の色が魔力の系統を表している。
緑は、風系統である。
「エルフなら、風系統の魔法使った方が良かったんじゃないの?弓矢より、ウインドカッターを放つほうが、倒しやすいだろう?」
エリックが尋ねると、
「確かにそうなのだが、当たらないのだ。」
「ん?当たらない?魔法は使えるんだよね?」
「使えるが当たらないんだよっ!私はノーコンなのだ!」
顔を真っ赤にして、恥ずかしそうに答えるエルフ。
「ちょっとあの木に、ウインドカッター放ってみて。」
エリックがとある木を指差す。
「ウインドカッター!」
そう言い放たれたウインドカッターは、木の幹のはるか左を通過した。
「へ?」
「ウインドカッター!」
次は、右側に大きく外れる。
「なんで?!」
「うるさいっ!だから言ったろう。ノーコンなんだよっ!」
悔しそうに叫ぶエルフ。
「威力は問題無いのにな。普通、魔法って対象に向けて放つから、当たる筈なのにな。」
「ノーコンのせいで、集落からは馬鹿にされ、エルフの恥晒しと罵られ、1人で冒険者しているが、未だたいした成果も出さず、なんとか当たる弓矢しか、攻撃手段がないのだ。」
手に持った弓矢を見つめ、エルフの女性は悔しそうに言った。
聞くと、ハグレゴブリンを地道に狩って、細々と冒険者をしているらしい。
が、ゴブリンは群れる。2、3匹ならなんとかなっていたらしいが、さすがに10匹は無理だったらしい。
エリックは、可哀想になって、なんとかしてやろうと考えた。




