第二話、この世について
迷惑を掛けますが、文を全て…とは言えませんけれど、編集し直しました。
…
体に宿った魂は、前世の記憶を持つその生命でいきはじめた。
やがて成長し、とある提案をする。
この世界に生まれて四年。私達は五歳の誕生日を明日に控えていた。
この世界に生まれて、昼寝の時間にお部屋をこっそり抜け出してカイル(双子の弟)とお屋敷の探検で書斎に行き、絵本や魔術書、この世界について色々と調べた結果、わかったことはたくさんある。
この世界は、魔界と天界、獣界、人間界、地界の四つの大陸に分かれている。
何故五つの名を言ったのに四つなのか。
地界は天界の地下にあり、死んだもの達は地界へと魂を送られてそこでいろいろな物に転生する。
それがどんな生き物かは分からないけど…。
まぁそこは、魂の持ち主の運次第だろう。
それぞれの大陸にはそれぞれに似合う住人が住んでいる。
魔界には、悪魔や魔物と言った魔族。
天界には天使や精霊と言った天族。
獣界には耳や尻尾、下半身が魚とか、獣の部位を身体に持つ獣人族。
人間界には魔術師や剣士、そして私たち人族が住んでいる。
勿論、制する者無しにしていては世界は滅びている。
魔界には魔王サティール、天界には大天使ガブリエル、獣界には大狼、人間界には国王様とそれぞれに力のある人達が存在している。
そして驚いたことは、それぞれに行き来する大陸は宙に浮かんでいるのだ。
いわゆる幻の浮舟という奴だ。
何でも大陸の間には霧の海という霧で出来た海があって普通は目に見えないほど透明らしい。
私もまだ見たことはないけれど。
他にもあるけれどまぁそれはその時に話そう。
今は私達の家についてだ。
私達の家は人間界の大国ソフュール王国の高名貴族に当たる地位を持っている。
なんでも今の国王様が皇太子時代の頃に修行として入っていたギルドで出会い同じパーティーを組んだ親友が私達のお母様とお父様である、リリカとマルスなのだ。
お母様は賢者リオーネを師匠に持ち、お父様は剣豪王ヴァルキリーを師匠に持つ。
そんな二人を両親に持つ私達の夢は当然剣豪王と賢者だ。
書斎でたまに魔法などを練習している。
「もっと練習したいよな。」
そうカイルが木刀を素振りしながら私に行った。
私はそうだねと言ってまた魔術書を読むのに戻った。
前世の私はちょっぴりオカルトチックでこういう本があるとすぐさま手に取り興奮した物だ。
厨二病精神が擽られるよね!
「…いいこと思いついた!カイル、明日は私達の誕生日よね?」
咄嗟に思いついたことだけど、我ながら中々いい作戦である。
「そうだけど?」
「ならさ、魔術剣士ヴァルシオーネ学園に初等部から入学させてもらおうよ。そうすれば練習も出来るし、剣豪王にだって会える可能性もある。最も、勉強もしなくちゃダメだけどね」
「うへー…」
「うへーなんて使っちゃダメよ。お父様に怒られるわ。勉強が嫌ならここに残ればいいわ。将来パーティーを組むんだもの、唯力任せな貴方と勉強して立派になった魔術師の私。役に立つのは私よね。」
そういうと、カイルはムッとしたように、俺も行くと叫んだ。
…其の後、その叫び声で寝ていないことがバレて叱られたのはカイルの所為だ。