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「よっしゃー!」
雪は玄の控え室へ飛び込んできた。
「見たかえ! 見たろう! 強いじゃろう! ぬふふふ!」
「落ち着けって。嬉しいのはわかったから」
幼児のように床に寝転がった雪は、痙攣したかのように笑い続けている。
「いやはやのう。おもしろいぞ。これは。あたしのやることなすことにたまげてくれるんじゃもん。それに、なかなか強かったからのう。ぞくぞくしたぞい」
「なかなか、サディスティックに倒したけどな。あれぐらいしないと、やらせだなんだって言われるんだろうけどね」
広末進一は、屈辱だっただろう。自分が最も力を入れてきたものを、崩されたのだ。
雪は自分の控え室には帰らず、その場でごろごろしている。玄も注意せずにいると誰かが扉をノックした。どうぞと、玄が答えると、黒崎が入ってきた。
「あ、ここにいたんですか、雪さん」
「どうしたんです? 梶さんのところにいなくていいんですか?」
「集中してますからね。今は、放っておきます」
黒崎は玄の隣りに座り、テレビを見る。雪も玄の膝に頭を乗せてテレビに目を向ける。
次々と試合は消化され、いよいよ梶の試合が近づいてきた。コマーシャル明けのテレビでは、梶の経歴が映像で流されていた。
まず日ノ本プロレス時代のデビュー戦のダイジェストが流れる。七一年に厳王が亡くなってから約十年後のことだ。しかしそれは試合ではない。それどころか梶はまだ練習生の立場で、先輩の試合に乱入して、二人ともを打ち倒すというものだった。つまらない試合しかできない情けない先輩連中に痺れを切らしての行為、ということだった。
その試合で梶は、華々しく闘った。圧倒的なパワーとタフネスでレスラー二人や止めに入ってきたものたちをちぎっては投げた。リングから何人も放り出された。椅子で殴りかかられても受けて、揺るがず、殴り飛ばしてノックダウンさせた。
翌日のスポーツ紙には梶翔の名前と写真が一面に飾られた。スタジオには、当時の新聞も用意されていた。
ここから栄光への階段を上り始めるが、それは決して平坦な道ではなかった。派手なデビューは敵を多く作った。梶は声高に他の団体をもコケにしたのだ。
それから彼はあらゆるものたちからの挑戦を受けた。引き分けや負けもあったが、勝ちまくった。豪快に笑い、豪快な闘いで勝利した。やればやるほど観客が増えていった。
「梶さん、若いのお」
雪が寝転がったまま言った。
梶の人気で厳王が活躍した当時に迫るまでに客足が戻り、日ノ本プロレスの経営は持ち直した。しかし梶の待遇は変わらないままだった。厳王時代から脈々と続く年功序列、当時から変わらない経営陣による先見性のない団体運営に嫌気が差した梶は、あっさりと団体を去った。二度目のショックを乗り越えられなかった日ノ本プロレスは、一年ももたずに倒産した。その直後、梶は新日ノ本プロレスを設立する。
そこまで語られたところで、ゲストがふいに言葉を挟んだ。格闘通として知られる、ベテランのお笑いタレントだった。
「あれ、このタッグ戦のパートナー、銀ですねぇ。千葉銀」
テレビには、過去の映像としてタッグ戦を闘う梶の姿があった。そのパートナーとして、コーナーに控える銀が映ったのを玄の目も捉えていた。銀の名前が出た途端、雪と黒崎の視線が自分に集まるのを玄は感じたが、玄の目はテレビ画面から動かなかった。
自ら社長を務めた新日ノ本プロレスで、精力的に活躍し、第二次プロレスブームの立役者となった梶が、やがてアメリカから呼び寄せたのが千葉銀だった。小柄で、面白みの足りない地味な試合をする選手として、その昌平に疑問を持ったファンがほとんどだったということを、玄も知っていた。
玄の物思いをよそに、梶の経歴をまとめたVTRは、やがてプロレス人気の飽和を感じ始めた梶が、異種格闘技戦へ乗り出したことを伝えた。プロレスの枠を飛び越え、他の格闘技との対抗戦である。それはもう「プロレス」そのものの威信を懸けた闘いであり、プロレスこそが最強だと公言する梶は、柔道家やボクサーと、ありとあらゆる格闘技を相手に闘ったのだ。その中に、今日、再び闘う空手家の高木拳もいた。
異種格闘技戦に臨むとき、梶がその同志として連れだったのが千葉銀。そしてその舞台で、一番輝いたのも千葉銀だった。
「そういえば、さっきの千葉銀という選手も、異種格闘技戦では活躍したんですよ」
さきほどのお笑いタレントが、再び口を開いた。
