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少しずつ真実に辿り着く

「まじで⁉どこも怪我してないのか」

「ああ」俺は自分の体を確かめるが、拳が痛いのと、軽度の筋肉痛しか感じなかった。

「そうか、そうか。まあ、おかげでお金入ったし、お前にも少しやるよ」

「お金?」

「そ。お前をココに連れてくるだけで、十万円。俺らにとっては大金だろ」

「十万…」

「お前の噂は結構広まっててよ、かなりの連中から、目つけられてるんだぜ。今日の件でもっと、広まるかもな」

 自称このエリアのトップと名乗った男はまだ、あの廃ビルで倒れているに違いない。それを見かねた女の子は、きっと別の男にくっつくだろう。

 そもそも、何故、俺の噂が広まっているのか。広めたのは、隣にいる鵜飼なのか。何が目的で広めたのか。次々と疑問が生まれる。分かっているのは、まだ鵜飼を信用していない、ということだけだ。


「なあ、カラス。これを見ろよ」鵜飼は携帯の画面を見せてきた。画面には動画が再生されている。

「なんだよ、これ」

 動画に写っているのはうちの生徒だ。五人で一人の男子生徒にたかっている。一人の生徒は服を脱がされ正座させられている。何を言っているか分からないが、五人の生徒が騒いでる。

「ちなみにこれ、俺じゃないよ。そんでもって、俺の周りにいる奴らでもない」

「なら誰だ」

「さあね。でも、うちの学校の生徒なのは確かだろ」

 きっと、学校に殺虫剤でも撒いたら、かなりの数の生徒は姿を消すだろう。なんてことを思った。鵜飼の方に視線をやると、なんとなくムカついているように見えた。

「こういうの全部、俺のせいにされるんだぜ」

 へー、と心の中でつぶやいた。

「椿原っていただろ。あいつ、ネットの掲示板にかなりの悪口書いてたんだ。それをダシにお金貰おうとしたら、自殺したんだぜ」

 へー、と心の中でつぶやいた。


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