第三話、誕生日会
迷惑を掛けますが、文を全て…とは言えませんけれど、編集し直しました。
…
二人の生まれた日、その日には盛大なパーティーが開かれた。
そして、彼女はハクと運命の出会いをする。
翌日、私達が目覚めた頃には屋敷は綺麗に飾り付けられていた。
私とカイルはネルドとファインに着替えを急ぐようにと言われてせかせかとお披露目用ドレスに着替えた。
カイルは動きにくそうで嫌だといっていたけれど私はこういう服、嫌いじゃないな
「それでは本日の主役、双子の登場です。」
大きな声でそう言われて扉から入り前にある二つの椅子に座った。
前を見ればどこもかしこも人の顔で広すぎる屋敷が埋まるほどだった。
中には貴族や魔術師や剣士までいた。
「リリア、カイル、挨拶をしなさい。」
「はい。始めまして、私はリリアンヌ・グリフォンと申します。本日は私達の誕生日会に起こしいただき誠にありがとうございます。
たくさんのプレゼントやお祝いの言葉に、感謝します。
では、私の弟、カイルは長い話が嫌いなのでこれくらいにして置きますね」
そういうと、屋敷内に笑いが巻き起こった。カイルはべ、別に違うぞ、と反論をしているが違わない。
いつもネルドの古文の勉強に寝てしまっているから。
「それではお楽しみください」
お母様の一言で私とカイルは椅子から飛び降りてケーキを食べに行く。
大きなケーキは私達の身長よりも高い。ファインに言って二つ分けてもらい食べていた頃に、大きな影が私達を覆った。
振り返れば、正装を来た冠をかぶる男の人が立っていた。
そう、アルフレッド国王様だ。
「カイル君、リリアンヌちゃん。誕生日おめでとう。私からのささやかなプレゼントだ」
そういって執事が持って来たのは本物の真剣と高度な魔術師用の杖だった。お母様とお父様は戸惑っている。
「アル、リリアとカイルにはまだ早いわよ…。」
「いいや、この年から始めていた方がいい。お前たちの子供だからどうせ、剣士と魔術師を目指しているに違いないさ、そうだね?」
私に問いかける国王様に私達ははい、と笑って見せた。
国王様はやはりな、と豪勢に笑い、会場に笑い声が広がり、和やかな雰囲気になった。
真剣と杖はネルドに預けて私達は食事を楽しんだ
「あ。カイル、私ちょっとお手洗いに行ってくるね。」
そういって会場を出て廊下を歩く。
廊下も美しく飾り付けられていて後片付けが大変そうだ。
****
トイレも終わり、私は会場に戻ろうと急ぎ足で歩く。あまり待たせると、カイルが心配するからだ。
「そんなに急いでどこ行くのー?」
声をかけられてバッと振り返る。
そこには廊下の窓際に美しい白い髪に前髪を耳にかけ、落ちないように黒いピンで前髪をバッテン印に留め、赤い目をした眠そうな男の子だった。
正装も解けて、シャツにネクタイが丸出しだ。
「…私はリリアンヌ・グリフォン。貴方は?」
人に名を聴く時は自分も名乗るべきだという礼儀を元に名前を教えた。
男の子は眠そうにしていた目を半開きにして、笑った。
「俺はハク。」
「そう、ハクっていうの…。
ねぇ、ハク。会場に戻らないの?」
「俺はああいう騒がしい場所は嫌いなんだー。煩いし…眠れない」
「そう…なら私もここに残る。お話し相手になってくれる?」
「んー面倒だけどいいよ。君、面白そうな目をしているしね。」
そう言って微笑む彼。言葉の意味は分からないけれど話せるならどちらでもいい。私は彼を知りたいと思えた。
彼と話すうち、彼のことがわかってきた。彼は私達と同じ高名な貴族の次男で、当主にはなれないから剣士を目指しているらしい。…しれたのは名前、将来の夢、そして年齢。年齢は私と同じ五歳。常時眠たそうな人だ。