「すっごい小さい選手だったんですけどねー。どこにそんな力があるんだってくらい、勝つんですよ。柔道家に何度投げ飛ばされても起き上がる。ボクサーを相手にしても同じ。殴られて、殴られて、殴られても、倒れず前に進む。それで試合が終わるとき、リングに立っているのは必ず千葉銀だった。あの姿は、プロレスファンとして気持ちよかったですねぇ。やっぱり梶翔の見る目は間違ってないと思いましたもん」
画面の中でタレントがしみじみと語っていた。
玄も何度もビデオで見て、知っている。銀はいつだって同じ闘いをしていた。
大柄の、自分より二十キロも四十キロも太い巨漢のレスラーから、ドロップキックやラリアットを何度も受けて、そのたびにひっくり返る。しかし必ず起き上がる。誰の目にも明らかなほど疲労困憊、ダメージ濃厚の姿を晒して、それでも最後まで前に進む。その執念でしがみつき、喰らいつき、相手をねじ伏せ勝利する。
「もうね、どんなドラマや映画なんかよりも感動的でしたよ、ちょっと君たち一回見なさい。ビデオ貸すから」
タレントが実況や他のゲストに向かって言い、苦笑いを返されていた。
銀はとにかく負けない闘いを続けた。異種格闘技戦という、個人を越えたプライドを賭けた試合で、銀の真価は発揮された。銀の実力に疑問を持ち、その起用に批難を浴びせたファンが、いざ闘わせると決して負けないその姿に、掌を返して声援を送った。
テレビの中では、若き日の高木拳が梶翔と闘っていた。どうやら、いつの間にか対戦相手の高木の紹介に移っていたようだ。今日の試合から遡ること十数年前に残された遺恨。引き分けに終わった異種格闘技戦が、今夜蘇るのだと、アナウンサーが興奮気味に伝えている。そのとき、興の乗ったお笑いタレントが口を滑らせた。
「高木選手もね、次は千葉銀選手が出てって、片を付けてくれると誰もが思ってたんですよ。でも、その直後に千葉選手が亡くなってしまったんで幻に終わっちゃったんですよね。まさか……癌だったなんてねえ。本当、残念でしたよ」
これから梶と高木が因縁の再戦を行おうというときに、水を差すようなひと言だった。アナウンサーが苦笑し、咳払いをしているのが聞こえ、玄も小さく笑いを漏らした。
漸く千葉銀に訪れた栄光の時代も、長くは続かなかった。
千葉銀に陽の目が当たったそのときは、既に彼の晩年だったのだ。突然対戦カードに彼の名前を見なくなり、しばらく後、病死が発表された。
物思いに耽る玄。テレビではアナウンサーがまとめに入っていた。この異種格闘技戦こそ、現在の総合格闘技につながる第一歩と言えるでしょう、と。梶翔は、総合格闘技の父と言ってもいいでしょう、と。
そのままコマーシャルに入り、それが明ければ、梶の試合が始まる。
「玄さん、そろそろ準備、いいですか?」
黒崎が何事もなかったかのように声をかける。
「はい。大丈夫です。雪、どいて」
雪が頭を上げた。玄が立ち上がり、黒崎とともに控室を出ようとする。
「ま、懸命に頑張るんじゃぞ。玄よ」
雪はひらひらと手を振って玄を見送った。
玄が小さく頷くだけでそれに応えると、黒崎がドアを押し開けた。
千葉銀の死が伝えられたそのとき、改めて銀は知られた。彼の執念を。最強を目指した執念。千葉銀というプロレスラーは、無敗を貫き通した。アメリカでのデビュー以来、プロレスでも異種格闘技戦でも、ただの一敗もしていなかったのだ。
そして『千葉銀』は伝説となった。生涯現役、生涯無敗のプロレスラー。
重厚で荘厳な音楽とともにホールに歩み出た梶。その姿は十年前となんら変わらぬものだった。全体が形のいい、滑らかな筋肉で覆われており、ダイヤをすりこんだかのように白く輝いていた。
衣装も現役のころと同じ、黒いショートタイツ。蹴りもするのでシューズを履くことはできないが、なんの問題もない。あらゆる格闘技と闘い、勝利してきた男がそこにいた。
偉大なプロレスラー、梶翔の復活。
梶の顔には獣の笑みが浮かんでいた。
闘える。それが心底嬉しいといわんばかりの表情だ。
一歩進む。それだけでこの日最大の熱気が台風となって梶に押し寄せてきた。思わず足を止めると、歓声が彼を包み込んだ。
――翔――翔――翔――翔――
スターだ。プロレスの、あらゆる格闘技の、生き続けているスターの名だ。
梶は右腕をぐるりと振りまわす。たったそれだけの動作で、割れんばかりの歓声がさらに大きく響き渡る。
強く気高き憧れが帰ってきた。闘いへと、戻ってきた。
