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ガン爺

ブラブラしながら店を見ていたが、他に面白い物はなかった。

市を後にして、武器のちゃんとした店に入った。

「ここはガキが来る店じゃねーぞ!とっとと帰りな」

店の主人らしき男がいうので、ギルドカードを見せてやる

「すいませんお客様、どうぞごゆっくり見て下さい。」

態度が一変する。ムカつくが、一応見て回る。

が、大した物がない。いや、高級な剣などは有るのだが、俺好みのが無い。

飛び込みで入った店では仕方ないか。

ここはギルドでオススメの店を紹介して貰おう。そう思い、ギルドに向かう。

ギルドに入ると、冒険者が依頼を受けるため、かなりの数が居た。

壁に依頼票と呼ばれる紙が、所狭しと貼り付けてある。

この中から、自分が受けたい依頼を探す訳だ。みんな楽で高い依頼を探している。一応見てみるかと、依頼票の方に向かうと、何故か人が俺を避けるかのように割れていく。ボゾボソと声も聞こえる。

「あいつか?昨日の件の吸血鬼って?まだガキじゃねーか。本当に強いのか?」

「バカッ!聞こえたら殺されるぞ!昨日、俺は見てたからな。ヤツはヤバイって!あのプーは、拳砕かれるし、アーは、1発で気を失うし、ホーは、軽く投げられちまうし、関わるとろくな事ないぞ!」

しっかり聞こえてるけどね。

ジロリと睨むと、逃げて行った。

閑散としたギルドで、依頼票を見る。

一枚の依頼票が目にとまる。

「コレはどこの森?」

依頼票を持って、受付で聞く。

「オーサカを出て西に5キロほどの、大きな森です。受けられます?」

「ああ、暇潰しに良さそうだ。」

「では、ギルドカードをお貸し下さい。」

渡して手続きが終わって、カードが帰ってくる。

「期日は二週、魔石のみでは無く、本体も持ち帰って下さいね。」

「解ってる、書いてあるからな。あ、オススメの武器屋はあるか?」

「武器なら、ここがオススメです。」

なにやら紙を渡される。


ガン爺の店

その文字と地図が描いてある。

「行ってみるよ」

そう言ってギルドを出る。


地図を頼りに進む。

ようやく見つけたボロい建物。

「大丈夫か?ここ。」

思わず口から声が漏れる。

扉を開けて驚いた。

外観がボロいだけで、中は綺麗だし、並べてある武器も立派であった。

「えらい可愛らしい客だな。何が欲しい?」カウンターの奥に座る爺さん。この男が、ガン爺なのだろう。

俺を客と認めたのも、好感が持てる。

「短剣2本だ。これより強力で、斬れ味の良いのが欲しい。」言いながら、腰の短剣をガン爺の前に置く。

「抜いて良いか?」

ガン爺が聞くので頷く。

「ほほう、なかなかの業物だな。お前さん帝国出身か?帝国の色が見える。」

「ああ、ドラクロア領出身だ。」

答えると、

「ふむ、ドラクロア領の紫の髪ときたか、なるほど。お前さんがそうか。」

どうやら噂を聞いたことがあるようだ。

飛び込みで入った武器屋とは、大違いだ。

「どんな噂かは知らないが、多分そうだ」笑いながら肯定しておく。

「これより斬れ味が良いのはあるが、耐久性は無い。勿論逆も然り。今は!な。」

含みのある答えだ。

「なら、作ってくれ。予算と期限の相談

といこう。」

「材料はどうする?こちらで仕入れても良いが、値がはるぞ?」

「何が必要だ?」

「金属は、1番良いのは、オルハリコンだが、なかなか貴重だし高い。次はミスリルだか、これもなかなか高価だ。だが、鉄や鋼、銀では、これより良い物は出来ん。最低ミスリルは欲しい。あとは耐久性を持たせる為の魔石だな。強い魔物の物ほど良い。どうする?」

魔石の方は俺が仕留めて取ってくれば良い、が、金属は無理だ。

「ミスリルの方は頼む、魔石はなんとかする。」

俺が言うと、

「仕入れ代と前金で、金貨50枚。お前さんが魔石を、用意して、剣をふた振り打って出来上がった時に、あと金貨50枚だ。値引きは聞かんぞ!」

「解った、期間はどの位かかる?」

「魔石が用意出来てから、四週だ!」

「それで良い。」

金貨50枚をカウンターに置く。

「やはり金持ちか。」

「いや、俺が稼いだ金だぞ。親からは貰ってないからな。」

「お前さん、金持ちの息子だろ?なぜた?」

「親に甘えて居たのは、冒険者登録するまでの話だ。そこからは自分で狩りをして貯めていた。」

「なかなか見所のある坊主だな。よし、良い物を打ってやる!」

「頼む、魔石が用意出来たら、また来る」

そう言って店を出た。



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