君との出会い ~First Contact Between You and Me~
処女作です。誤字、感想よろしくです!
僕は今でも覚えているーーーーー
あの夜は雨が降っていたーーーーー
カーテンを開くとーーーーー
そこにはーーーーー
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僕、小池遼は目覚まし時計のアラームが鳴ると目を覚ました。
そして目を擦りながら、時計を見る。
「・・・二十分遅れてる?」
遅れてると分かったとたん、ベッドから飛び降りると急いでリビングへと向かう。
リビングに着くと、テーブルの上に何かが置いてあるのが見えた。
テーブルの上にはラップに包まれたサンドイッチと置き手紙があり、僕は置き手紙を取ると読み始めた。
置き手紙には「急に海外への出張が決まった。数ヶ月は日本には帰ってこれないかもしれない」と書いてあった。
(またか・・)
一人には慣れているものの、一週間前に帰ったきたばっかりなのにこれはないだろうと思う。
でも仕方のないことだ。
僕の母は僕が二歳くらいの頃、交通事故で死んだ。
それから父は男手一つで僕を今まで育ててくれた。
僕を育てるために父は年中忙しかった。
僕がまだ小さかった頃はよく家にいてくれたが、中学に入ってからは一人暮らしができると思ったのか今回のように出張続きだ。
そんな考え事をしていると瞬く間に時間は過ぎ、気付いたときには八時二十分だった。
(やばいっ!)
八時三十分には一限目が始まる。
(これはもう遅刻だな・・・)
と思いながら、急いで鞄を取り、家を出る。
扉の鍵をしっかりと締め、僕はすっかりパサパサになってしまったサンドイッチを食べながら学校へと向かった。
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学校に着くと誰もいなく、校門もしまっていた。
「あれー?」
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正直にいえば今日は終業式だったのだが、学校側の事情で取り消しになったらしい。
昨晩、生徒全員に学校側から連絡を入れていたらしいのだが、自分には来てなかったようだ。
なんてのは嘘で、電話は実際に来たけど面倒くさいので無視した。
今思えばあの時の電話かなーと思い当たる節もあるが、過ぎたことをこれ以上考えても意味がない。
とはいえ、明日から夏休み。よーし、遊びまくるぞーっ!と言ってるやつはまだ甘い。
そういう人たちに限って、夏休み終盤に急いで夏休みの宿題をやり始める。
だが僕は違う、今日で宿題すべてを終わらしてやる!
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「よぉおおし、終わったぁああ!」
時計を見るとすでに時刻は3時を回っていた。
午前十一時から始め、昼食、夕食の時間を抜かすと、合計で13時間くらい。
もう寝なきゃなと思い、リビングの電気を消す。
階段を登って、寝室へと向かおうとした時、外から声がしたのが聞こえた。
「おい!ーーーー見つからないのか!」
「こっちにーーーはず!」
「そう遠くにはーーーー行けないーーーだ!」
雨に音に掻き消されて、うまく聞き取ることができないが、その声が段々家に近づくのがわかる。
カーテンを開いて、外の様子を伺うとの敷地に入っていく人影が見えた。
コートとフードを羽織っているその人物の顔は見えなかったが、こちらを向いた時、目が合ったような気がした。
「くそっ!どこへ行った!」
さっきの人物を追うように、複数の人が家の敷地のすぐ近くまで来る。
ここにはいないと思ったのか、徐々にその声は薄れていき、終いには聞こえなくなった。
「なんだったんだ?」
外に出て様子を確認しようと思ったが、襲ってくる睡魔に耐えきれず、床に横たわる。
(やばい・・眠たすぎる。明日になってから確認するか・・・)
そのまま意識は薄れていき、僕は眠りについた。
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カーテンの隙間から差し込んでくる太陽の眩しさに、目を顰めながら体を起こす。
あくびをしながら、体を伸ばす。
寝起きのもやもやした思考の中で昨晩のこと思い出す。
「あっ!」
昨晩(正確には昨晩ではないが)家の敷地内へと入っていったあの人影を思い出すと、急いで靴を履いて家の外へと出る。
家の周りを確認すると、家の裏にある倉庫の扉が少し空いていた。
(えぇ!?これってなにか盗まれたりしたのかな!?)
もし本当に何か盗まれていたらどうしようと恐る恐る倉庫の扉を開いて、中を確認するとそこには
昨晩見た人影と同じようなコートを羽織った少女が
倉庫の中で幸せそうに眠っていた。
これが僕の彼女の出会い。
この頃の僕はまだ知らない。
やがてこの出会いは僕の人生を大きく変えることになると。
君との出会い ~First Contact Between You and Me~