ファンに見送られながら、力強い足取りでリングへ上がっていく。そこではすでに高木拳が待っていた。
汗がしみこんだ道着を着て、黒帯を締めている。
梶は微笑んだ。余裕の笑みだとか、威嚇だとかではない。彼と闘う。それが、嬉しくてたまらないのだ。
審判がルールの確認をするが、梶はそんなものわかっていた。だから、話を聞かずにまっすぐに高木を見つめていた。
「さあ、始めるぞ。高木」
「始めよう。梶」
ゴングと同時に高木はローを打ってきた。梶は足を上げてガードをした。
重い音がする。すばらしい、年齢を感じさせない蹴りだった。梶の筋肉はびりびりと痺れていた。
梶がお返しにローを打った。だがそれは避けられた。
続けて、梶は大きく前に飛び出して速いジャブを打つ。だが、それも捌かれ、逆にまたしてもローを喰らってしまった。拳は距離を開ける。
高木の闘い方は綺麗なものだった。梶のパワーをよく理解していて、遠距離から体力を削ろうとしているのだ。堅実に、倒す。
正しい。総合格闘技選手としての高木の技術は空手を下地としたレベルの高いものだ。並みの選手では太刀打ちできないだろう。しかし、梶はプロレスラーだ。
梶は走りだす。距離を詰めて、ぶんぶんと拳を振るう。大振りだ。一発当たれば人が飛ぶ。それを、高木は素早く避ける。軌道がわかりやすい。まるで子供の喧嘩だ。
高木は堅実にローキックを繰り返す。梶の太い脚が震える。やがて歩幅が小さくなった。
確かに、ダメージが蓄積された梶の太ももは真っ赤になっている。だから脚が動かなくなった、わけではない。
梶の拳が高木の道着を掠める。それだけでバランスが崩れそうになるが、なんとか距離を取る。そこで、高木の顔色が変わる。
「気づくのが遅い!」
梶が今度はロケットのような右ストレートを打つ。コンパクトな構えからだ。予備動作がなく、速い。高木の頬を掠めた。彼は距離を取ろうとするが、もうできない。
高木はいつの間にかコーナーに追い詰められていた。梶が追い詰めた。ローを打たれながらも足運びを調節して徐々に動きを速め、高木の逃げる方向を制限させていたのだ。
梶は拳を振りかぶった。もはや逃げられない。ガードするか、攻撃して動きを止めるか。
高木は、攻撃、カウンターを選ぶ。
梶が殴りかかる。それを高木は完璧に回避し、みぞおちに拳を打ちこんだ。
「――甘いわっ!」
梶は大きく叫び、空振りした腕を翻し、高木の頬に裏拳を入れた。
打たれた高木はリングを転がった。鼻血を流して倒れている。ノックダウンとはならなかったが、腕が震えている。
観客は大いに沸いた。人のような重いものが殴り飛ばされることなどにない。
梶翔のパワーは、健在であることを証明した。
「ダア――ッ!」
殴った右腕を天に突き出す。観客はそのアピールに大喜びだった。けれども、高木には屈辱の極みであった。
高木はキャンバスを蹴りだし、梶に正面からタックルを仕掛けた。素早く、低く、基本に忠実なもの。それを梶は受け止めて、逆に高木を持ち上げた。
そのまま力任せにぶん投げる。高木は受け身を取るも深い痛手を負う。精神が痛めつけられ、それは表情に出ていた。
困惑、混乱、怯え。すぐに立ち上がることなどできず、膝を着いて巨人を見上げている。
梶は見下ろしたまま、手拍子を打つ。観客もつられて手を打つ。
パン、パン、パン、パン、パンパンパンパンパン――
梶は走り、跳んだ。上半身をそらして両足を揃えて前方へ向けた。
ドロップキック。高木は咄嗟にガードをするが、それごと蹴っ飛ばす!
「六〇〇ミリ砲だ!」
観客の誰かが叫んだ。梶の足のサイズが三〇センチと人並みはずれて大きいために彼の放つドロップキックはそう呼ばれていた。
転がるのはこれで三回目。ロープがあったので止まったが、高木の目からは戦意が消えかけている。
まるで大人と子供のようだった。先に現役に復帰し、試合をこなしているはずの高木が圧倒されている。その違いはなんだ。なぜ、こうまで差が現れる。
「弱い、弱いぞ! 十年前より遥かに、遥かに弱い!」
ロープを掴んでどうにか立ち上がる高木に梶は猛追をかける。走っていってのラリアット。高木はしゃがんで避けて、ローキックを打つ。梶は、そんなことで止まらずに振り返ってもう一度ラリアット。
当たる。飛ぶ。転ぶ。面白いぐらいに、蹂躙する。
「高木! お前の空手はそんなもんか!」
梶は自ら跳んで、腹で高木を押しつぶした。狙ったのだろうが、その形はフォールになっていた。審判はいなくとも観客がリハーサルもしていないのに一斉に数えた。
ワン! ツー!
