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龍人族

「で、君の方だが、特に怪我もして無さそうだし、魔石の金を渡そう。来てくれ。」

マスターが言うので、ついて行く。

カウンターかと思ったが、どうやらギルドマスター室らしい部屋に入れられた。

「まあ、座ってくれ」

言われたので、ソファに座る。

「改めて自己紹介しよう。私がギルドマスターのリョーガだ。まあ、見て解るかもしれんが、龍人族だ。」

そう、逞しい身体と、鬼人族とは違う角。

鬼人族は、基本円錐型の角だ。曲がったり真っ直ぐだったり、形は色々だが。

龍人族の角は、ブレード状の角だ。リョーガには、真っ直ぐな角が二本、緑の髪の毛の間から伸びている。

「エリック-ドラクロアだ、色々知ってるみたいだけどね」

俺も名乗る。

「まあな、15歳で白金級は、初だからな。色々噂は聞いたが、本当に紫の髪の毛で、小柄なんだな。」

そう、俺はまだ160センチほどしか身長がない。気にしてんだぞ!

「あんな馬鹿が、この街には多いのか?」

気になって聞いてみる。度々アレでは面倒だ。

「いや、あいつらくらいだ。あれでも腕はそこそこなんだが、調子に乗っていてな。いい薬になっただろう。」

どうやら馬鹿は少ないようだ。

「で、ここに呼んだ訳は?」

そう、わざわざこの部屋に呼ぶ意味が分からない。

「まあ特に意味は無いのだが、落ち着いて君を見てみたいと思っただけだよ。変わった装備をしているからね。奴らもそれに目がいって、絡んだんだろうしね。」

そう、俺はこの世界では変わった服装と、装備なのだ。

革のブーツ、これは普通だ。

が、まず服装、これがこの世界には無い。俺が特注で作らせたからだ。

前々世の記憶。

バトルドレスユニフォーム

ご存知だろうか?

簡単に言うと、地球の軍隊が着ている、迷彩服の軍服がそれだ。

この世界には無いので、俺の記憶をドラクロア領の職人に伝え、作って貰ったものだ。色は黒と紫と灰色の迷彩模様。

腰には、革の30センチ四方の袋。

地球で言うダンプポーチだ。ベルトの左側に取り付けられている。そして、両方の腰部分には、二本の銀色の鞘に収まった、銀色の短剣。胸の部分には、小さなナイフが数本装備出来る、ベスト。

その上から、紫の長いローブ。

ローブは、この世界にはよくある物だが、色がね。

「まあ、俺の戦い方に合わせて作ったんだが、目立つか?」

聞いてみると、

「まず色で目を惹く。次に見たことない色使いの中の服、形も独特だしな。まあ目立つな。」

そう言われた。


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