スリーカウントの直前、高木の目が変わる。怯えが消え去り、内側から烈しい光が浮かび上がった。
「っ! っああああ!」
高木は雄たけびを上げて梶の巨体を跳ね飛ばし、起き上がる。目の色が違う。さっきまでのものとも、闘う前のものとも違う。闘志溢れるギラギラとした光を帯びていた。
足元はしっかりとしていて、もはや怯えも何もない。構えは空手の構え。やや半身になり、右手と左手を添えるように前へと出している。拳を固めていない。
「遅かったな! まったく、迷惑をかけるだ!」
「そうだな。まったく、まったく、なんで忘れてたか。思い出したからには、打つぞ」
観客のざわめきが大きくなる。高木のセコンドがなにかを叫んでいたが、届いてはいないようだ。
「俺は、総合格闘家じゃない! 生まれついての空手家だ!」
十年か。そのぐらい若返ったかのような雰囲気だった。
梶が接近して、大振りの拳を振るう。高木は避けず、受けず、拳を振るった。
二人の打撃は互いを殴りつけた。結果は、今までと違っていた。高木は後退するだけで、飛ばず、梶も後退していた。
高木は特別なことをしていない。彼は正拳を打ったのだ。それで梶を押し返した。
「いいぞ! それだ! それが、楽しい!」
梶は豪快に大笑いをし、拳を振るった。高木は逃げず、まず、正拳を打った。
闘いが変化した。高木が自身の闘い、空手を思い出したからだ。
肉体は変わらずとも、精神が変わった。高木は総合格闘家ではない。空手家なのだ。寝ても覚めても、生まれてから常に空手とともにいたのだ。
堅実にローキック、ポイントを稼ぎ、適当なところで攻め立てダウンを奪うか、判定に持ち込むか。試合ならそれで勝てるだろう。だが、これは闘いだ。
死んでも負けない。負けられない。生死を越えた闘いだ。
信じられるものは一つ。長年付き合ってきたもののはずだった。年を取ってから身につけたものではない。打ち、打ち、打ち、打ち続けてきた、一撃必殺を信念とする空手の拳だ。それが、一番なじみ、力が入るのだ。
梶の信じてきた最強のプロレスのように。
「きぇぇぇい!」
中段回し蹴り。高木のそれはムエタイよりも速く、重く、梶の肉を打った。
そして、梶も持ち前のタフネスで持ちこたえ、太い足裏で高木の胸を蹴っ飛ばす。もう高木は転ばない。大量の脂汗を流しながら奥歯を噛み締めて堪えている。
まるで、まるでこの光景は、十数年前、二人が現役だったころの再現だった。
空手とプロレス、技術と経験を総動員して殴り合い、蹴り合っていく。子どもの喧嘩だ。純粋な、感動さえ呼び込む闘争の渦がそこにあった。
幾度も繰り返し、梶も高木も肌の色が何か所か、内出血で青くなっている。なのに、その気力は尽きず、闘っている。
「どうした! そんなものか! そんなもんかお前の空手は!」
「なら俺の空手で死ね」
高木は右手を開き、指を固定する。それを、梶の胸元に突き刺した。貫手。刃のように突き刺さった。
梶の顔が青くなる。鉄の槍を刺されたような威力。背中へと衝撃が突き抜けた。爪が割れて、脱臼して、それでも鍛え続けた執念の塊。梶は巨体を揺らした。
そして、前蹴り。連続の、胸への攻撃。梶はよろめき、足を震えさせて後退した。
高木が踏み込む。速い。空手の動きだ。これも何百万回と繰り返したのだろう。ぎちぎちに固めた拳で、梶の胸へと正拳を打った。
梶は、受けた。ガードも逃げもせず、受けた。それも、前へ出て。
梶は胸で、高木の拳を受けて、押し返した。
「――効いた! 効いたが……!」
手を開く。大きな手。それを、大ぶりで、高木の顔面に叩きこんだ。
強烈な張り手。持ち前のパワーを発揮して、押して、押して、飛ばした。
梶は高木が起きる前に動き、拳を振りかぶる。
腰をねじり、筋肉を緊張させて、体重を乗せて、思い切り――、
「拳! 俺の方が、強い! 証明してやる!」
高木が起き上がって拳を打ち出してきた。それに、合わせた。
両者の拳は互いを打ち、そして、高木が飛んだ。今度は起き上がらなかった。梶もをつき、彼を見ながらつぶやいた。
「……ま、空手のブランクがあるぶん、お前の負けだ」
梶は深呼吸を数度繰り返して、起きる。
右腕を伸ばして勝ち名乗りを上げる。観客は大興奮。梶のコールは鳴りやまなかった。
「玄、次はお前だ」
梶の呟きは、彼を称賛する歓声に紛れた。




